長走川 深沢 岩岳沢

土曜日曇り時々雨、日曜日雨の予報だが、多くて一時間あたり2~3mmとのことなので、岩岳沢の遡行に踏み切った。岩岳沢は田代沢出合過ぎから延々とゴルジュ記号が続く沢だ。実際にはゴルジュは田代沢出合の手前から続いているが、綱木俣沢出合までは河原状で難所はないことが先週の遡行で分かっている。天候の不安があるため、できれば初日に沢を詰めてしまうつもりで沢へ向かった。

28-29日

金曜日の夜に新幹線と在来線を乗り継いで三川駅に到着した。三川駅は無人駅なので駅舎を借りて夜を明かすにはちょうど良いと思ったが、駅のすぐ前に幹線道路が通っていることもあって、結構煩くて落着けなかった。

磐越西線で三川駅に到着

夜中かなりの雨が降り、朝の列車は速度を落として運転しているとのことでダイヤが乱れていた。朝7時に予約しておいたタクシーに乗って、三川オートキャンプ場の対岸の林道のゲート前で降ろしてもらう。

キャンプ場に渡る橋から見下ろした長走川

先週は林道の分岐から深沢に架かる橋から入渓したが、今回は先週下山するときに見つけた大堰堤の上に降りる踏跡を辿って入渓した。朝方には雨は止んでいたが、増水はまだおさまっておらず水も濁っている。綱木俣沢出合までは行けそうだし、次第に水も引いてくると予想して遡行を開始する。昨年の同時期に鈴ヶ滝沢を遡行したときには、相当数の虻にたかられたことが頭に浮かんだが、今年も早速虻がよってきた。

深沢入渓点

しばらく河原を進み、左岸に小滝を連ねて流れ込む枝沢を見送ると、同じく左岸に水が流れ出てくる洞穴があって、そのすぐ先に堰堤がある。洞穴の左側から続く踏跡を辿って堰堤を越える。右岸には8Mの端正な滝を懸ける枝沢が注いでいる。左岸に7M3段の小滝の連瀑を懸ける枝沢を見送ると、間もなく谷が圧縮されて幅2Mの深場となる。増水のせいで水勢は強くなっていそうだが、右壁にはガバのホールドがあるので、右壁沿いを泳いで突破した。深場を抜けると左岸には威圧的な岩壁がそそり立っている。谷は左折して両岸20~30Mの高さの壁に挟まれた瀬が続いている。流れを縫って河原をしばらく進むと田代沢出合に着く。

洞穴の先の堰堤
ゴルジュ入口の深場
ゴルジュ

田代沢を分けても同様な渓相が続くが、何か所か尾根にエスケープできそうなところが出てくる。左右に滝を懸けて注いでいる枝沢を見ながら遡行していくと綱木俣沢出合に着く。

左岸枝沢の12M3段簾状の滝

このまましらばく同じような渓相が続くかと予想していたが、綱木俣沢を分けるとすぐに予想が外れていたことが分かる。間もなく左右の壁間が狭まり壁間いっぱいに水流を落とす1Mの落込みとなる。右壁にとりついて斜上していくと、落口に錆びた残置ハーケンがあった。一端谷は少し開け、両岸は傾斜が急ながらもブッシュが見られるようになるが、再び両岸共に岩壁となって谷は1.5~2Mに圧縮される。圧縮された谷は50M程続き、落ち込みが4つほどあるが、いずれも抉れた釜を形成している。平水で水が澄んでいたら水線遡行が気持ちよさそうなところだ。

綱木俣沢出合を過ぎると渓相が一変する
ゴルジュの幅いっぱいの1M小滝
狭いゴルジュは尚も50Mほど続く

谷が開けてくると、3M幅広の滝が懸る。左壁からこれを越えると、滝上には左右から簾状の滝が注ぐ優美な光景が広がる。谷が左屈すると正面にスラブ壁が見えてくる。スラブ壁を過ぎると釜を持った3M滝が現れる。両岸とも手がかり乏しく直登は困難、ゴルジュの滝らしいと言えばそれまでだがやっかいな滝だ。少し戻って右岸の草付に取付いてブッシュ帯をトラバースして巻く。降りたところがちょうど350M右岸枝沢が注いでいるところだった。

3M幅広の滝
両岸から「降り注ぐ」簾状の滝
正面に見えてきたスラブ
3M滝
8M3段の滝を懸ける右岸枝沢

すぐに4M幅広の滝を越えると、再び谷は1.5~2.5Mに狭まる。一旦開けた後また狭まるが難所はない。ゴルジュを抜けると岩岳沢直下から流れてくる枝沢が、この沢に流れ込む枝沢としてはかなり穏やかな渓相で右岸から注いでいる。

4M幅広滝
一旦少し開ける
狭まった樋状の流れ
岩岳から流れてくる枝沢

本流も少し落ち着いた渓相になるが、すぐにゴルジュが再開する。少し進むと靄が立ち込めてきて、まもなくその気配通り雪渓が現れる。雪渓を潜り抜けるとその先には壁間いっぱいの釜を湛えた2MCS滝が懸っており、どう見ても登れそうもない。少し戻って左岸に少し尾根状に張り出し、ブッシュが生えたところを見つけて取付いたが、登っても登っても斜度は緩くならず、間隔を置いて頼りない石楠花が貼りついたような壁が続く。何とかまともなブッシュ帯にたどり着いて、二本のルンゼを横断した後沢へ下降して2時間10分に及ぶ高巻きを終えた。

潜り抜けた雪渓
再びゴルジュ
2M滝 絶悪の高巻きで大きく巻いた
沢に戻ると少し落ち着いた渓相になっていた

少し穏やかになった谷を進んでいくと、間もなく本流と枝沢が大滝を懸けて出合う「どん詰まり」といった様相の壁に行き当たった。いずれも落ち口から一気に水流を谷底に叩きつける一条の直瀑である。しばらく滝を見上げてから、少し戻って右岸のルンゼを斜度が落ちるところまで登る。ルンゼ上部にはまるで植林帯のように下枝もなくまっすぐに伸びた杉の林となっており、滝上をまたぐように踏跡らしきバンドが続いている。この踏跡を辿って、難なく40Mの本流の大滝上に降りることができた。

ゴルジュのどん詰まりに懸る本流と枝沢の滝
両滝を右岸から巻いていく
40M滝の上流

滝上はほぼゴルジュから解放されたといってよく、両岸ともに開けた感じになっている。終始付きまとっていた虻もほとんどいなくなる。転石累々たる谷を黙々と登っていくと、20M2段の少し捻じれたような滝に阻まれる。右から小さく巻けそうにも見えたが、結構疲れを感じてきたので、安全策をとって左から大きめに巻いた。さらに前方に大きな滝が見え、また高巻きを強いられるかに思われたが、右岸から流入する枝沢の18M滝だった。

20M2段の捻じれた滝
右岸枝沢の18M滝

(2:1)で左岸に枝沢を分けると、ちょっとした滝場となり、小滝と4M滝が併せて4つ続き、三つ目の滝4Mは右側をシャワークライムとなる。5M滝を越え、次の8M滝は登れず右岸枝沢から巻くが、草付のため懸垂2ピッチで沢に戻った。虻がいなくなったと思ったら、今度の巻きでは蚋に悩まされた。

4M前後の滝が続く
8M滝
8M滝を巻くと平凡なガレ沢になる

この後、本流は左壁に10M二段の滝を懸け、正面に真っ直ぐ伸びるルンゼと別れる。本流を湧水豊富な枝沢と読んで直進ルンゼに進んだが、間もなく水が涸れ、その後すぐに窪も藪に消えた。藪の斜面を登っていくと左に水流が見えたので、ここで枝に入ったことに気付いた。残り標高差も100Mちょっとなので、そのまま藪を詰めたが、意外に長い。蔓草が絡みつく尾根を少し外して、尾根の西側をブッシュを縫って斜上していくと、ようやく登山道に出た。もしかしたら沢に戻って詰めた方が早かったかもしれない。時刻は既に19時を過ぎていた。

10M2段の滝

あとは岩岳手前にあるブナに囲まれた平坦なテラスを目指すのみ。忍耐あるのみと念じながら黙々と足を動かして幕場予定地にたどり着いた。

30日

この日は下山するのみ。東赤谷をバスが出発する時刻に合わせて起床し、下山を開始した。

岩岳手前のブナの広場
加治川治水ダム
東赤谷バス停

東赤谷からバスに乗って新発田駅へ。あやめの湯へ往復して入浴した後に、帰路に着いた。

 

遡行図

 

天候:曇時々雨


山行最終日:2017年7月30日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
29日:林道ゲート(7:20)-大堰堤上(7:40)-田代沢出合(8:30)-綱木俣沢出合(9:30)-350M右岸枝沢(10:50)-岩岳からの枝沢(11:25)-450M右岸枝沢(14:10)-840M付近(17:10)-登山道(19:20)-岩岳手前幕場(20:45)
30日:幕場(5:45)-加治川治水ダム(6:45)-東赤谷BS(8:00)
地形図:東赤谷・蒜場山
報告者:長島

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