長走川 淀ノ沢~大面沢

15日(晴時々曇)

今回は上ノ峠を越えて、赤沢の100M程手前にあるワラビが自生する草地まで長走林道を車で乗り付けた。走れなくはないものの、オフロード車でないと厳しい路面状態の道だ。

林道を終点まで歩き、さらに山道を辿って黒森沢の先で道をトレースできなくなったところで入渓した。水量はほぼ平水だが、水の流れは先週徒渉訓練をやった丹波川三条新橋付近より重い。右岸左岸とサイドを変えながら本流を遡行していくと、少し流れが強い深場が出てくる。左岸の巻道を使って容易に越えると、大きく開けて河原が広がる。流れをまたぐように渡されたワイヤーの下を通過し、左壁をへつって屈曲した深場のゴルジュを抜けると、幅広く浅い河原状の流れとなる。ここが杉ノ沢の出合である。木の枝にはピンクテープの目印がぶら下がっている。

杉ノ沢を目指して本流を遡行
杉ノ沢出合

杉ノ沢に入ると最初100Mくらい河原のない狭い谷が続く。小さな河原が点在するようになるがそれも束の間で、幅2M程度のジグザグのゴルジュになる。ゴルジュの途中には左から5M程の滝を懸けて枝沢が注いでいる。ゴルジュを抜けると、左に穏やかな流れの支流を分ける。本流からは靄が立ち込めてきて、雪渓があることをうかがわせていた。狭まった谷を僅かに進むと、雪渓が現れた。最初のは15Mくらいで、潜って通過する。次は40Mくらいの屈曲した雪渓で、左壁との間にとりついて上を歩く。雪渓末端を難なく降りると両岸狭まった深場が10Mほど続いている。ここまでは登攀も泳ぎもなく歩くだけで来れたが、ここからは腰まで水に浸かったり、登攀したりしながらの遡行となる。

杉ノ沢下流部
本流からは靄が立ち込めてくる
最初の雪渓を潜り抜けて二つ目の雪渓を左壁沿いに越える

深場を腰までつかって末端まで行くと、右壁に5M二段の滝が懸っており、スラブ状の右壁に取付いて直登する。少し先には3M滝、その上には大きな雪塊の尖塔が見える。雪塊の先には極度に狭まって屈曲したゴルジュに10M2段の豪瀑が懸っていた。この滝を見たときに、昨年下降した時に大高巻きした所だと分かった。3M滝手前まで引き返して、右岸のルンゼに取付いて登っていくと、昨年休憩した松の木の尾根に出た。そこからさらに少し登って不明瞭な尾根状を下降して懸垂で沢床に戻った。昨年の下降時よりかなり小さく巻いたことになる。下降点はちょうど昨年滝を見下ろした狭いゴルジュの入口だった。尚もゴルジュは続くが、だんだん開けてきて、やがて淀ノ沢出合となる。

末端で屈曲して5M滝が懸る深場
5M滝を越えると3M滝の先に雪の尖塔が見えてきた
雪の塔の先はさらに狭まり滝が懸っている
3M滝手前から高巻いて雪の塔の先の滝の上に懸垂下降する
淀ノ沢出合

淀ノ沢に入ると谷は一層狭まる。すぐに雪渓が現れた。二つの20~30Mの雪渓を潜り抜けると、両岸の壁が険しい雰囲気を帯びてくる。さらに雪渓が三つ続き、いずれも潜り抜けた。三つ目の雪渓下には3M滝が懸っていたが、右側の大岩と壁の間に身をこじ入れて登った。

淀ノ沢に入ると雪渓が続く

雪渓の先には写真で見た覚えのある10Mが懸ってたが、登れそうもない。やや手前に雪渓を割って注いでいる右岸枝沢の5M滝を快適に登って雪渓を抜けて、枝沢から分岐するルンゼから隣のルンゼへトラバース、さらに10M滝右岸に聳える岩壁の裏へ回り込んでから、尾根状を下降していくと、再び雪渓の上に降り立った。雪渓の末端は壁との間を滑り降りるようにして沢床に戻った。曲がりくねった狭い谷を進むと間もなく右岸に(1:2)で枝沢を分ける。

雪渓の先に滝が懸っている
枝沢の滝を登って10M滝を巻く
高巻きルートから見下ろした雪渓

右へ進むと幅2Mのゴルジュとなって、2M~5Mの滝が続いている。直登したり巻いたりして滝を越えてゴルジュを抜けると、右岸に崩落した石塊の山が乗った雪壁が残っていた。雪壁の脇を通り過ぎると再び小滝が続き、後半にはなかなか見栄えのする5M2段と7Mの滝が連続する。手がかりのなさそうな5M滝は右壁を容易に登れたが、7Mは左岸を巻き、さらに上流に2M滝が見えたのでまとめて巻いたが、2Mは巻かない方がよかったようだ。尚もゴルジュは続くが滝はなく、一つの釜に注ぐ右俣・左俣の出合に達した。水量比は(1:1)で、左俣は2M、右俣は3M2段の滝を懸けている。

幅2M程の狭いゴルジュ
石塊が積もった雪の壁
5M2段と7Mの滝
左俣は2M、右俣は3M2段の滝を懸けて出合う二俣

右俣へ進むと幅1.5Mの狭いゴルジュとなるが長くは続かず、3M樋状、4Mスライダー状の滝を越えると幾分開けてきて、幕場が得られそうな雰囲気になる。左岸寄りにテントを張れそうな広さの河原を見つけたので、少し早いが整地してテントを張った。薪も豊富で、ビールを冷やすのに手ごろな小さな雪塊もあって、快適な幕場となった。

幅1.5M程のゴルジュ
本日の幕場

16日(曇のち雨)

幕場を後にすると、すぐにゴルジュとなる。ゴルジュに懸る3M滝はちょっと悪そうなので、左岸を少し大きめに巻いて、滝上のに見えていた屈曲点へ伸びる尾根状を下降して沢に戻った。尚も小滝や小ゴルジュが断続するが、特に問題になる所はでてこなかった。左右に分かれる枝沢が、意外に水量が多くて、どんどん本流の水量が減っていく。湧水を見つけて水を汲んだあと、水が涸れた窪の末端の壁まで遡行して左岸の尾根に上がった。さらに尾根を登っていくと複雑に入り組んだ地形となり、杉ノ沢源頭を見下ろした後、大面沢下降点へ向かう。

幕場から上流は2~3Mまでの滝が懸るのみ
問題になる滝は出てこなかった
小ゴルジュの小滝を登る
源頭部も意外に水が多かった
複雑に入り組んだ尾根

木々の隙間から鈴ヶ滝沢と大面沢の境界尾根を確認して、大面沢へ向ってブッシュ帯を下降する。やがて窪に降り立ち少し下ると、三段の枯棚となり、右岸ブッシュ伝いに下降すると、滝の基部で水が湧き出していた。さらに下降していくと右岸から本流と思える少し広い谷と合流するが、水量比はほぼ(1:1)だった。

大面沢源頭部

ここから至る所と言っていいほど多くの箇所で水が湧き出ており、右岸から注ぐ枝沢も地形図で読み取れる集水域から想像するよりも水量が多い。当然本流も水量が多いが、地形図どおりゴーロ状の河原が延々と続いている。700M付近には広大な雪渓が架かっており、しばらく雪渓歩きとなったが、下流側末端はすっぱりと切れ落ちており、末端付近は左岸を小さく巻いた。その下で、クライムダウンした3M滝が、大面沢に懸っていた唯一の滝らしい滝だった。

湧水帯の下流に懸っていた雪渓
ひたすら河原が続く
二つ目の雪渓
雪渓下の3M滝 大面沢で下降した唯一の滝

枝沢を併せるたびに水量が増していき、両岸のゴーロの河原はイタドリに埋め尽くされていて、少し下降しづらくなってくる。やがて見覚えのある鈴ヶ滝沢出合となり、その先の左岸から顕著な枝沢が入る辺りで昼食を摂っていると雨が強くなってきた。

350M付近で左岸の斜面を登って、長走川本流に懸る吊橋から続いているという山道を見つけて辿るつもりでいたが、高度計が示す高度がなかなか下がらない。感覚的には出合に出そうなくらいだったが、果たして出合が見えてきてしまった。仕方なく、出合付近で尾根状に突き出たところから左岸の斜面を登って尾根上に出た。

尾根から見下ろした本流

しばらく痩せ尾根を東へ向かうと、尾根が広く緩やかになったコルで道に出た。道は多少荒れてはいるものの、結構明瞭で大きなアップダウンもなく、いつの間にか本流が見下ろさずとも視界に入る高度になっていた。壊れた吊橋を渡り、一部泥沼のようにぬかるんだ道を登っていくと林道に出る。

壊れた吊橋を渡って林道に戻る

土砂降りの中、荷物を車に放り込んで、鹿瀬温泉へ向かった。

今回は海の日の三連休だったので、本来なら大面沢の枝沢から小面峰に登って、小面沢を下降するつもりでいた。豪雨の恐れがあるという程の予報だったため、後半のルートをカットせざるを得なかったのが残念だ。
淀ノ沢は、わらじの記録を見てかなり悪そうな沢という印象を持っていたが、先入観とは異なり飯豊の沢としては難しくない方だったと思う。大面沢は、地形図にもガレ記号がついている通り、ほとんど終始一貫してゴーロの沢だった。

 

同行者の記録

遡行図:淀ノ沢大面沢


山行最終日:2017年7月16日
メンバー:長島(L) 石田
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
15日:長走林道赤沢手前(7:25)-林道終点(8:05)-入渓(8:20)-杉ノ沢出合(9:25)-淀ノ沢出合(12:05)-605M枝沢出合(13:45)-750M幕場(15:45)
16日:750M幕場(6:40)-1020M(8:25)-尾根1133M周辺(9:05)-鈴ヶ滝沢出合(11:30)-尾根(13:30)-吊橋(14:25)-林道駐車地点(14:45)
地形図:蒜場山
報告者:長島

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