黒手沢~滝倉沢

秋も深まり寒くなってきたので、泊りの山行とは言っても規模が小さな沢を選んで遡下行しようと思って、黒手沢~小川~滝倉沢の周遊ルートを計画した。黒手沢と滝倉沢はいずれも大石川西俣川左岸の沢で、大石ダムからは簡単にアクセスできる。小川は尾根を挟んで北隣の沢である。今回の山行では、黒手沢の12M滝の巻きに時間がかかってしまったため(高森さんが取付きで滑ってから動かなくなった)小川をカットして、黒手沢から尾根を辿って滝倉沢に下降した。

29日(雨のち曇)

朝、雨がやみ切らないものの幾分雨雲が去って明るくなってきた頃合いを見計らって、大石ダムのトイレ脇の駐車スペースを後にした。ダムの堤体の上を渡るとトンネルに入るが、大したもん蛇は祭りの後とあってか留守だった。登山道脇の山芋の蔓についているむかごをとりながらバックウォーターを目指す。赤い立派な鉄橋で滝倉沢を渡ると登山道となる。10分くらい山道を辿ると黒手沢を渡る橋に差し掛かる。橋の左岸側から踏跡を降りて黒手沢に入渓した。

大石ダムの堤体
黒手沢を渡る橋

入渓後谷が少し左へ曲がっていくと、最初の滝5M3段の斜瀑が現れる。基部の左壁には古い鉄骨が立てかかっている。ここを越えると、小ゴルジュとなり、釜の奥につるつるの登れそうもない滝が懸る。右岸に取付くと道があり、これを辿って小ゴルジュを越える。すぐに浅い小ゴルジュとなるが、小さな落込みと浅い小釜が続くのみで、問題なく通過する。流れが左岸寄りに膨らんだあたりには、平たい岩に蓋をされた3×5から始まる短いゴルジュとなり、ゴルジュ内に続く3M、2M、2Mを右右左と巻いていく。

5M3段の滝を登る
ゴルジュかゴルジュじみたところが続く
平たい岩に蓋をされた滝があるゴルジュ

谷は一旦開けるが、やがて左岸が草付スラブとなり、次に右岸もスラブ状になってきて、この辺りから地形図の400M付近まで延々とゴルジュが続いている。釜はなるべくへつって越えるが、ところどころ水に浸かって突破する。深さは腰下までなので、夏なら楽しい水線遡行となるだろう。8M滝は左岸に少し突き出た小尾根状を登ると、スラブの基部に踏跡があり、これを辿って巻く。325M右岸の枝沢は意外に水量が多く、(1:1)で本流に流れ込んでいる。4M、2Mの滝を越えたところで昼食を摂るために休憩をとる。

8M滝
ゴルジュ内4M滝を登る

深い釜を流れ込みから釜の底に横たわる倒木に乗って越えようとしたら、意外に深く胸まで浸かってしまった。3M滝は水流左側の壁と草付の境目付近を登る。後続が昇りやすいように、草付を蹴り込んで足場を作りながら登ったが、高森さんが登れずに難渋して仕方なくお助け紐を出す。落ち口に立つと左岸に尾根状に突き出た岩壁の上に次の滝の落ち口が見えているので、立っている位置から右岸の小リッジを少し登って草付に取付く。なんてことない小リッジだが、またも高森さんがスリップしそこから動かなくなる。一旦クライムダウンして登り方を指示するが、手が疲れて登れないと言うので、草付を登ってブッシュに支点をとってロープを出した。草付スラブをトラバースして12M滝の落ち口を目指したが、さらに登れそうもない2M滝が続いているのでトラバースを続ける。それほど斜度がある草付ではなく、足場も悪くなく、ブッシュも適当な間隔に生えているが、高森さんが進まない。脚が疲れて動かないというが、精神的な要因が大きいように見えた。ブッシュに支点をとってロープをフィックスしてプルージックで登らせた。緩やかなブッシュ帯を少し下降したあと、懸垂20Mで沢身に戻った。

草付を登って3M滝を巻く
3M滝とまとめて巻いた12M滝
懸垂下降で沢に戻った

少し先へ進むと再び3Mくらいの登れそうもない滝が懸っている。この時点で15時となり、この日のうちに黒手沢を詰めるのは難しい。もう少しでゴルジュを抜け出せそうだが、沢沿いに幕場が得られるかわからないし、高森さんが巻きを含む遡行ができる状態ではなさそうなので、左岸の尾根上に幕場を求めることにして、左岸のルンゼに取付く。

3M滝

すぐにCS滝が懸り、ザックが引っかかって登りづらいが右側壁のホールドを利用して越える。続いて渡部さんのザックを挙げて、渡辺さんに登ってもらい高森さんの確保を託す。ロープを引いたまま先を探りに行くと、快適なスラブが続いている。簡単なスラブであり、高森さんもこれまでの山行では問題なく登っていたレベルだが、やはりここでも怖がっている。ルンゼと思っていたが意外に水流があり、スラブの上で水が涸れる直前に水を汲んで稜線にあがった。

幕場を求めて枝沢から一旦尾根に上がる

稜線には踏跡があり、これをたどっていくと下草が少ない平坦なピーク状地形となり、ここにテントを張った。

30日(曇時々晴)

前日登ってきた踏跡を辿って、尾根が登り返しになるあたりで黒手沢へ下降する。降り立ったのは390M付近でブッシュ伝いに懸垂なしで沢身に達した。

尾根から沢に戻る
下降点付近

400Mで右に枝沢を分けると、小ゴルジュとなってつるつるの滝が続く。最初の二つの2M滝は直登したが、残りはまとめて左岸を巻く。滝上は開けたゴーロとなって一旦伏流する。(3:2)で右に枝沢を分けると再び小滝が続く。小滝を越えていくと7M滝が懸り、ここも登れないので左岸の小ルンゼ状を登ってブッシュ帯に取付いて滝上に出た。さらに小滝を過ぎると二俣となって(1:1)で水流を分けている。左右ともに滝を懸けているが、右俣の滝は倒木に埋もれている。

連続する小滝をまとめて左岸から巻く
7M滝

右俣へ進むとすぐに連瀑となり、5M、3M、5M2段斜瀑、3M、2M、2Mと続く。5M滝は右壁をへつるように斜上して登り、後続には立ち木にロープをフィックスして左を登ってもらう。3Mは問題なく越えて、2段の斜瀑は右壁沿いをフリクションを効かせて途中まで登り、後半はブッシュを掴んで越える。あとの滝は問題ない。左に2M滝を懸ける枝沢を分け、さらに(1:1)で水流を分けると、間もなく水が涸れる。

5M滝
連続する滝を登る

窪なりに登っていくとほとんど藪漕ぎなしに尾根上の道に出た。この道は大石ダム湖畔から黒手山まで続いているようだ。道を辿って今朝発った幕場に戻り、さらに尾根を進んだところから滝倉沢へ向かってブナ林を下降した。

水流が細くなってきた
尾根を辿って先日の幕場を経て滝倉沢へ向かう

滝倉沢は、350M付近で本来小川から乗越して下降してくるはずだった沢を(1:1)で併せた後、ナメ滝と小滝が懸っていたが、それ以外は何もなかった。左右から枝沢を併せるたびに開けてきて、最後は広大な河原となり前方に赤い鉄橋が見えてくる。やがて右岸に道跡が出てくるが、道跡は鉄橋の袂に続いており、あっけなく登山道に出ることができた。

源頭部は急だがそれ以降は平凡な滝倉沢
いくつかナメ滝が懸るが下降に支障はない
林道終点付近に架かる赤い橋

駐車場に戻ると、結構多くの人が訪れており、裸になって着替えるのも憚られ、荷物をまとめて桂の関ゆーむへ向かった。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2016年10月30日
メンバー:長島(L) 渡部 高森
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
29日:大石ダム(8:10)-黒手沢(9:00)-335M付近(12:05)-380M付近(15:00)-左岸689Mピーク付近(17:00)
30日:689Mピーク付近(7:25)-390M付近(8:20)-500M二俣(9:50)-稜線(11:05)-689Mピーク付近(11:35)-滝倉沢415M付近(12:45)-登山道(14:15)-大石ダム(14:45)
地形図:安角・えぶり差岳
報告者:長島

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