北股川

長期山行が恒例となっている夏合宿を利用して、加治川流域の大物の一つ北股川を計画した。今年は雪が少なかったせいか、水量が少なく、遡行するには絶好の条件に恵まれたと思ったが、彦兵衛滝を越えた先のゴルジュから雪渓が残っており、崩壊が加速している最中だったため、中~上流部は高巻きに終始した。時間があれば財布沢は遡行できそうだったが、下山連絡のため後ろ髪をひかれる思いで、沢には戻らぬ人となり下山を余儀なくされ、未練の残る山行になってしまった。
雪渓の少ない年は、登れない滝を連ねる狭く深いゴルジュが露わになり、非常に厄介な沢である。ある意味、飯豊川本流よりもルート取りは難しいかもしれない。

11日(晴)

豊栄PAで堀尾、高森と合流し、車二台で加治川治水ダムへ向かう。駐車場で飯豊川本流に入るという二人組に会った。彼らの話によると、北股川には先行パーティがいるらしい。

先々週長走川流域に入渓したときに虻が多かったため、今回は相当な覚悟をしていたが、ほとんど虻が出てこない。拍子抜けするが、うれしい限りだ。朝のうちは曇りがちで林道歩きもさほど苦にならず、約二時間で北股平に着いて、沢の装備を纏う。吊橋への坂道を下り、最後に道が折れるところに残置してある釣り師のトラロープを利用して、北股川に入渓した。

吊橋の下の渓相

岩盤と1M~3Mくらいの石が敷き詰められたゴーロが続くが、このころから晴れてきて、白く照らされて河原すらも美しく映る。左に点から降り注ぐような50Mにも及ぼうかという5段の滝を懸ける枝沢をみると、黒々とした岩壁が立ちはだかり、岩壁を割るかのように瀑流をほとばしらせる観音滝が現れる。流れの中央にリッジ状の出っ張りがあり、その右側が細く窪んでいるようだが、この水量では取り付いても押し流されるだろう。右壁は絶壁だが、左壁は何段かのバンド状になっており、フリーなら登れるかもしれない。実際残置ハーケンもあるが、ホールドはよくないので、少し戻って右岸の巻道を辿って巻いた。巻道があるということは、滝上にもまだ魚がいて、釣り師が足を踏み入れているということだろう。

右岸枝沢に滝が連なる

観音滝を越えると、至って平穏な雰囲気の河原が続く。青く透き通った水と、陽光に照らされ白く光る河原の石が脳裏に焼き付くように美しい。15Mはあろうかという大プールを過ぎて、緩やかに右にカーブしていくと彦兵衛沢出合となる。

観音滝から彦兵衛沢出合の渓相

出合を過ぎると、両岸から緑が後退してきて、ゴルジュ帯となる。はじめのうちはそれほど威圧感のあるゴルジュではない。3Mナメ滝を越え、1Mくらいの落ち込みを登ると、次の落ち込みが大きく深い釜に水をたたえており、左壁沿いをへつり泳ぎで越える。ホールドもあり、少し泳げば水中で壁が張り出しているので、足がかりも得られて問題ない。後続は体力温存のためにザックピストンで引き寄せる。さらにその奥の淵の左壁をへつって泳いで、後続をロープで引き寄せる。

彦兵衛沢出合上流のゴルジュ
釜を泳ぐ

谷が緩やかに左にカーブしていき、やがて右に曲がっていくと、両岸が切り立ってきて、その奥に二つの滝が姿を現す。手前は6Mくらい、次の滝は右奥に懸る20Mくらいの滝である。どうやらこれが青滝と呼ばれる滝らしい。前衛の滝の左壁の上に先行パーティがいて、トップが右岸に高巻ルートを拓いているところだった。

青滝(奥)

我々は6M滝下から右岸の草付スラブに取り付いた。最初は直上を試みたが、見た目よりものっぺりした斜面で、取り付きから2Mくらいのところまで下降して、右に5Mくらいトラバースして、再び直上する。先行パーティが滝上から左寄りに斜上していたので、結局同じところに詰めあがった。後続の確保に移行したとき、連結したロープが中間支点まで達しており流れなくなっており、意思の疎通が取れずにタイムロスしてしまった。ロープを固定して、支点を外しに降りて登り返す。後続を引き上げたところで、昼食を摂り、その後歩きやすい所を辿っていくと、懸垂なしに沢床に戻ることができた。結局、この高巻きの要領の悪さが祟って、昼食を挟んで3時間40分もかかってしまった。

降り立った所は、青滝が懸っていたことを感じさせない穏やかな渓相だ。550M付近になると、両岸の壁が20Mくらい切り立ってきて、左岸からは枝沢が滝を懸けて流れ込んでいる。淵を泳ぎ、5M滝が登れず右側のリッジ状の岩を登って小さく巻く。さらに8M滝を左から越えると、左岸がくぼみの多いバンド状の岩盤になってくる。すると、右岸から滝を懸けて小さな沢が入り、すぐ先に藤十郎沢が3段の滝を懸けて出合っている。

青滝上流の渓相
両岸切り立つ
バンド状の側壁
藤十郎沢

藤十郎沢出合の先には、流れの両側に大岩が門のように鎮座している。右側の岩を登って越えると、反対側の壁に、お地蔵様を祀ってあるかのような岩屋があった。ここから谷幅が圧縮されるが、壁の上部に明るく空が見えているので長く続かないことを予感する。狭くなったところを左に曲がりながら通過していくと、狭いながらも河原が点在する、ちょっと開けたゴルジュとなる。この日は天気の心配はないので、この一画の河原を整地してテントを張った。

河原の幕場

12日(晴)

幕場を後にするとすぐに狭いゴルジュとなり、泳ぎを強いられる。堀尾に泳いでもらって、後続はザックピストンで引いてもらう。続く深場は2Mのナメ滝を這い上がらなければならない。高森に行かせるが、滝の左壁に取り付こうとするもののなかなか這い上がれない。登れる気配がないので、左壁を2Mくらい登ったところをへつって滝上に降りて、二人をロープで引き上げた。

幕場付近の深場
下流部の核心ともいえるゴルジュが始まる
2M滝下の釜

ゴルジュは右に折れて、頭上には分厚い雪渓が残っている。雪渓の手前には3Mナメ滝が注ぎ込む釜となっており、右壁をへつって滝上に降りて、後続をロープで引き寄せる。さらに雪渓の下、ナメ滝上も釜となっており、ここも流れ込みがナメ滝である。雪渓下の右壁のバンドを辿って落口に出るが、堀尾はバンドに乗っている石を岩盤の突起と見誤って体重を預けてしまったので、石もろとも釜に転落する。何事もないかのように泳いで滝に取り付いて、突っ張りで登って行ったので、無事だったのかと思って安心したが、足の指の付け根付近を負傷していたことが後で分かった。高森は前の釜で粘りすぎたせいか、体が冷えて動かないらしい。バンドをへつれずにもたもたしているので、戻らせてザックピストンで引き寄せるが、ナメ滝の水流に押され登ってこれない。雪渓の下でもたもたしていたくないので、いらいらするが、ナメ滝の基部に降りてホールドを指示して何とか登らせることができて、ほっとした。ようやく雪渓を離れると、ゴルジュは再度右に曲がる。谷底を埋めるスノーブロックを縫うように越えると、右岸に陽光差し込む河原があったので、ここで日光浴をさせて体温回復を図った。

分厚い雪渓の下に釜がある
時間を要して雪渓を抜けた
しばらく陽を浴びて体温回復

一時間強の休憩の後に遡行を開始する。早速登れない6Mの滝に遡行を阻まれる。左岸の急峻な斜上バンドを登れば、落口に降りれそうに見えたが、無理をせずに、もこもことした壁が、飛び飛びにテラスをなしている右岸の草付スラブに取り付いた。まだ足取りも重く、長くはない高巻きだが1時間半を要して、最後は懸垂で沢床に戻った。

遡行開始後すぐに登れない滝に阻まれる
高巻きから懸垂下降

左にカーブしていくと、再び登れない滝が懸っており、今度は左岸のルンゼから高巻いて、懸垂2ピッチで戻る。2ピッチ目の懸垂の支点には、先行パーティのものか、それ以前のものか分からないが、残置シュリンゲがあって、利用させてもらった。明るく開放感のあるゴルジュがまっすぐに続いており、その途中で右岸から文四郎沢が出合う。

少し谷幅が広がってきた
また登れない滝に阻まれて高巻く
穏やかな渓相になった
文四郎沢

5M滝の釜を、釜に立てかかった丸太に乗って左岸から右岸に移って越えると、さらに深い釜の5M滝が懸る。両壁ともちょっと登れそうもないので、丸太の釜の手前まで戻って、左岸を巻いていく。登れなかった滝の上流に懸る滝もまとめて巻いて、懸垂で沢床に戻る。

ゴーロの4M滝を越えると、流れの右側の岩盤が抉れて水たまりができている。そのすぐ左側に5M滝が懸っているが、ルートは水たまりと滝を隔てる二つの大岩の隙間にありそうだ。堀尾のショルダーで空身で登って、荷揚げをし、後続を引き上げるが、ラストの高森が登れない。仕方なく自分が堀尾の確保で岩の下に降りて、高森にショルダーを貸して登らせる。最後は自分が、足元に石を二段に積んで、ハイステップと上体のひねり込みで体をリフトさせてクリアした。

ゴーロのゴルジュが続き、右に二本の枝沢を分けると、滝と淵を挟むように、左に青い岩盤、右に黄色い岩盤が斜上バンドをなしている。どちらも登れそうだが、右の黄色い岩盤のバンドを斜上して滝を越える。さらに次の滝を左のバンドに乗って見下ろしながら越えると、入り大石沢出合に出た。本流は出会いから20Mくらいのところに大釜を構え、15Mの彦兵衛前滝が全水流を真っすぐに釜に叩きつけている。左も右も絶望的な壁で、高巻きは必至である。

しばらくゴーロのゴルジュが続く
ゴーロ滝
青い岩盤と黄色い岩盤に挟まれた流れ
彦兵衛前滝

高巻きルートは入り大石沢の右岸からになりそうなので、出合から幕場を探しながら入り大石沢を遡行する。直ぐに8M2段のナメ滝が懸っているのを見て、左岸を巻こうかとも思ったが、何とか登れると判断して直登することにした。ただ荷物を背負ったままでは上段のホールドの位置が高すぎて、体をリフトできず、ハーケンを打ってシュリンゲをアブミ代わりに使ってA0で登った。その後、後続を確保して引き上げる。滝上のかろうじてテントを張れそうな広さな河原を整地してテントを張った。

入り大石沢出合の滝

この夜は夜空を見上げて、ペルセウス座流星群を鑑賞した。

13日(晴)

前日、幕場に着いたときに、堀尾の足を診せてもらったところ、かなり腫れており、これ以上の遡行は無理だろうと思っていた。この日になって、本人から足先に力を入れられず、厳しい高巻きは無理なので、エスケープするという申告を受けた。高森も気力、体力が尽きてきており、堀尾と下山するという。堀尾は自力歩行できているし、高森も同行するならと、入り大石沢を遡行して登山道まで同行することにした。

幕場のすぐ上流には、登れない5MCS滝が懸っている。前日見立てておいた左岸のルンゼを登って、樹林帯に取り付いてCS滝を巻くが、適当な下降点が見つからず、CS滝の上流30~40Mくらいのところに懸垂3ピッチで降り立つ。彦兵衛前滝の巻きルートの取り付き地点として、880M枝沢を少し登ったところがよさそうに見えたので、枝沢の出合にロープと行動食以外の荷物をデポする。

5MCS滝

入り大石沢はゴーロ主体で、4~5Mの滝がいくつかと、8M滝が一本懸っている。すべての滝は、登れるか簡単に巻くことができて遡行にも下降にも問題ない。900Mの二俣は、地形図を見る限り水量比は(1:1)くらいに思われるが、実際は(1:10)くらいで、左俣にはほとんど水流がない。核心は1000Mで左岸に枝沢を分ける直下に連続する、5M、4M、8Mの滝あたりだろう。5Mと4Mはまとめて左岸ルンゼから巻き、8Mは右側の斜上バンドを登る。8M滝の斜上バンドを登って、頼りない細い灌木に自己確保を取って後続を確保したが、二人とも同じところで足を滑らせていた。1210M付近で細い流れがさらに二手に分かれるところで、左岸のブッシュ帯に上がって登山道を目指す。最後は隣の窪に降り、灌木も疎らな急峻な窪になるが、ほとんど藪漕ぎなしに登山道に出た。

ポツポツと4M前後の滝が懸っている
8M滝

二人と別れて、登山道を登ったり下りたりして、詰めあがった地点を確認した。もくろんだ地点より登りすぎていたことが分かり、登山道を少し下って、池があるあたりから下降を開始する。窪に降り立ち、水が流れ始める辺りで昼食を摂り、登山道から約二時間でデポ地に戻った。

パッキングをし直して、880Mから右岸枝沢を30Mくらい登ったところで、右岸のブッシュ帯に取り付く。本流目指してトラバースしていくが、本流近くなると、無木立の斜面に遮られて、登りを余儀なくされる。結局、本流と入り大石沢を隔てる尾根の980M地点まで追い上げられてしまった。

枝沢から藪に取付く

本流の対岸に二条の滝を懸けて流れ込む枝沢のやや上流へ向かうやや不明瞭な尾根状を下降していくと、石門のような壁の間から水流を放出する滝が足下に見えてくる。最後は斜度が緩くなり、滝上に降り立つことができた。降り立った先には、違う沢かのような開けた広河原が広がっており、背後には高々と聳えるスラブを擁する地蔵カルが控えている。

石門のような壁の間に懸る滝
開けた河原

広河原は幕場天国だ。適当な広さの平坦地を見つけて軽く整地すれば、快適な幕場の完成だ。流木はそれほど豊富ではないが、一晩の焚火に十分な量は簡単に集まった。

河原に構えた幕場

14日(晴時々曇)

左岸には地蔵カル直下のスラブ壁が続き、右岸は巨岩のゴーロ帯である。水はスラブ壁に沿って流れており、この区間に懸る滝は、ゴーロ帯を進めば意図せずとも巻いていくことになる。右岸に枝沢を分け、右へカーブしながら7M3段の滝を過ぎると、両岸とも岩壁となって谷幅が狭められてくる。

水流は地蔵カル直下の壁際を流れる
左側はゴーロが続く

直ぐに壁の間いっぱいに水をたたえる淵の奥に登れない3MCS滝が懸っていて、遡行を妨げられる。少し戻って、左岸のガレルンゼを登ってブッシュ帯に取り付いてトラバースする。小刻みに登り降りしながらトラバースを続け、CS滝の上流に懸る滝の落口付近に懸垂2ピッチで降り立つ。

深く長い淵の奥に3M滝が懸る
懸垂下降地点付近

50Mくらい進むと、崩落した雪渓がそのまま低い雪渓となっている。その奥には原型をとどめた雪渓が架かっている。これらの雪渓を過ぎると、正面にとぎれとぎれにテラスをなす段状のスラブが現れ、右に鋭角に折れ曲がる方向から鮎倉沢が流れ込んでいる。本流には末広の釜を擁し、基部でヒョングっている樋状の12M滝が懸っている。

基部でヒョングッている樋状の滝
鮎倉沢

正面スラブを登って、12M滝を巻いていくが、さらに二条に分かれた4M程度の滝が懸り、その先は右に曲がっていて見えないが、まだ滝が懸っていそうに見える。あまり高く登らずにトラバースした方がいいようにも見えたが、一応ブッシュが続いている辺りまで登ってトラバースした。下降しようとしたところ、河原状の谷の先に、穴が開いた雪渓が見えた。雪渓の上に降り立つ位置まで巻いた方がよさそうに思えたので、下降を取りやめて尾根状を登っていく。雪渓の右岸側が見えてくると、危険なところを回避して取り付けそうなことが分かり、登ってきたところを下降して、最後は懸垂20Mで沢床に降りた。

高巻き中に見えてきた雪渓

雪渓には右岸から簡単に取り付くことができた。まだ足の部分はしっかりしており、上から見下ろしたときに受けた印象よりも危険ではなさそうだ。雪渓は谷が右に折れた先へと続いている。壁と雪渓の隙間をのぞき込むと、厚みは20M以上ありそうだ。しかし200Mほど進むと、雪渓は切れており、正面と斜め左前方に分裂している。切れ目はかなり薄くなっているようで、穴が開いている個所もある。谷は斜め左の方へ続いており、こちらの分裂した雪渓は既に片足を失い傾いている。さらに先には崩落してスノーブロックと化した雪渓がゴルジュの底に散乱している。異様に狭く深いゴルジュだ。どのみち高巻く以外には進む道はないのだが、仮に雪渓がなくても、スノーブロックの先には、登れそうもない滝が壁間いっぱいに水流を落としている。その先はゴルジュが右に曲がっていて、この位置からは様子を窺うことすらできない。

雪渓の上
雪渓の上流側末端の崩壊
雪渓の厚さは20M以上ありそうだ

雪渓末端付近は崩壊が近いようなので、速やかに30~40Mほど引き返して両岸を確認する。左岸は雪渓表面より、さらに壁が切り立っており、とても取り付ける場所もない。右岸に小さく尾根状に張り出したところがあり、運よく雪渓が接している。ここから右岸スラブ壁に取り付き、ブッシュ帯にとりつく。

右岸から見下ろした雪渓

ルンゼの棚で昼食を摂る。高巻きを続けていくと、ゴルジュが右に折れた先が見えてくる。釜を擁する登れそうもない大きな滝が三本懸っている。そして、真ん中の滝の釜には、三国沢が滝となって合流しているようだ。高巻きを始めてから、谷からは雪渓の崩壊音が続くようになっていた。

雪渓の先は狭隘なゴルジュに悪相の滝が続く

延々とブッシュ帯をトラバースするが、三度ほど無木立の斜面に遮られて、高度を上げざるを得なくなる。地形図にも現れないわずかな尾根状と谷状の起伏があるのだ。先ほど見えた滝のうちの一番上の滝の落ち口付近へ降りていこうとすると、そこからも崩壊音が続く。見下ろすと、至る処に亀裂が入った雪渓があり、これが崩壊を続けているようだ。雪渓の上流には、一本登れないように見える滝がかかっているので、その上流の三郎沢出合付近へ下降する尾根を目指す。しかし、ブッシュが谷から遠く後退していてロープが届かないため、下降できない。三郎沢出合より上部に懸る最初の滝が、登れるかどうか微妙である。ただし、谷のV字は少し浅くなっており、何とか谷底で小さく巻ける可能性もある。さらに高巻きを続けるが、谷底とブッシュ帯の距離を目測できるところがなく、結局下降を諦めることにした。

下降を試みたがボロボロの雪渓を見て諦めた

水を取っていなかったので、かなり喉が渇いている。食料からわずかな水分を摂って凌ぐことにして、三郎沢右岸尾根1370M付近で、わずかにブッシュが薄いところにマットを敷き、ロープを張ってツェルトを吊るしてビバークすることにした。異様に蚋が多く閉口したが、寝るときには、ちょうどツェルトが上半身を覆ってくれて、蚋に刺されずに済んだのが救いであった。

15日(曇一時雨)

空腹は感じたが、体の水分量が少なくて、あまり食べられない。約30分で二ノ峰南方尾根に合流し、そこから坂上沢源頭に下降して水を得ることにする。150M程下降すると、湧水帯となって水が流れ始めていたので、ここで休憩を摂りながら何度かに分けて水を飲んで、水分を回復する。さらにペットボトル二本に水を満たして、下降した窪よりも左の窪を登り返す。尾根に戻ってから約1時間半で二ノ峰山頂に着く。

二ノ峰山頂

二ノ峰の先で、沢に下降して北股岳を目指そうかとも思ったが、この日のうちに下山しないと遭難を疑われてしまいかねない。未練は残るが、尾根経由で下山することにする。二ノ峰から籐七ノ池に下って、そこからは昨年仮払いされており、問題なく歩行できた。門内岳直下にくると笹が刈られておらず、踏跡をトレースしきれずに藪漕ぎをしてしまったが、二ノ峰から2時間50分で門内小屋に着いた。

尾根から見下ろした三郎沢出合より上流

門内小屋で昼食を摂り、門内清水で再びペットボトルを満たして、下山を開始する。北股岳まで一時間弱、中峰までさらに一時間弱、湯の平温泉までは2時間だがかなり長く感じられる。湯の平温泉で一服し、林道を歩いているうちに暗くなり雨が降り出した。最後は土砂降りの中、ライトを灯して加治川治水ダムに帰着した。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2016年8月15日
メンバー:長島(L) 堀尾 高森
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
11日:加治川治水ダム(7:10)-北股平(9:15-9:45)-彦兵衛沢出合(10:45)-青滝(11:30)-青滝高巻<途中昼食>終了(15:10)-藤十郎沢出合(16:15)-615M付近幕場(16:40)
12日:615M付近幕場(6:30)-680M付近(8:10-9:20)-高巻終了(11:05)-文四郎沢出合(12:55)-入り大石沢出合(15:30)-入り大石沢8Mナメ滝上(15:55)
13日:8Mナメ滝上(6:35)-5MCS滝高巻終了(8:15)-900M二俣(9:05)-1000M付近8M滝上(9:45)-登山道1360M付近(11:30)-登山道1316M付近(11:50)-880Mデポ地(13:35)-広河原(16:25)-830M付近幕場(16:45)
14日:830M付近幕場(6:40)-鮎倉沢出合(9:20)-彦兵衛滝上(11:10)-1025Mゴルジュ右岸テラス(12:00)-三郎沢出合付近(15:30)-三郎沢左岸尾根1370M付近(17:45)
15日:三郎沢左岸尾根1370M付近(5:40)-二ツ峰南尾根(6:10)-坂上沢1300M付近湧水地点(6:30-7:10)-二ツ峰南尾根(7:50)-二ノ峰山頂(9:25)-門内小屋(12:15-13:25)-北股岳(14:10)-中峰(15:05)-湯の平温泉(17:05-17:15)-加治川ダム(18:25)-加治川治水ダム(20:25)
地形図:二王子岳・飯豊山
報告者:長島

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