阿賀野川 深沢

深沢はこの辺りの阿賀野川左岸域において、地形図上で際立って等高線が詰まっていて目を惹く沢なので、以前から気になっていた。標高が低いことから、入渓するなら、6月か11月頃にしようと思っていたが、その通りに今年の飯豊通い幕開けの沢として遡行することにした。

角神荒砥沢右岸の林道を50M程入った所に、駐車できる広めのスペースを見つけて車を停める。国道459号線を東へ向かい、深沢出合を目指す。角神荒戸沢出合から西へ向かうと、トンネルと橋が連続するが、これらのトンネルと橋には、順番に月の和名が付けられている。深沢は葉月トンネルを抜けて長月橋が架かる沢である。

長月橋の西側から沢床に降りる。わずかに上流側には旧道のものと思われる橋脚が残されていた。両岸は地形図で見る通りに切り立っているが、100M程は平凡な沢床が続く。

入渓点付近

谷が右へとカーブしていくと、両岸ともに沢床から10M以上切り立った岩壁に挟まれた瀞の奥に、右側壁から白い放物線を描く滝が目に入る。即直登不能と判定を下し、右岸の幾分ルンゼっぽい所を登り、樹林帯に取付く。踏跡のようなバンドを辿っていくと、一旦ルンゼに出て、ルンゼを少し下降したところから、さらにトラバースを続ける。ロープを出せるように首に掛けておいたが、最後は懸垂無しに沢床に降りることができた。

ゴルジュに懸る6M滝

降りたところからゴルジュを下降して、滝の落口を見に行くと、下から見えていた滝の上に、もう一段滝が懸っており、丸い釜に水流を落としていた。見下ろす限り、上段、下段ともにとても登れそうもなかった。

巻いた2本の滝

しばらく平凡な流れとなり、右岸の傾斜が緩んだところを通過する。やや開けた空間となり、左に曲がった所に堂々とした12Mの直瀑が懸る。登攀ルートを探るが、中段までが悪そうなので、左岸に伸びるルンゼから巻くことにする。ルンゼは途中で二手に分かれていたので、左側を登り、末端近くで左斜面に取付くと簡単に12M滝の落口付近に出た。

12M滝

意外にも穏やかな渓相になったかと思ったら、切り立った岩壁の間に釜を持ったナメ滝が出てきた。ロープを引いて右壁に取付いて、釜をまたぐように左壁に左脚を投げ出し、突っ張りでナメ滝の中段まで登り、滝上部は右壁の斜上バンドを登る。滝上で後続を確保する。直後に10M3段の滝が続くが、今度は左壁を快適に登れる。釜に落ち込む3M樋状の滝を左から小さく巻くと、平凡な河原状になる。

4×5の釜を持った滝
樋状なので突っ張りで登る
10M3段の緩い滝の左スラブ壁を登る

次第に雪渓が解けたばかりのような堆積物が目につくようになると、所々にスノーブロックが出てきた。235M付近に来ると、4M、5Mの滝が続く。共に右壁を登るが、4M滝はホールドが細かく、指の掛かりが悪いが、足をしっかり置ける。5M滝は巻き気味に斜上するリッジ状のところを登った。260Mで右岸から15M滝を懸けて流れ込む枝沢の出合で一息入れた。

雪渓の跡

雪融けの堆積物が乗った河原が続き、ややゴルジュっぽくなると4M2段の滝が懸る。滝を越えて、谷がS字状に曲がるとスノーブロックが散在していた。さらに河原を行くと、大岩に隠れるように、正面と右側とに水流を分けた7M滝が懸り、右側の細い水流に沿って簡単にこの滝を越える。再び河原状となり、水流がかなり細くなる。

一旦谷が狭まる
二手に水流を分けた7M滝
だいぶ水流が細くなってきた

やがて、赤い岩の左に傾いたような8M滝が見えてくる。しばらく壁を眺めていたが、ホールドもよくないし滑っていそうなので、右岸ルンゼから巻いた。以降は小滝が出てくるくらいで、滝らしい滝もなくなり、550M付近でナメ滝を懸ける枝沢を右に分け、575Mで水が涸れた左沢へ進む。藪というほどでもない斜面を登っていくと、710Mコルよりもやや北側に出た。

8M滝

コル付近のブナの大木の下が、下草も少なく開けていたので、そこで昼食を摂った。昼食後、コンパスで慎重に方向を確認しながら尾根を辿る。なかなか手ごわい尾根で、ブッシュに阻まれて進みたい方向よりも西側に流されてしまうので、何度か方向修正を余儀なくされた。新谷川に降ってしまわないように、630M付近まで下降したところで、ようやく谷へと進路を取った。

尾根を下って不動沢へ向かう

水たまりや湿地はあるものの、なかなか沢にならない窪を下降していく。水流が出始めて、何度か枝沢と合流すると、390M付近で地形図に載ってない立派な道が沢を横切る。位置的に、右岸側に進めば林道に続いているものと見当をつけて、この道を辿ると、間もなく林道に出た。地形図に載ってなかった道は、草倉山銅山への道だったようだ。銅山道と林道を降ると、約一時間で駐車スペースに戻ることができた。

深沢は、地形図から連想したほどのおどろおどろしさも困難さもなかった。ゴルジュ帯を除いて、樹林が谷まで達しているためだろう。また、この辺一帯の沢は、土から滲み出した水や、水溜りから流れ出る水が集まった沢が多く、水が綺麗とは言えないし、水量も多くない。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2016年6月11日
メンバー:長島(L) 山崎 高森
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
荒砥沢林道駐車スペース(6:45)-長月橋(7:15)-260M付近(9:30)-右岸稜線710Mコル(11:45/12:10)-不動沢390M付近(14:00)-荒砥沢林道駐車スペース(15:00)
地形図:津川
報告者:長島

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