玉川 小滝沢左俣

今年の飯豊の沢納めの初日の山行として、玉川の小滝沢を選択した。この流域の下流から中流の沢の中では最も流程が長い沢であり、支流も多い。今回は総勢8名のツアーとなり、長島車、古巻車、村山車の3台で現地へ向かった。寒空の上に雨ということもあり、2名は山行をキャンセルしたため、6名パーティで遡行した。

計画段階では梅花皮荘脇の駐車場から玉川の左岸を歩いていくつもりでいたが、車で梅花皮荘に向かっているときに小滝沢の方を見てみたら、橋が架かっていたので、一台を駐車場にデポして車で橋へ続く道へ向かった。道はすぐに車止めとなっているため、そこから歩いて橋を渡り、約5分で林道終点に着いて入渓した。

入渓点付近

小滝がある程度で、平凡な流れが続く。かなり増水しているようだが、ほとんど膝下の徒渉を繰り返しながら遡行していく。ほとんど谷幅いっぱいに水が流れている。地形図で最も谷幅が狭まっているところは、左岸に紅葉したブッシュが斑模様となっている美しいスラブがせりあがっている。

紅葉の斑模様に彩られたスラブ

流れが屈曲して、落ち込みが続くミニゴルジュは、手前の右岸の滝の裏を潜って取り付く。釜に浸からないように突破しようとしたため、少しテクニカルな登り方となった。最も落差があったところは釜をまたいでのっぺりしたリッジ状の岩を2M登ったが、その先の釜で腰まで浸かって突破することになった。

のっぺりしたリッジ状を登る

460M付近で右に(4:1)で枝沢を分けると、次も右からの枝沢が滝を懸けて流れ込む。その手前には左岸側壁に岩屋が出来ている。少し進むと、豪快な8M2段の滝が懸る。右側は岩壁が切り立っているので、手前の右岸小スラブを登ってブッシュ帯に取り付いて小さく巻いた。再び沢は里の沢のように穏やかになる。間もなく400M付近で、小滝沢最大の支流が右から入ってくる。

8M2段の滝
右岸の高巻き

本流へ少し入ると、取り付くのが難しい3Mの釜を持った滝が懸り、その上にも2M、小滝が続いている。左岸から巻いていくと、2M滝も難しそうなので、まとめて巻こうとするが、小さな枝沢が入っており、その対岸がブッシュ乏しい泥壁で取り付けない。20Mほど枝沢を登ってブッシュを掴めるところで、対岸へ上がって、ブッシュを頼りにトラバース気味に下降して本流に戻った。再び左岸に紅葉の美しいスラブを見ると、間もなく450Mで(1:1)の二俣となる。

枝沢を分けて狭まった流れ
3M滝
左岸を巻く

左俣へ入り、540Mでは意外に水量が多い枝沢を(1:1)で左に分ける。2か所ほど緩い小滝の連瀑を過ぎ、4M滝を左から巻くと、670Mで右に(3:1)で枝沢を分ける。さらに2つの小滝を越えると(1:1)で右に枝沢が分かれ、本支流ともに2Mの滝を懸けている。

枝沢を分ける度に細くなっていく流れ

その後3M規模の滝が5本ほど懸るが、5本目の滝が悪くて登れないため、左岸の泥ルンゼから巻いていくが、不安定な場所での確保を強いられ、少々時間を食ってしまう。滝がなくなった流れを詰めていくと、927M小ピークから南へ派生する尾根へと窪が消えていく。少し藪漕ぎして小ピークに出た。

小滝が続く上流部

小ピークにはかすかに踏跡らしきものがあるが、かなり藪っぽい。次第に踏跡がしっかりしてくるが、西俣ノ峰は遠く、山崎さんが疲れてきたこともあって、登山道に出るまでに1時間50分を要した。西俣ノ峰からはヘッドライトを照らして慎重に降り、登山口に着いたのはほぼ19時だった。古巻さんが降りてきたところで、まだ下山中のメンバーもいる中、車を回収しに向かった。

踏跡を辿って藪尾根を歩く

小滝沢は多少行程が長く、多少遅くなるかも知れないが、飯豊山荘に泊まるのでなんとか行けるだろうと思っていたが、大人数になったこともあり、思った以上に時間がかかってしまい、宿の人には迷惑をかけてしまった。

 

同行者の記録

遡行図

山行最終日:2015年10月31日
メンバー:長島(L) 石田 山崎 古巻 高森 匿名
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
車止め(8:10)-入渓(8:15)-400M出合(10:35)-460M二俣(11:35-12:00)-927M小ピーク(15:35)-西俣ノ峰(17:25)-登山道入口(18:55)
地形図:長者原
報告者:長島