白川 四森沢

七森沢出合までは平易であることと、四森沢と七森沢が分かれた後も、地形図を見る限りでは比較的谷幅が広いので、難所がある確率は低いと読んで、メンバー制限をせずに募集したところ、3名の参加者が集まった。

12日:

前日は喜多方の道の駅で前泊し、早朝大日杉に到着した。大日杉小屋の前の地図を見ると、四森沢は森沢と記されている。また、かれまつ沢出合の手前に三つの滝記号があり、下流から「神滝」「陰滝」「鳴滝」と記されていた。地蔵岳に向かう登山道を右に見て、まっすぐに伸びる踏跡を辿ると、森の中で沢に向かって下降し始める。一カ所踏板を吊っているワイヤーが切れた吊橋を渡ると、少し登ったところで、幅広水平の道となる。五段山への登山道を分けると、不明瞭になるところがあるが、地形図通りひがしたき沢まで続く踏跡を辿って、東滝沢の左岸を下降して出合に降りた。

白川本流には明るい河原が続いている。沢床の石は白く、水は澄んでいて気持ちよい。出合のやや上流側には、両岸にワイヤーが渡されている。何度か徒渉しながら河原を歩き、落込みが出てくると、少し谷が狭まって、右岸にこぐら沢を分ける。

下流部を徒渉を交えて遡行

谷が左へと曲がっていくと、小さなゴルジュが出てきて、白泡沸き立つ釜を持った神滝7Mが懸る。釜は縦長で、側壁に取付けそうもないので、ゴルジュ手前から左岸を小さく巻く。滝の上部の急流帯の上に降りると、陰滝と鳴滝も巻いていた。特に滝というほどの落差のものではなかったらしい。

増水して迫力を増した神滝

少し河原を進むと、正面にかれまつ沢が分かれ、本流はテーブル状の大岩を挟んで左側に5Mの滝を懸けている。大岩の右の隙間からテーブルの上にあがって5M滝を巻く。

枯松沢出合付近に懸る5M滝

しばらく河原を行くと、両岸狭まった壁の間いっぱいに、逆「く」の字形の5M滝が屈曲部から白泡となって流れ落ちている。これを左岸から巻いた後も、ゴルジュ状の谷が続き、左側に大岩がある急流の落込みが出てくる。七森沢を登った時は、大岩と左壁の隙間を登ったが、今回は急流の右側から水流をまたいで、大岩の水流側のフェースを登る。取付きが少し難しい。

釜に浸かったりして水と戯れながら進むと、やがてササラ沢が右岸から出合う。谷は開けた河原となり、間もなく七森沢出合(二俣)に着く。七森沢の出合に懸る滝を前に、長めの昼食を摂った。

七森沢出合

四森沢はさらに河原が続いているかのようだったが、左にカーブすると岩床の上に岩が転がったような渓相に変わる。やや谷が狭まってきて、ナメや小滝が出てくる。左岸に5M滝を懸けて出合う枝沢を過ぎると、大岩が多くなってくる。

岩盤が露出して滝が出てきた

ゴルジュの中にナメと釜が交互に現れると、奥に右から水流を落とす10M滝が懸っている。右壁はすっぱり切れ落ち、左壁ものっぺりしているうえに釜も深いので、ゴルジュの入口付近から左岸を巻いて、滝上に懸垂で降りる。

最奥に10M滝が懸るゴルジュ
ゴルジュの途中から左岸を巻く

左側に大岩を配した7MCSが続くが、大岩の左側を簡単に抜けられる。左壁に滝を懸ける枝沢二本を見送り、右壁がスラブになってくると8M滝が懸る。右も左も微妙にバンドっぽいところがあって、登れなくもなさそうだが、安全に左岸から巻いた。

左に大岩を配した7M2条CS滝
幕場直前の8M滝

滝上は河原となっており、やや高さがないが、4人の幕場としては適当な広さの平坦地を見つけ、ここを整地して幕場とした。薪は豊富で、雨も降らず、虫も少なく、快適な一夜だった。

快適な河原にタープを張った

13日:

6:20に幕場を発つと、谷は左へと曲がっていく。河原が続くが、落込み程度の小滝も幾つか懸る。谷が右に曲がり始めると、両岸にスノーブロックが残る。右岸にすぐに二手に分岐する枝沢を分けると、特大のCSを持った5M滝が懸る。ここまでは、広いゴーロ帯なので、問題なく越えられるが、この先からゴルジュ状になってくる。

特大CSの5M滝

ゴルジュの中で最初に懸っていた滝5M2条は、右壁のバンドに乗って越えられそうだが、今回は左岸の草付から巻くことにする。取付いてから20Mくらい登るまで傾斜が強く、思ったよりも大きな巻きとなったが、上流側は比較的なだらかだった。一応、懸垂で滝上に降りた。

続く5MCSは右側の斜上バンドをへつりながら登り、ゴルジュ帯出口の8M滝は左側の大岩の左を巻くように越えが、頭上にスノーブロックが張り出していて、心地よくはなかった。谷は、左へ右へと蛇行し、右にカーブする一帯は、右側に球技場の側壁のように続く巨大なスノーブロックが残っている。

ゴルジュ帯出口の8M滝
球技場の壁のように切崩れた雪渓跡

ゴーロとなった谷の中、幾つかの小滝を越えると、高く聳える白い壁から流れ落ちる白い水流が目に飛び込んできた。12Mの急峻なスラブ滝の前で記念撮影をする。岩壁の左端のリッジ状のところを登る。巻くなら左岸だろう。落口左側のテラス状のところで、右岸のブッシュに自己確保をとって後続を確保した。

ゴーロの中に目を見張るような12M滝が懸る

滝上は、御坪付近から流れてくる右俣と出合う奥の二俣で、開けた河原となっている。左に曲がっていく本流の左俣へ進み、左側にスラブ壁を見ながら右へ曲がっていくと、谷は雪渓に塞がれ、雪渓の下は真っ暗で出口は見えない。

右岸の小沢を少し登った所から、壁と雪渓の間にトラバースして、雪渓に乗る。しばらく雪渓上を登り、70Mくらい先の切れ目の手前で、小さく口をあいているところがあり、右壁との間に降りて、そこから傾斜の緩いナメ滝となっている雪渓の下を潜り抜けた。

雪渓が続く

少しゴーロ帯を行くと、二つ目の雪渓が架かり、右からこれに乗る。雪渓の断面は台形で、かなり厚みもある。進むにつれ、両岸切り立ってきたが、雪渓の終端では、運よく細く伸びた先端から右岸の小さなテラスに乗り移ることができ、後続にロープを出して手繰り寄せる。さらに幸いにもクライムダウンで沢床に戻れそうな所だったが、念のため、ハーケンを打って懸垂で沢床に戻った。

傾斜を上げて小滝やナメ滝が続くが、両岸の傾斜は一層緩くなってきている。しかし、左に(1:1)、右に(4:1)で枝沢を分けた後のナメ滝10×20の奥に懸る8M2段は上段の5Mが少し難しく、ロープを出した。

傾斜が緩い小滝が連続する
8M2段の上段を登る

右に左に水流を分けるたびに、水流は細くなっていくが、水量が多い方へと進む。最後はボサを掻き分けて、笹が覆いかぶさる窪と化す。笹を漕ぎ、種蒔山の北東に伸びる小尾根に乗ってさらに登ると、小さな草原に出た。、そこからわずかに背の低い笹を掻き分け、灌木の枝を分けると登山道に出た。

最後の詰め

切合小屋へ向かって、昼食を摂った後に大日杉へ向かって下山した。地蔵岳手前から長之助清水あたりまで、結構強い雨に降られたが、下山する頃には止んでいた。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2015年9月13日
メンバー:長島(L) 村山 高森 匿名
山域: 飯豊連峰 最上川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
12日:大日杉(7:55)-ひがしたき沢出合(8:55)-七森沢出合(11:55/12:40)-930M幕場(14:10)
13日:930M幕場(6:20)-1070M奥の二俣(8:30)-登山道(11:50)-切合小屋(12:05/12:35)-大日杉(15:45)
地形図:飯豊山・大日岳・岩倉・川入
報告者:長島

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