孫左衛門沢(下降)~洗濯沢中ノ沢~烏帽子沢(下降)~清十郎沢

2015年の夏の長期山行は、メンバーの参加可能日程を考慮して、孫左衛門沢を下降した後、梅花皮小屋泊を挟んで洗濯沢を遡下行するルートを組んだ。
昨年の夏同様に孫左衛門沢を下降するが、今回は右俣にしてみた。右俣も概ね左俣と同様に、ほとんどゴーロの沢で、いくつかある滝もゴーロ絡みに簡単に下降できるか、巻くことができる。
洗濯沢はほぼ同規模の三つの沢からなっており、下流部はゴルジュに滝が懸かり、上流に行くとゴーロ主体の沢となる。水量から見ると、本流は烏帽子沢だが、烏帽子沢は中ノ沢を分けるとゴーロの沢となって、稜線直下の笹薮に消える。中ノ沢は最も滝が多い沢で、核心は烏帽子沢出合付近の40M4段の滝であろう。清十郎沢は1050Mから1150M辺りに難しい滝、面白い滝が集中しており、上流部は三つの流れに別れ、急に水量を減ずるため、竜頭蛇尾の感もある。

アプローチ:

例のごとく豊栄SAで仮眠を取る。小型車用エリアにトラックがエンジンをかけて停まっていたので、騒音を避けられるところを探していると、倉庫裏に歩道のトンネルがあり、エンジン音が届かなくて静かなので、そこにテント(カヤライズ)を張った。この場所は、雨と騒音を凌げるので、車中泊でない場合の仮眠に向いている。

8日:

加治川治水ダムから、赤谷林道を終点の加治川ダムに向かって歩く。バイクや自転車を持ち込んでいる3組4名の釣師が、時をほぼ同じくしてゲート前の駐車場を後にしている。アブに関しては、歩き始めてから数匹が纏わり着いてくる程度で、アブ対策の厚着(ファイントラックのフラッドラッシュ)による放熱の悪さの方が気になる。7月には、赤津沢の少し先に、路肩を直していた箇所があったが、今回は綺麗に修復が終わっており、路面状況は極めて良好だ。

林道終点からは、湯ノ平温泉に向かって登山道を歩く。問題になる箇所はないが、昨年はトラロープを張って小さく迂回していた崩壊箇所には、しっかりとした迂回路が設けられていた。湯ノ平温泉に向かって降った後、道が河原沿いをトラバースするところも、しっかりと道がつけられている。

湯ノ平温泉の施設もかなり修復された。まず最初に目にしたのは、女湯に湯が引きなおされ、脱衣場付きの屋根と囲いが設けられていたことだ。山荘に登る階段の頭上のあまり高くない位置にパイプを渡してあるので、ザックを引っ掛けないように潜る必要がある。山荘回りには、ソーラー発電システムが設置されている他、水場に屋根が設けられていた。
道路と山荘の修復具合から想像すると、いよいよ新発田市もここを再オープンするのかもしれない。

湯ノ平山荘の水場から、北股岳へ向かう登山道の階段を登る。尾根に乗るまでは急な登りが続く。梶原さんは、既に暑さでかなりまいっているようだ。尾根に乗ると日差しを遮るものがないうえに、風もほとんど吹いていなかったのでさらに暑い。標高1000Mあたりで、梶原さんから計画続行不能の報告を受ける。梶原さんに、「可能なら中峰にビバークして梅花皮小屋集中してもらいたいが、くれぐれも無理をしないように」と伝えて別れ、単独行動になった。

中峰の水場への道の入口には2Lのペットボトルがぶら下がっている。入口は狩り払いされているが、足元はやや悪い。ボサを掻き分けて飯豊川側の斜面に出てから、左へ30Mくらいトラバースしたところが水場である。この水場が孫左衛門沢右俣の源頭で、ここから下降を開始した。

孫左衛門沢を下降し始めると、右、左から同規模の流れを併せ、左岸に傾斜のある草原を見ると5M滝が懸かり、右から巻気味にやり過ごす。1270M、1200Mで共に(1:1)の水量比の支流を併せると、スラブの連瀑帯になるが、ゴーロ交じりなので、簡単にゴーロやブッシュに絡んで下降できる。さらに1065Mでも左から顕著な支流を併せる。980Mで左岸から小さな枝沢を併せると、10Mスラブ滝が懸かるが、ここも問題なく下降する。

やがて、沢が右に曲がり景色が開けてくると、間もなく二俣となるが、その手前に30Mの滝が懸かっているので、左岸を巻いて二俣の下に下降した。10Mスラブ滝の滝上を右岸に渡って、ゴーロ帯を下降すると、出合に着いた。

孫左衛門沢右俣の30M滝

右俣も、昨年下降した左俣と同じような渓相である。ゴーロ主体で滝が少なく、下降向きの沢と言える。左俣と比べると、出合の30M滝を除いて、斜度が緩い分だけ、幾分下降が容易な気がしたが、ほとんど差はない。

孫左衛門沢出合付近の本流の渓相

孫左衛門沢出合から、本流を遡行する。今年は雪渓が少ない上に、雨も降っていないようで、昨年の8月に比べるとかなり水量が少ない。おかげで苦労することなく洗濯沢出合まで行くことができた。洗濯沢出合では、昨年と同じ場所にタープを張って泊まった。

洗濯沢出合の広河原

9日:

開けている出合から、洗濯沢に入ると、右岸に赤い岩壁が聳え、沢床には出合いの延長のようにゴーロが続く。谷が右に曲がると、岩盤が露出して、ナメと滝がはっきりしてくる。

出合付近から赤っぽい壁と岩が目立つ
次第に岩盤が露わになってくる

5M、2Mの滝を越えた後、10×20のナメ滝は右岸のバンドを行くが、上部は意外に悪い。ナメ滝上部で二分する流れの左側の4M滝を見下ろしながら、落口左側の遠いスタンスに足を伸ばして、何とか登り切った。

釜を持った5M2段の緩い滝を過ぎると、10M滝が懸かる。左壁は垂直に近いが、手頃なホールドがあり、空身で登って荷揚げをして越えた。

5M2段の滝とそれに続く10M滝

左壁に滝となって注ぎ込む湧水を見ると、両岸の壁に圧迫されたような狭間で10Mのナメとなり、奥に12Mの滝が見えてくる。12M滝は、その基部に注ぎ込む左岸枝沢を少し登ったところで、枝沢右岸に取り付いて巻いた。

10Mナメの奥に12M滝が懸る

滝上はゴーロとなり、ゴーロの中に二箇所3M滝が懸かるが、簡単に越えられる。8M3段の滝を過ぎると、両岸が切り立ってくる。8M3段を右から、8Mを左から登り、3Mゴーロ滝を過ぎると、眼前には巨大雪渓が崩壊した後のスノーブロックが、ゴーロをなすように転がっていた。左には小さな枝沢の滝が懸かり、右側は高さ40~50Mの岩壁に囲まれ、一本の細い滝が落ちている。ブロック伝いに先へ進むと、清十郎沢出合となる。

V字谷に8M滝が続く

清十郎沢には厚さ1M、奥行き5Mくらいで繋がっているブリッジが懸かり、本流には釜を持った直瀑10Mが懸かり、直登はできそうもない。手前にあった3Mゴーロ滝まで戻って、左岸の小尾根からブッシュ帯に取り付く。小尾根下部の岩のテラスには、残置ハーケン2本と、その片方に千切れたスリングが掛かっていた。

清十郎沢出合付近に懸る本流の10M滝
左岸の高巻きルートから出合を見下ろす

ブッシュ帯を50Mほど登ると、滝を懸けていた枝沢を横切る。そこからは横向きに生えるブッシュをまたいだり潜ったりしながらトラバースを続ける。出合を過ぎた辺りで、谷の様子を窺うために高度を下げてみると、登れなそうで高巻きの取り付きも難しそうな滝が懸かっているので、さらに高巻を続けることにする。

眼下にはその滝の他にも、6本の滝が懸かっているのが見えた。トラバースを続け、ルンゼを過ぎた所で、斜度が少し緩んできたので、下降を開始する。出合付近と比べると、ブッシュが沢床近くまで茂っており、捨て縄を掛けて20Mの懸垂で沢床に戻った。

中央が階段状になった4M滝を過ぎるとゴーロとなり、小さな釜を過ぎると二俣となり、中ノ沢と烏帽子沢が水量比(2:3)で出合っている。中ノ沢はゴーロの奥に滝が見えており、烏帽子沢は見渡す限りゴーロが続いている。

二俣から見た烏帽子沢

中ノ沢に入っても最初はゴーロが続く。左岸に枝沢を分けると、4M、釜を持った2M、12Mと滝が続く。12M滝の右岸を巻くと、40M4段の滝の基部に出る。

出合からみた中ノ沢 12M滝が見える

右岸のバンドを行ってみるが、下段10Mの落口付近の高さのところが悪いので、戻って左岸の樹林帯から高巻いた。かなり急な斜面だが、しっかりした太い木が多いので、比較的容易な巻きだ。4段の滝の上も、5M前後の滝が続くが、どれも斜瀑で快適に登れる。

40M4段の滝

1310Mで右岸に枝沢を分けると、10M3段の滝は右の岩棚の上を巻き気味に登る。両岸ともに谷底まで緑が達してきて、核心を抜けたような雰囲気になる。

段差の多い5M滝を過ぎると、鉈で割ったような岩板を滑り落ちる12M滝が懸かり、右岸を小さく巻く。

多段の岩盤を鎖状に流れ落ちる5M滝

すぐに30M5段の滝が続き、下段は左から取り付き、2段目と3段目の間のテラスで左側に渡って、3段目以降を登る。4段目が核心で、左のスラブ壁と水流の境目を登る。5段目を越えると、広大なゴーロが広がる。

30M5段の滝

2M滝でゴーロが終わり、三角の淵を持った樋状の4×5の先で左に屈曲して、下部が2条に分かれた18M2段の斜瀑が懸かる。下からは傾斜の強い下部5Mだけが見えている。この滝を右から巻くように越えると、ちょうど滝上で左岸に(2:1)で枝沢を分ける。標高1460Mの沢だろう。

18M2段の滝の途中から見下ろした渓相

2M、4Mの滝を過ぎると、再び左岸に小さな枝沢を分ける。ゴーロの連爆となり、ゴーロに絡んでこれを抜けると、9M簾状の滝を最後にして滝場はほぼ終わる。

急なゴーロが続いた後、斜度が緩んでくると源頭の雰囲気となり、両岸に草付が広がる。ナメで流れ込む深さ1Mの釜で、服を脱いで水浴びをして、日光浴で体を乾かす。服も乾いて、さっぱりする。

沢が右にカーブすると、奥の二俣で、稜線に梅花皮小屋が見えてくる。左沢には小滝が懸かり、左沢と右沢の間に小さなスノーブロックが残っている。水量比は(2:1)である。右へ進むと、すぐに(2:1)で右に枝沢を分ける。

梅花皮小屋が見えてきた

左に入ると、直前に別れた沢と異なり、両岸が切り立って小ゴルジュとなっている。5M滝で小ゴルジュを抜けると、この沢も草原を縫って流れる小沢となり、登るにつれて沢床にも腰くらいの高さの草が生えるようになる。最後は梅花皮小屋と水場に水を引くための取水場に出て、パイプが通っている作業道を辿って、水場に出た。

開けたまま詰め上がるかと思ったが一旦ゴルジュとなる
引水の取水場に詰め上がった

水場で水を汲んでから、小屋に入った。小屋は団体で満員で、3階と称するロフトのようなところを充ててもらった。小屋には、梶原さんも渡部さんも見当たらなかった。梶原さんは、熱中症が心配だったが、たぶん引き返して下山しただろうと思い、小屋の外でごろごろしながら渡部さんの到着を待った。一時間ほどすると、渡部さんが到着した。

10日

烏帽子沢は源頭部の傾斜こそ強いが、中ノ沢出合付近の急なゴーロまで、開けた緩い斜面が続く。沢形も比較的真直ぐで、等高線の間隔の緩急も少ないので、下降向きと判断して、清十郎沢へのアプローチとして使うことにした。計画書には烏帽子岳西北西の肩から下降するルートを記したが、安全策をとって、烏帽子岳南東のピークを迂回した辺り、地形図に池塘が記されている辺りの、より斜度が緩いところから下降することにした。

梅花皮小屋を6:00に発ち、下降開始点の池塘付近を目指して、登山道を歩く。梅花皮岳まで登ると、なだらかなアップダウンが続く。滝沢の様子を窺うが、稜線からは核心の滝もゴルジュも見えない。烏帽子岳を過ぎて、登山道が稜線を反れて小ピークを迂回してから再び稜線に戻る辺りで、草を掻き分けて稜線の西側に降りると、地形図どおりに池塘がある。

池塘付近から見た烏帽子沢源頭部

しばらく密な笹薮を下降するが、なかなか水が出てこないので、思ったより笹薮が長く続く。1800M付近まで下降したところで、ようやく水が流れ出して、笹はトンネル状になる。左から同規模の流れを併せると、ようやく沢らしくなり、やがて(2:3)の水量比で右からの本流と思しき流れに出る。本流には4M2段2条の滝が懸かっており、その上もすっきりした沢が続いている。(稜線直下では笹薮に飲み込まれると思う。)

沢型がはっきりしてきた

右岸は草付、左岸は笹薮に挟まれて、ゴーロが続く。ぽつぽつと、3M、4Mの滝が現れるが、簡単にクライムダウンできる。右へ、左へとカーブすると、かなり開けてきて、(2:3)で左岸から枝沢を併せる。

4Mの簡単な滝をクライムダウン

尚もゴーロが続き、1480Mで(3:2)の水量比で右から枝沢を併せる。その後も右から2本、左から1本の小さな流れを併せると、広いゴーロが右へ左へと緩やかに蛇行する。

1150M付近でやや傾斜が強くなってくる辺りでは、左岸に大量の水が湧き出ている。
ここからは中ノ沢出合が見下ろせ、出合までゴーロ続きであることは、前日に確認済みである。二俣から下流のゴルジュに入ると、かなりハーケンを残置することになりそうなので、ここから清十郎沢出合付近まで巻くことにした。

ゴーロが続く烏帽子沢

左岸から注ぎ込む水量わずかな枝沢に入って、左にカーブして斜度が緩くなるところまで登ったところで、左岸のブッシュ帯を登って小尾根に乗る。尾根上をしばらく下降すると、左へ向かう沢形が出てきて、その沢形を辿る。何もない平凡な小沢である。

1100M付近で昼の休憩をとって、下降を続けると、清十郎沢出合付近のスノーブロックが散在するゴーロの広場に落ちる40M滝に出た。滝頭から左岸のブッシュ帯を下降して、最後は懸垂下降20Mで小尾根先端の3Mゴーロ滝上に降りた。

清十郎沢出合

幕場を心配していたが、ちょうどその対岸に猫の額ほどの台地状の河原を見つけて、そこを整地して幕場にした。少し狭いが、水場と冷蔵庫完備で、焚き火もできてなかなか良い場所だ。今年初めて雪で冷やしたビールを堪能できた。

広くはないが快適な幕場

11日

前日下降してきた左岸枝沢の40M滝

やや遅めの6:45分に幕場を後にする。既に落ちていると思っていたブリッジは、かろうじて繋がっているが、落ちずに融けていくように見受けられた。最悪、手前のルンゼから潅木帯に取り付いてトラバースして巻くことも考えていたが、潜って通り抜けた。

前日よりも融解が進んでいる

両岸とも岩壁が切り立ったゴルジュとなり、右に曲がるあたりで、右岸に25M滝を懸ける枝沢を分ける。ここから滝場が始まり、3Mゴーロ滝を過ぎると、釜を持った5M滝で、のっぺりした右壁を空身で登って、ハーケンを打って確保支点を作って荷揚げし、後続を確保した。次の深い釜をもった4M滝は、右のバンドに空身で登り、一つ一つ荷揚げして、滝上までトラバースして運搬した後で、後続を確保してバンドに登ってもらう。

5M-4Mと釜を持った滝が続く

流れはやや左に曲がり、12M滝が懸かる。右も左も巻気味に行けそうだが、右は壁を登った後のスラブのトラバースとその後のブッシュ帯間でが悪そうで、最後は懸垂になりそうだ。左は左壁直登か、草付ルンゼを登ったところで滝頭にトラバースするか、そのままブッシュ帯に取り付いて高巻くことができそうだ。最初は左壁直登を選択したが、渡部さんの不安気な表情をみて、草付ルンゼを登ることにした。

12M滝

草付ルンゼ上部から左壁に取り付いてトラバースを試みるが、予想に反して悪いため、取り付き点からロープを引いて直上して潅木帯に入った。潅木帯から下降点を探して沢を見下ろすと、4本程滝が続き、最後の10M直瀑とその下部のCS滝が登れなそうなので、一気に巻くことにした。

悪相の滝が見えたのでまとめて巻いた

潅木体を登り続け、露岩が表れると、CS滝の下から浅い草付ルンゼがせり上がってくる。露岩伝いにトラバースするとブッシュが茂った小尾根となり、ここを下降して懸垂15Mで10M滝の上に降りた。ここまで、距離はほとんど稼いでいないが、幕場から3時間以上費やしてしまった。

スラブ壁をトラバースして沢に戻る

尚も滝場は続くが、谷のV字が目に見えて浅くなる。また、難しい滝はなく、快適に登れるようになる。6M3段、2×3、4M3条、2×3と斜瀑を過ぎ、8M滝は左の流れに沿ってシャワーを浴びて登る。幅広のナメの連瀑が左に巻いていくように続き、右に方向を戻して3M、三角の釜の4M、6Mゴーロ滝を過ぎると10MCS滝が懸かる。左の水流中を登って、落口はバックアンドフットでフリクションを得て攀じ登った。ここで大方滝場は終わり、ゴーロの渓相になる。

8M滝の左側を登る
6Mゴーロ滝

右岸には岩壁が立ち、その基部付近に水が湧き出ている。左にカーブしながら、左寄りには5M、4M、5Mの滝が懸かるが、右寄りはゴーロで高度を上げる。これを登り切って右に曲がると、ガスが漂い、スノーブロックがゴーロ状に谷を埋める。ここで右岸に支流を分ける。

スノーブロックが散乱して靄に霞んだゴーロ

スノーブロックを越えると、左向きのフレーク状の摂理の5M滝が懸かり、その上には荒涼としたゴーロが真直ぐに続く。右にイタドリが茂る中に枝沢を分けると、やがて二俣となり、(4:1)で右俣を分ける。左に進むと、直ぐに右に大量の湧水があり、さらに(1:1)で左俣と中俣が出合う。合流点は少しずれているが、ほぼ三俣といってもよい地形である。左俣、中俣、湧水、右俣がそれぞれ、(2:2:1:2)くらいの水量で注いでいる。

左俣と中俣の分岐

ゴーロが続く左俣へ進む。階段状の10×15と2M滝を過ぎると、右岸から浅いルンゼが入り、右に向きを変える。2M滝を過ぎると(1:2)で流れが二分して、ここを尾根までの距離が短い左へ進む。

すぐに5M滝が懸かり、右壁を中ほどのクラックにカムをセットしてA0で越えて、上部にハーケンで支点を作って、後続を確保する。滝上から10Mほど進むと二又となるが、どちらもほとんど水がなく、合流点の右側の笹薮からこんこんと水が湧き出ている。左の窪へ入ると、ほとんど最後まで窪が続き、最後にわずかに草原の草を掻き分けて登ると、あっさりと登山道に出た。

A0で登った5M滝
草原から登山道に詰め上がる

登山道でしばらくくつろいでいると、湯ノ平温泉から一人の登山者が登ってきた。この尾根で他の登山者と行き会うのは、これが初めてだ。15分ほどすると、雷の音が聞こえてきたので、念のため早めに休憩を切り上げて、それぞれのこの日の目的地へ向かうことにして、渡部さんと別れた。

おういんの尾根は、緑の一年草も刈られており、今年に入ってから狩り払いされていることが窺われる。中峰を過ぎると、ちょうど狩り払いを指定最中で、梅花皮小屋を基点にして滝見場まで狩り払いをしてきたそうだ。確かに中峰から先は、登ってきたときよりもすっきりしていた。1270M付近では北俣川寄りの斜面のブナ林に、快適そうなテラスを見つけた。加治川治水ダムから、湯ノ平山荘でピッチを切らずに登るときに、幕場にできそうなところだ。滝見場を過ぎて、884Mのピークを巻くところまでは、登ったり降ったりでうんざりするが、曇っているおかげで、さほど暑くならないのが救いだった。落ち葉が積もった急な道を慎重に降って、湯ノ平山荘に2時間50分で辿り着いた。

湯ノ平山荘には直前まで誰かがいた痕跡があったが、既に帰ったと見えて、この晩は小屋も風呂も独り占めして、ゆっくりすることができた。

12日

6時に山荘を出る。来たときよりも、登山道の整備が進んでおり、崩壊地点の迂回路には、階段が彫り付けられていた。赤津山登り口で、自転車を回収して、山荘から2時間強で加治川治水ダムに帰り着いた。

しかし、自転車回収時に鍵を落としてしまい、自転車で一往復することになる。なんたる間抜けざまだろうか。我ながら腹が立つ。空身での自転車は負担が軽く、往路35分、帰路25分と、徒歩だと片道でも1時間45分くらいのところを1時間で往復してしまったが、蛇足であることに変わりはない。

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湯ノ平山荘までの登山道は、崩壊していた箇所に迂回路が整備された。
湯ノ平山荘は、ソーラー発電システムとパラボラアンテナが設置され、水場には屋根が作られていた。また、女風呂には、湯が引かれるとともに、囲いと屋根を持った脱衣場も整備された。
おういんの尾根は、今年、北股岳から滝見場まで狩り払いされている。また登山道1270M付近の北股川側10Mほど下方には、ブナに囲まれた快適そうなテラスがあり、おういんの尾根でピッチを切るのによさそうだ。

 

同行者の記録

遡行図:孫左衛門沢~中ノ沢烏帽子沢~清十郎沢


山行最終日:2015年8月12日
メンバー:長島(L) 梶原(8-9) 渡部(9-12)
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
8日:加治川治水ダム(6:45)-加治川ダム(8:35)-湯ノ平山荘(9:55/10:25)-中峰(14:40/15:00)-孫左衛門沢出合(16:55)-洗濯沢出合(17:50)
9日:洗濯沢出合(5:40)-烏帽子沢出合(9:30)-1310M付近(11:30)-梅花皮小屋(14:45)
10日:梅花皮小屋(6:00)-烏帽子岳南東下降点(7:15)-1480M付近(9:05)-1150M付近(10:00/10:40)-洗濯沢995M左岸枝沢1100M付近(12:00/12:30)-洗濯沢990M付近(13:30)
11日:洗濯沢990M付近(6:45)-清十郎沢1120M付近(9:55)-標高1400M三俣付近(11:45-12:15)-左俣1550M奥の二俣(13:12)-おういんの尾根登山道1725M(13:45/14:00)-中峰(14:40)-湯ノ平山荘(16:50)
12日:湯ノ平山荘(6:00)-加治川ダム(7:10)-加治川治水ダム(8:05)-赤津沢右岸登口(8:40)-加治川治水ダム(9:05)
地形図:二王子岳・飯豊山(蒜場山・東赤谷)
報告者:長島

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