加治川 赤津沢西の沢

赤津沢は加治川ダムより下流の右岸の沢ではかなり厳しそうな沢だが、本人の希望と、宗像氏の後押しもあり、まだ無理ではないかと思いつつも、高森氏を同行させることにした。

11日:

加治川治水ダムの駐車場に車を停めて準備をしていると、ゲートの合鍵を持った猟師に声をかけられ、出合まで車で乗せてもらった。

少し上流側へ歩いて、蕨を採ってきてから、赤津沢左岸のトンネルを潜って入渓する。林道下には、大きな雪渓が残っていた。トンネルを出ると、左岸から滝を懸けて枝沢が入っており、アルミ製の橋を渡って50Mくらい道を行くと、堰堤に出る。道を歩く足下にも雪渓が残っており、行く手の困難さを予感する。

左岸の道を辿ると堰堤に行き着く

平凡な流れだが、水量はなかなかのものだ。既に両岸ともに切り立ったゴルジュの中にいる。曲がりくねったゴルジュを進むと早速ブリッジに出くわすが、一つ目は難なく潜って通過する。

堰堤の先の渓相

二つ目は入口の末端が薄く、入ったら戻る気がしない。やはり潜って進んでいくと、釜があり、高さはないが勢いよく水を噴射する斜瀑が懸る。左壁を行けそうだが、後続を確保できるところがないので、右岸から流入する枝沢のザレ気味の左壁を登って雪渓を抜けだす。出口にはブロックが散在しており、落ち着かない。

釜に流れ込む2M滝を覆う雪渓の下

そこから雪渓を見下ろすように右岸を巻いていくが、かなりの傾斜が続く灌木帯で、なかなか息を抜くことができない。やや斜度が落ちるところまで登ってから、傾斜が緩いラインを下降気味にトラバースして、懸垂8Mを交えて沢身に戻る。降り立ったところには、食べごろのウドが沢山出ていたので、何本か収穫する。さらのもう一つ短いブリッジを潜り抜け、簡単な1.5Mの滝を越えると、程なく東ノ沢を分ける二俣に出た。

雪渓の下に懸っていた滝の方を振り返る
滝上は落ち着いた渓相になる
土を被った雪渓
小滝が懸る短いゴルジュを抜けると二俣に出る

水量は(3:2)で西の沢が多く、こちらを本流とみてよさそうだ。西の沢には花崗岩の堂々とした8M滝が懸り、東ノ沢の方は出合から20Mくらい奥にやはり8Mくらいに見受けられる滝が懸っている。

西の沢に懸る8M滝
東ノ沢に懸る滝

出合の滝には、ロープを引いて、まず水流の左に取り付いてみるが、上部のホールドが遠いので、一旦クライムダウンして、右岸のルンゼを少し登った所から、ブッシュを掴んで落口に向かってトラバースする。荷揚げをした後、後続を確保する。この時点で入渓から3時間半が経過しており、幕場予定地までは難しいと感じた。

出合の8M滝の落口から見た二俣

続く3MCSは手前の左壁のバンドに乗り、2cmの灌木に捨て縄をして、そこにシュリンゲを懸けてバンドと滝の左壁を跨ぐ。ここも、荷物を渡した後に、後続を確保する。

少し開けたかと思うと、4M滝、さらに垂直の壁の裂目から吹き出ているような10M2段の直瀑が懸り、高巻きを余儀なくされる。ここも右岸のザレたルンゼにとりついて、灌木帯に入る。途中二回ほど後続にお助けのシュリンゲを出すが、進みは遅く、最後は30Mロープぎりぎりの懸垂で沢身に戻るが、この高巻きに約2時間を要した。

壁の裂目から落ちてくる連瀑

昼食を摂ったあと遡行を再開すると、早速2Mの滝に続いて釜をもった6M滝が懸る。まともに登れそうにはなく、左岸のいく分斜度が緩くなった小尾根状に取り付くが、なかなか悪い。何とか灌木帯に取り付いて、後続を引き上げた。6M滝の上で、沢は左に曲がり、その先には悪そうなCS滝も見えているので、大高巻きを覚悟する。

手掛り乏しい6M滝

しばらくトラバース気味に登っていくが、斜度が落ちてこないので、慎重なルート取りを要求される。既に、高森氏はトラバースを続けるだけの腕力がなくなっているように見受けられ、泣きが入る。

二つほどルンゼを跨ぎ、テラスから直上しているときに、高森氏が滑落する。テラスからの登りだったので、そこで止まっていたが、疲れと恐怖に冷静さを欠いた本人はいつまでも草にしがみついていた。ここは、ロープをセットして、高森氏のハーネスに結束して、引き上げた。既に、西の沢を詰めるのは無理だと決め込んでいたが、この時、ここで退却を決めた。

尾根から見下ろした巻いた滝の上流

尾根上の等高線が緩い所を目指して登っていくと、幸いにして、テラス状の平坦地が散在するブナ林に出た。心配事は水だったが、尾根の反対側に、東ノ沢に流れ込む小沢で水を確保した。辿り着くまでは大変だったが、快適な幕場でゆっくりすることができた。

尾根上のブナ林の快適な幕場

12日:

西の沢に戻ることは諦め、沢沿いの厳しいトラバースを避けるために、東ノ沢左岸の尾根を目指す。幕場から尾根を下降して、約20分で東ノ沢に出る。

尾根を下降して東ノ沢を横切る

少し登ったところで、左岸の灌木帯に取り付き、斜度が緩い所を見計らって右手へトラバースしながら、高度を上げていく。途中何度か沢を横切るが、地形図上は浅い谷でも、両岸は泥壁でなかなか厭らしい。高森氏からは沢を横切ったら登れないと、またも泣きが入る。疲労しているのは分かるが、当人の口調のせいなのか、精神面が甘いように思えてしまう。最後は沢を右下に見ながら、右上に登っていくと出合に向かって降りていく尾根に出た。

何度か枝沢を横切る

尾根には踏跡があり、少なくとも胎内尾根や二王子岳から奥胎内に向かう廃道よりは明瞭だった。最後は尾根をはずれて、加治川本流側に降り、尾根の末端から20Mほど上流側に降り立った。

赤津沢左岸尾根を下降する

火が照り付ける猛暑の林道を歩き、途中で蕨を収穫して、加治川治水ダムに戻った。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2015年7月12日
メンバー:長島(L) 高森
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
11日:出合トンネル入口(7:55)-二俣(11:25)-550M付近(13:30)-左岸尾根650M付近C1(16:45)
12日:C1(7:50)-東ノ沢(8:10)-林道(12:55)
地形図:二王子岳・東赤谷・蒜場山
報告者:長島

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