加治川 ウジノ沢

今回は胎内川流域で最後に残っていた頼母木川を遡行するために、27日から3日間の日程を確保していたが、低気圧の通過とともに寒気が入り込んで、飯豊連峰は大荒れの天候となった。当然、沢など遡行できたものではなく、二日間を中条と新発田で過ごし、29日に日帰りでウジノ沢を遡行することにした。
ウジノ沢への入渓は、飯豊川第一ダムの堤体を渡る。水量が多いときは非常に危険だが、今回は堤体頂部を濡らす程度の水が流れているだけなので、問題はなかった。堤体はフリクションは十分で、幅もあるので、滑落することはないだろう。渡った先には対岸までハシゴが埋め込んであるので、膝下を濡らす程度で、ウジノ沢の河原に立つことができた。

ダムの堤体を渡る 下流側は落差が大きい

遡行を始めると、すぐに両岸が岩壁のゴルジュとなる。ゴルジュを50Mくらい進んだところに、釜を持った5Mの滝が懸っていて、釜に浸かって取り付けば登れそうだが、左岸のブッシュ帯にとりついて巻くことにした。左岸には所々鉈目が見られる踏跡があり、途中に5M位の滝と、10M位の滝が見えたが、これらもまとめて巻いたところで沢身に戻った。

ダムへの流れ込み付近
釜を持った5M滝
一連の滝を巻いて10M滝の落口に降りた

右岸にスラブ滝を懸けて出合う枝沢を分けると、再びゴルジュとなり、股下まで釜に浸かって2M滝を越え、10M2段の滝は三日月型の釜の中程に突き出たリッジに取り付いて左岸を巻いた。谷は開けて、落差の少ない流れの間に釜と小滝が断続して現れるが、小さく巻いたりへつったりして越えていく。ここまで、特に悪い巻きはない。

低い壁のゴルジュ
ゴルジュの奥に懸っている10M滝 釜は三日月のような形状
平坦な流れに小滝がぽつぽつと出てくる
310M付近で枝沢を分けた先に懸る3M滝
深い釜を持った6M滝
左側にスラブ状の山肌が見えてくる

標高360M付近で右岸に水量の多い枝沢を(1:1)で分けると、短いながらゴルジュとなって3Mの滝が三つ懸っている。一段目を左から、二段目を右から登ると、右壁はハングし、左壁はスラブとなり、釜を持った小滝を挟んで、スラブの右奥端に3Mの滝が懸る。スラブ手前のリッジを登って小滝とスラブの3M滝を巻いた。

360M右岸枝沢を分けると小さなゴルジュに3M滝が続く

次のゴルジュは、7M滝と5M人の字状二条の滝が懸る。7M滝は右側の斜上バンドに取り付き、落ち口付近は突っ張り気味にフリクションを確保して流れの中にスタンスをとって、落ち口に引っかかっている倒木に乗りあがった。5M滝は右側を容易に通過できる。

標高450M付近で左岸に枝沢を分けると、再びゴルジュとなり、先にいやらしそうなCS滝が見える。基部まで行ってみると、右壁に残置ハーケンにシュリンゲが懸っていたが、これを使って登れる気はしなかった。ここは、出合に戻って、中間尾根に取り付いて大きく巻いた。沢身に戻ると、依然小滝が続くが、スラブ状の滝が多くなってくる。

次のゴルジュはCS滝の基部まで進んだが引き返して左岸を巻いた
以前小滝が多い

標高650M付近の左岸枝沢出合は、まっすぐに流れてくる枝沢に、本流が滝を懸けて流れ込んでいる。出合の滝はスラブ状3段で25Mあった。枝沢に少し入って、枝沢右岸のルンゼを登り、上部の草付スラブをトラバースする。続く5M2段は下部を突っ張りで登り、大岩に塞がれた落口は、左壁のシュリンゲがぶら下がった残置リングに自前のシュリンゲを掛けて鐙にして、辛くも落口に這い上がった。

3段25Mスラブ滝

3Mの滝、25Mの急なナメ滝を登り、次の10Mは見るからに手掛かりなく、左岸を巻いた。沢身に戻った直後から、3M、8M、4×5樋状、2Mがスラブ中に一連の滝となって続いている。さらに10M、4Mと続く滝も左岸を巻くと、水量乏しい窪となる。分岐の度に水量が多い方へ進んでいくと、最後は焼峰山から南へ派生する尾根に出て、約5分藪を漕いで尾根上を行くと、焼峰山山頂に出た。

25M続くナメ滝
最後の10M滝

山頂で一服して、加治川治水ダムへ下山した。この登山道はさほど急でないところにも鎖がつけられており、袖ノ峰からの急斜面は階段(段が消えているところもあるが)となっており、思ったより整備されて歩きやすかった。

焼峰山山頂

 

遡行図

山行最終日:2014年10月29日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
飯豊川第一ダム(8:00)-標高310M右岸枝沢出合(9:45)-標高360M右岸枝沢出合(10:30)-標高460M左岸枝沢出合(11:05)-標高560M右岸枝沢出合(12:20)-焼峰山(15:15)-加治川治水ダム(16:33)-飯豊川第一ダム(17:05)
地形図:東赤谷
報告者:長島