胎内川 作四郎沢

作四郎沢は楢ノ木沢出合の上流約1kmで左岸から胎内川に合流しており、源頭から出合の距離では胎内川一の大支流である。出合から流程の約7割を遡行するまで、狭隘なゴルジュが断続し、ゴルジュの後半は滝場が断続する。大きな滝はほとんど高巻くことになるが、切り立った草付や泥付に苦労する。上流域には悪場はなく、最後は草原となって、ほぼ藪漕ぎなしに登山道に出る。

18日:

作四郎沢へのアプローチでは、アゲマイノカッチを越えて楢ノ木沢出合に降り立ち、本流を約1km遡行する。最初に奥胎内ヒュッテ前で胎内川を徒渉するが、流れが変わって左岸に寄っており、右岸の河原がやけに広くなっていた。水深は股下くらいだったが、昨年の流れを基準に水量を計ることは難しい。昨年、坂上沢を遡行した時より若干多目といったところか。

明瞭な踏跡を辿ってアゲマイノカッチへ登り詰めた後は、尾根沿いの踏跡を辿って楢ノ木沢出合に下降する。楢ノ木沢に差し掛かったところで、5~6名の測量員と思しき人たちが、楢ノ木沢右岸の枝尾根へ登っていく後姿を目にした。楢ノ木沢右岸に渡って、出合付近で本流に降り立つ。腰上くらいまで浸かる所があったが、概ね膝上くらいまでの徒渉で作四郎沢出合に着いた。

作四郎沢は本流に比べるとかなり水流が少なくなるが、ゴルジュは一層狭隘になる。両岸はほぼ垂直に切り立ち、その高さは10M以上で、壁の上も大して変わらぬ斜度の草付や灌木帯となっており、その雰囲気は延々と続く井戸の底といった感じだ。

出合から狭隘なゴルジュとなる

出合から谷が右に曲がり、1Mの滝を左壁をへつって右壁に脚をのばして突っ張りで越えると、右から滝を懸けた枝沢を分ける。両岸は急峻な草付となり、左右に猫の額ほどの小さな河原が交互に現れる。再び沢が右に曲がると幅2Mの狭隘なゴルジュとなる。2M前後の滝が3カ所に懸るが、三つめをショルダーで登った以外は問題ない。

出合のゴルジュを抜けるとわずかながら河原がある
幅2~4の亀裂のようなゴルジュ
ゴルジュ遡行
ゴルジュ遡行

一旦やや開けた後、岩壁の間を抜けると、谷幅が広がり、両岸に河原が目立つようになる。標高420M付近である。谷は南へ向きを変えた後、右岸に枝沢を分けて、西に向かう。再び岩壁のゴルジュとなるが、ここから標高500M付近まで悪場はない。

ゴルジュを抜けた しばらく穏やかな渓相が続く
再び両岸が険しく切り立ってくる
水流を二分する小滝を過ぎると再びゴルジュが始まる

標高500M付近からは、両岸ともに依然険しくそそり立つものの、ゴーロとなり、2~3Mの滝が幾つか懸っている。スノーブロックを横目に通り過ぎると、大釜に勢いよく水流を叩きつける8M滝を手前に、5段の滝が懸っている。ただし、上3段は水量からも、地形からも支流の滝で、本流は滝の落ち口に隠れているところで、右折している。あまり直登しようという気にもならず、やや戻って左岸のカール状の斜面から小尾根を乗越して、連瀑の上に出た。この高巻きは悪くない。降り立った地点と滝下の標高差は70Mだった。

ゴルジュの中枝沢を分ける 枝沢も険しい
8M幅広滝と上部に続く枝沢の連瀑
8M滝の手前から尾根を乗越して沢へ下降する

滝上は等高線が混んでいないので、幕場を探しながら遡行するが、なかなか適地が見当たらない。標高610Mで左岸に(1:1)の水量比で枝沢を分けると、9M、15Mの直瀑が続き、左岸の中間尾根に登ってこれらを巻く。滝上に出ると、やや開けてきて、猫の額程度であるが、砂地があったので、ここを幕場とした。

(1:1)で右に支流を分けた後の9M-15Mの直瀑

少ない流木や、折れた枯れ木を集めて、何とか焚き火もできた。薪集めをしているときに、鉈で切り落とされた新しい枝があったが、先人はいつ入渓したのだろうか?

テントを張った小さな河原

19日:

遡行を開始すると、すぐにゴルジュとなって、左へ右へと屈曲して、水流が大岩の下に消える。大岩を登ると、岩の裏に2M滝が懸り、その上にももう一つ2M滝が懸る。これを越えるとゴルジュは左に屈曲して、険しい6M滝、10M滝と続いている。右岸の草付から、露岩のリッジ、ブッシュ帯へと繋ぎ、ブッシュ帯をトラバース気味に下降しながら、目下に20M Y字、10M2条の滝を見下ろす。懸垂を交えて沢身に戻ると、さらに登れそうもない滝が続いている。

二日目も狭隘な谷の遡行となる
大岩に隠れた滝を越える
6Mの直瀑とその上に続く滝

谷の屈曲を考えると左岸を巻きたいが、あまりに険しいため、右岸の枝沢から灌木帯にとりついて高巻くと、運よく一本上流の枝沢の手前を懸垂なしに下降しできた。

左岸を巻きたいところだが止むを得ず右岸を巻いた

ゴルジュの底は再びゴーロとなり、2度左に曲がると、5Mクラスの滝が続く。手前の2つの滝を越えた後、水に浸かるのを嫌って3つの滝を右岸の泥付・草付から巻く。沢身に戻ったところで、15Mの滝に阻まれ、今度は左岸からこれを巻きにかかる。前の高巻きの最中に、さらに上方に滝が見えていたので、15M滝の上にも大きな滝が続くと思い、灌木帯をトラバースし続けたが、結局枝沢の滝と見間違えていたようで、滝はなかったようだ。標高870M付近で、懸垂10Mで沢身に戻って、昼食を摂る。

5MCS 左壁を登ってしばらくへつる
15M直瀑 左岸を巻く

標高800~850Mの滝場を越えると、平凡な渓相となり、所々ボサが被ったりしている。2M簾状の滝を越えると谷はいっそう開けてきて、標高940Mの二俣では(1:1)の水量比で左俣を分ける。

二俣 (1:1)で右俣と左俣に分かれる

標高1000M付近から左へカーブして、3M滝を右から巻くと、次は標高1100Mで左に枝沢を分ける。標高1150M付近では10M滝が登れず、左岸の泥付にアイスハンマーでステップを切って小尾根に乗り上げて、10M滝の上に続いていた滝もまとめて巻いた。

10M滝

左に枝沢を分け、3Mの滝を登ると、次第に両岸に草原が広がってくる。(1:2)の分岐を右に進んで草原を詰め、稜線上で垣根のような灌木帯を横切ると、二王子岳と二本木山を結ぶ登山道に出た。

稜線に向かって草原を詰め上がる

7月には途中まで駆られていなかったが、今回は二本木山まで刈り払いが終わっており、二王子小屋への道中を快適に歩くことができた。

二王子岳へと続く登山道に出る

20日:

二王子小屋から胎内第一ダムへ向けて、廃道となった登山道を下降する。何カ所か不明瞭なところがあるが、概ね踏跡は残っておりトレースできる。とはいっても黒石山までは藪が濃いところが多く、左(西)から右へ傾いた灌木が踏跡に被さっているので、掻き分けるのが大変だ。

胎内第一ダムへ向かって廃道の尾根を降る
踏跡はあるが藪が濃い
黒石山を過ぎると藪が薄くなってくる

特に左腕が疲れる。黒石山まで約3時間、さらにナリバ峰へ1時間、ダムまで1時間、全部で5時間強で奥胎内ヒュッテの駐車スペースに下山した。

 

同行者の記録

遡行図


山行最終日:2014年10月20日
メンバー:長島(L) 井谷
山域: 飯豊連峰 胎内川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
18日:奥胎内ヒュッテ(8:00)-アゲマイノカッチ(8:50)-楢ノ木沢出合(9:55)-作四郎沢出合(10:40)-標高420M付近(12:10/12:35)-標高650M付近(15:10)
19日:標高650M付近(7:20)-標高750M付近(9:00)-標高870M付近(12:05/12:30)-二本木山北のコル登山道(14:50)-二王子小屋(15:10)
20日:二王子小屋(7:30)-黒石山(10:25/10:40)-ナリバ峰(11:40)-胎内第一ダム(12:40)-奥胎内ヒュッテ(12:50)
地形図:えぶり差岳・二王子岳
報告者:長島

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