内の倉川 焼峰沢~赤倉岐沢

先週同様、内の倉湖畔水谷公園の駐車スペースに車を停めて、まだ記憶に新しい湖畔道と内の倉川左岸道を歩いて、焼峰沢出合へ向かう。伊蔵沢からジョウ沢を過ぎる辺りまでは、植林帯で歩きやすい。植林帯を抜けると、いかにも廃道らしく荒れてくるが、踏跡ははっきりしている。公園から約一時間で出合に着いた。焼峰は深く抉れており、登山道は急勾配で沢床へと降っている。

出合付近に懸る6M滝

登山道徒渉点から上流に目を向けると、早速釜を持った6M滝が懸かっている。基部まで様子を窺いに行くが、外傾していて悪い。無難に左岸から巻くことにして小尾根に上がると、かすかに踏跡があった。滝を巻いていると、上流にもうひとつ滝が見えたので、まとめて巻いた。

なんてことないように見える小滝だが結構煩わしい

沢に戻って落ち着いたかに思えたのも束の間、岩頭を挟むように水流が滑り落ちる、手がかりの少ない2M滝に行き当たる。股上まで水に浸かって基部に取り付き、ザックを右壁際の隙間に押し上げて、空身で右壁との隙間に体をねじ込んでずり上がって辛くもクリアした。

6月から7月は標高低しと言えども結構雪渓が多い

左に枝沢を分けて、二つ滝を越えると谷底に靄が立ち込めてくる。早速雪渓を潜ることになる。中間部が崩壊しており、この間ブロックの上を進み、上流側も潜り抜ける。

3M2段の斜滝を過ぎると、CS滝を懸けて左から枝沢が入っている。標高370M付近である。ここを過ぎると、また雪渓が現れ、これも下を潜り抜ける。

雪渓を抜けると、狭まった壁の間いっぱいに流れる深場となり、左壁沿いを泳いで落ち込みの左壁に取り付いた。しかし、ポーチから地図とノートが流れ出していたため、これを拾いに戻ることになり、二度も泳いでしまった。雪渓が多いせいか、水が冷たい。こういう日に限って、アンダーウェアを省略してきてしまったので、冷たさが一層堪えた。

5M滝を前衛として滝が続く

泳ぎ終えてほっとしたところ、釜を持った5M滝を前衛とする連瀑が現れる。手前から目測で、5M、4M、10Mといったところだが、最初の滝からして登れそうもなく、右岸のルンゼからブッシュ帯に取り付いて、三つまとめて巻く。少し間をおいて出てくる7Mと5Mもまとめて右岸から巻き、続く3Mは左岸から巻いた。

これは4M滝だったか・・・

いくつかの小滝を過ぎ、屈曲部に懸かる細長く深い釜を持った3Mは左岸を巻く。やや開けてくると、右岸から滝を懸けて枝沢が入ってくる。釜を持った滑滝を過ぎ、2M滝の先の深い流れのゴルジュと、それに続く4M滝を左岸から巻くと、滝を連ねて右岸から枝沢が入っている。標高470M。

樋状の5M滝は落口から先に雪渓が架かっている

谷は結構開けているように思えるが、スノーブロックが散在する。左岸に枝沢を分けると、樋状ツルツルの5M滝が懸かる。右壁から水流に取り付き、つるつるの右壁の中のわずかに岩が欠けたような窪みに手をかけて、ツッパリ気味に少しずつスタンスを上げていって、辛うじてやや傾斜の緩んだ中段に達する。一旦左壁との間の凹角に入り込むと、この先水流に戻るつもりでいたが、思いの外左壁のホールドが良いので、このまま左壁を登った。

落口から直ぐに雪渓となり、ここも下を潜る。またも途中で崩壊しており、ブロックの上を歩き、後半は左壁との隙間を進んで雪渓下に水流を落とす滝の落ち口に出た。

連瀑帯序盤の滝 ここからしばらく高巻きが続く

沢が左へ、右へと曲がると連瀑となっており、上部のCS滝を越すのが厳しそうだ。左岸の土壁からブッシュ帯に取り付いて、連瀑をまとめて巻きにかかる。

下降しようとすると大きな滝が見えてくる

連瀑を越えた辺りで、下降しようとすると、すっぱりと切れた壁に15M、20Mと続く滝と、さらにその先に8Mくらいの滝が目に入る。降りても登れそうもないので、さらに高巻きを続けて、8M滝の落口の先で沢床に降りた。

5MCS滝 ここからまた巻く

小滝を越えると、標高610M地点で、2:3で左から枝沢が入っている。すぐ先に懸かる5MCSを左岸から巻くと、さらに5Mが続くが、降りるのが大変なので、そのまま巻き続けて、その先にかかる小滝の上に出た。さらに4M滝を左から小さく巻くと、左岸から枝沢が入ってくる。

8M-8M-3Mと続く滝

地形図の滝記号の辺りに差し掛かるころ、8M、8M、3Mナメ滝と続く連瀑が現れた。先ほどの15M、20Mを見てきたので、ちょっと拍子抜けする思いもあったが、今度は登れそうだ。若干ホールドの向きが悪かったり、甘かったりするものの、左壁通しに登った。

枝沢を埋める雪渓

さらに7Mの斜瀑を登ると、短いながらも薄い雪渓が架かっており、下を潜る。8×8ナメ滝を過ぎると、750Mの右岸枝沢の出合でまた雪渓が架かっている。この雪渓は枝沢の上部までびっしりと埋め尽くしていたが、本流を進むには数メートル潜るだけだった。

この先は、倒木が多く、スノーブロックが散在する平凡な転石帯が続き、最後に5M滝、雪渓となって沢形は終わった。5M滝の手前から右岸の小尾根に上がって、急傾斜のブッシュ帯を登って焼峰の頭(かっち)に出た。

焼峰のかっちに詰め上がった

すぐに焼峰の頭を後にして、焼峰山山頂で立食で食事を摂ってから、登山道を降った。少し降ると、記憶に新しい景色になる。うぐいす平を過ぎて、標高550M付近から赤倉岐沢に向けて樹林帯を下降し始める。

泥底の湿地のようで気持ちよい源頭ではない。15分くらい下降すると本流に合流、やや赤みがかった石や岩盤となって、ようやく沢らしい様子になった。

赤倉岐沢の6M滝 赤っぽい岩盤が目立つ

河原歩きのつもりでいたが、6M、6M、4Mと滝が断続する。ここまではクライムダウンして進むが、次の15Mは真直ぐに切れ落ちていて、クライムダウンできない。

15M滝はすっぱり切れ落ちているので巻いて下降

左岸のブッシュ帯から巻いて降っていく途中、ブッシュに左目のコンタクトレンズをこすり落とされてしまい、足場が安定したところで右目のコンタクトをはずして眼鏡をかけた。微妙に距離感が違って動きがぎこちなくなった感じがする。この場所から直立する松を支点にして懸垂13Mで沢床に降りた。

5M滝をクライムダウンすると、あとは何もなく、ひたすら河原を歩くが、やはりコンタクトレンズでないと調子が悪い。足元の距離感が狂っているせいで、いつもより衝撃が大きく結構疲れる。両岸に植林が出てくると、植林についている仕事道を拾ったりして距離を稼ぐ。左岸に切り株が出てくると間もなく赤倉岐林道に出た。その先は、先週歩いたルートを辿って、水谷公園に戻った。

 

遡行図

山行最終日:2014年6月21日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
内の倉湖畔水谷公園(6:45)-焼峰沢出合(7:50)-標高450M(9:50)-標高610M(11:25)-焼峰の頭(13:50)-焼峰山(14:00/14:10)-うぐいす平(15:00)-赤倉岐林道(16:45)-内の倉湖畔水谷公園(17:00)
地形図:上赤谷
報告者:長島