玉川 大又沢休場ノ沢

今年ようやく飯豊の沢に入渓した。本来は日帰りであしな沢の計画だったが、本流の水量が多く遡行に時間がかかって日帰りできるか危うく感じたため、エスケープに近いルート変更をして休場ノ沢を遡行した。

休場ノ沢はあしな沢と同じく大又沢左岸の支流で、ダイクラ尾根の休場ノ峰の北斜面を流下して510M付近で大又沢に流れ込んでいる。

徒渉点から見た桧山沢・大又沢の出合
大又沢の右岸を進む

ダイクラ尾根へ向かう道を辿って桧山沢と大又沢の出合より少し下流で沢に降りて右岸に徒渉して大又沢に入渓する。しばらく右岸を進むがかつて遡行した時より水量が多くてなかなか歩が進まない。今年のこの流域は虻が少ないので助かる。

入りアイハゲ沢の先のゴルジュ

この日の水量・水勢では入りアイハゲ沢出合の先のゴルジュを抜けることは難しく、ここまでの所要時間とこの先の行程を考えると日帰りできるか覚束なく感じたのであしな沢を諦めることにした。引き返したのではコロナのための外出自粛等で仕上がりの悪い状態をさらに引きずることになるので、せめて下流の小さな沢でも登っておこうと思って休場ノ沢とクルミ沢を比較した結果休場ノ沢を遡行することにした。

休場ノ沢は二つの小滝を連ねて大又沢に流れ込んでいる。一段目は1.5Mくらいの全く問題ない滝で、二段目は狭まった岩溝を流れ落ちる2.5Mの直瀑だ。両岸ともバンド状で簡単に巻いて滝上に抜けた。

連瀑の始まり 12M滝

ちょっと倒木が多い平凡な渓相が続くが、600M付近で右岸に枝沢を分けると12M直瀑に行き当たる。左岸のブッシュ帯から巻いていくと、上部に滝が続いており全体で35Mの落差の連瀑をなしていた。

8M2段逆「く」の字の滝

間をおいて6M、4Mと連続する滝を左岸から巻いて、その次の8M2段逆「く」の字形の滝は水流左側を直登する。

連瀑最初の5M滝

6×7の2段の滝の後、5M、8M2段「人」の字形、2M、3Mと続く連瀑が懸る。最初の二段を右岸から巻いた所で8M滝上の小さなテラスで昼食を摂った。

水面から冷気が立ち昇る源頭部

連瀑の先は平凡な渓相になるが、水は次第に冷たくなって冷気で湯気が立ち昇っている。傾斜が増して顔が水面に近づくと涼しくて気持ち良い。940M付近で水は涸れ、沢型を辿っていくとほぼ稜線直下まで続いており、僅かにブッシュを掻き分けて登り続けると登山道に出た。

登山道

これまで一般ルートを歩いてはいたが、沢を遡行するにはまだ脚力が戻り切っていないようだ。短いルートでも結構疲労感があった。

ゲート付近には壊れていて渡れないと書かれていた吊橋は補修済のようで、特に問題なく渡れた。

 

遡行図

山行最終日:
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
駐車場(8:00)-桧山沢・大又沢出合(8:35)-入りアイハゲ沢の先のゴルジュ(10:00)-(休憩・ルート検討)-休場ノ沢出合(10:35)-上部連瀑8M「人」の字滝落口(12:00/12:15)-登山道(13:10)-駐車場(15:05)
地形図:飯豊山
報告者:長島