内川 中ノ俣沢

道の駅せきかわから内川へ向かう。中ノ俣沢沿いの道にも駐車スペースがあったような記憶があるが、分岐手前の329M地点にある広場に車を停めて林道を歩くことにした。中ノ俣沢左岸の道を歩く間、下山ルートの目星をつけておこうと思って左岸の尾根を観察する。堰堤が見えてくるあたりで林道から右に分岐して登っていく踏跡を辿り、堰堤を越えてからも踏跡なりに進んで沢に降りる。

入渓点付近

入渓後まもなく左にモミノ木沢を分ける。河原を歩いて15分でゴトロク沢出合を過ぎ、少し進むと浅いゴルジュが始まる。昨年遡行した時と比べるとかなり気温は高いが、あまり深い所には浸かりたくないので腰辺りまで浸かりそうな深場の手前から395M右岸枝沢出合まで右岸を巻く。わずかな区間だが少し開けた後は再び浅いゴルジュとなる。昨年小さく巻いた深場を同様に巻き、昨年の残置を使ってロープ下降した。CSの小滝を過ぎ、3M滝を右の段丘から巻くと間もなく日影沢出合(二俣)である。

入渓後しばらく開けた河原が続く
正面に見えるのははっぽうはげから境ノ峰あたりか
ゴトロク沢出合(375M付近)
浅いゴルジュへと変わっていく
400M付近の渓相
3M滝
日影沢出合(419M)

日影沢を分けると左に傾いた廊下状ゴルジュとなり、後に急峻な草付となる。正面に細い流れの20M滝が見えると左手に10Mのスラブ滝が懸る。空身で水流右側のスラブを登って荷揚げして、上部に続く二本の2M滝も左に見ながらスラブを登る。3M滝を越えると左に(1:4)で枝沢を分け、間もなく深い釜を持つ小滝に行き着く。左岸草付から巻くが、ちょうど倒木があったので楽に取り付けた。2本の小滝を連ねる枝沢の対岸に懸垂下降するが、すぐに深場に続いて難しそうな滝が懸っていたので釜の右側をへつった所から右壁とその上部に続く草付を登って滝上に懸垂下降する。

左に傾いたゴルジュ
急峻な草付のゴルジュの先に20M滝が見えてくる
10M滝
空身で登って荷揚げ~単独行は大変
深い釜の小滝 手前の倒木から左岸草付を登る

流れが左に曲がり、右に小さな枝沢を分けると逆層の黒い壁に8M直瀑が懸っている。昨年遡行を打ち切ってエスケープしたところだ。少し戻って左岸枝沢を少し登った所から8M滝落口へ向かうが、急峻な草付に挟まれた流れに難しそうな滝が続いている。一旦降りてしまうと登り返すのも容易ではないので、高巻きを続けて草付の尾根に隠れて見えなかった15M滝の落口に降り立った。15M滝のすぐ下流で高巻き中に見えた右岸枝沢が10M滝を懸けて出合っている。

巻き直した先で流れは左に曲がる
8M滝
8M滝の先の滝場
15M滝落口

2~3Mの滝を3本側壁から越えた所で逆層の8M滝に阻まれる。再び左岸の草付から巻くが、またしても滝の上部は急峻な草付のゴルジュとなり、所々抉れたように滝が懸る。草付の高さは30M以上ありそうで、草付にはブッシュは一本も見られない。見渡せる最奥の滝の上には稜線まで延々と滝が続く枝沢が流れ込んでいる。ブッシュ帯と草付の境目付近をトラバースして沢に戻った所は滝を連ねる枝沢の出合から滝を二本越えた所だった。

高巻きの下降点付近
逆層の8M滝 ブッシュもない
8M滝の上流は急峻な草付のゴルジュが続く
15M滝落口

幾分切れ込みが浅くなって順調に遡行できるかに思えたが、6M滝を右側に並ぶ枝沢から小さく巻くと逆層の滝を含む連瀑となっていたため、続く5本の滝もまとめて巻く。つるつるの青っぽい岩盤の2M滝と4M滝が続き、2M滝は越えたが4M滝は取り付けず再び左岸を巻く。悪そうな4M滝もまとめて巻いて4×4斜瀑の上で沢に戻ると、詰め上がる稜線がだいぶ近くに見えるようになっていた。

高巻きの下降点付近
5MCS滝 左側のバンドから越えた
6M滝 右側の枝沢から巻いた
6M滝に続く3M-4M-4M

両岸の傾斜も幾分緩くなりブッシュ帯もだいぶ沢床近くまで下りてきている上に稜線を見渡した沢の傾斜も緩いので、あとは詰め上がるだけかのように思えた。しかし進むにつれて両岸の傾斜は再び増してきて、小滝を4本越えた所で8Mに阻まれる。これまで高巻きはほとんど左岸だったが、今度は左岸はかなりの斜度がある。先の高巻きの下降点付近まで戻るか右岸に弱点がないかルートを精査した後、越えてきた小滝の落口から右岸の草付を登ってブッシュ帯に取付いた。ブッシュ帯をトラバースして8M滝を過ぎると、草付の枝尾根に隠れた流れはかなりの高度差の斜瀑となっているようなので、枝尾根の上部を目指して斜上した。

青い岩盤を流れ落ちる小滝と4M滝
両岸の傾斜が緩みブッシュ帯も沢床近くまで下りてきた
8M滝
草付の枝尾根に隠れるように滝が懸っている

ブッシュ帯を流れる平凡な渓相となって左右に水流を分けてだんだん流れが細くなっていく。二本の滝を小さく巻くと間もなく水が涸れて、稜線目指して窪を辿る。窪は稜線に達して、二重稜線をなす並行する尾根の間へ続きあいの峰の北側を巻くように続いていた。

尾根が近くに見えるようになってきた
窪は二重稜線をなす尾根の間に続いていた

稜線に出てから約1時間で境ノ峰。旧登山道が岩魚沢へ下降する小ピークの先に位置する660Mの丘のようなピークまで尾根を辿って、中ノ俣沢側へ下降する。下部に椿が群生して煩わしい所があったが、旧登山道よりはるかにすっきりとしていて歩きやすく、何とか暗くなる直前に中ノ俣沢左岸の道に降りてきた。

はっぽうはげから見下ろした中ノ俣沢

 

遡行図

山行最終日:2019年10月21日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
329M広場(7:30)-モミノ木沢出合(7:50)-ゴトロク沢出合(8:05)-日影沢出合(8:55)-650M付近(12:10/12:30)-800M付近(13:55)-稜線(14:30)-境ノ峰(15:30)-ヒトハネノ峰(16:15)-林道(17:10)-329M広場(17:20)
地形図:長者原
報告者:長島