実川 大古沢西ノ沢左俣~小古沢

天候が思わしくなかったため一週間延期、今週も金曜から土曜も雨予報だったのでさらに一日ずらして日曜から月曜にかけて本山行を実施した。

 

6日(曇)

実川島から林道に入って最初に渡る橋の上から実川を見下ろしたところ、水量が多い気がしたので新下平発電所まで行って、新小荒ダムの取水状況と下流に流れている水量を確認することにした。新小荒ダムの堤体の上に架かる橋の上から見下ろすと、取水はされているが下流に流れていく水量が多いようである。リスクを避けて橋を渡って実川右岸から大古沢へ向かうことにした。

橋を渡ると裏川沿いに山道が続いているが、すぐに下流方向へ向かう分岐があった。筆塚沢を下降した際に大古沢出合付近の段丘に踏跡があることを確認済なので、分岐した道が段丘へ続いていることを察した。多少の藪漕ぎを覚悟していただけに嬉しい誤算だ。

実川右岸を下流へ向かう山道

道は段丘の末端で二手に分かれ、片方は直進して大古沢が出合付近でクランク状に屈曲する二つ目の角の近くに下降しており、もう片方は大古沢上流方向に向かっている。分岐を直進して大古沢に入渓した。

大古沢への下降点 残置ロープがある

入渓点から出合方面は狭まったゴルジュに落込みと小釜が連なって出合から最初の曲がり角で視界から消えている。平坦な流れではあるが金曜から土曜にかけての雨の影響か笹濁りといった感じで水量はやや多いように見受けられる。

下降点付近の渓相 少し濁っていた

遡行を開始して小滝を二つ越えた辺りで、もとから急傾斜だった両岸が一層切り立ってきて完全にゴルジュの様相となる。間もなく縦長の深い淵の先につるつるの小滝が現れる。釜を泳いでも取り付けるかどうかも分からないので、ゴルジュ入口付近まで戻って左岸を巻くことにする。疎らなブッシュを辿って登っていくが少し悪い。傾斜が落ちる所まで登ると道に出た。沢を見下ろすと、先ほどの小滝の上は問題になるようなところはなさそうである。しばらく道を辿ると沢に降りる踏跡があり、小滝の上に降り立った。

縦長の淵と奥に懸る小滝

4段連なる小滝ともう一つの小滝を過ぎると右岸から滝を懸けた枝沢が流れ込んでいる。その後も小滝は続くが問題になる所はなく、右岸から二本目の沢が「く」の字形2.5Mの滝を懸けて流れ込むと、その先は次第に開けてくる。沢を塞ぐような大岩を避け、3Mの滝を越えると間もなく筆塚沢出合に至る。

深い釜に注ぐ4段の小滝
右岸に二本目の枝沢を分けると開けてくる
谷を塞ぐような大岩
3M滝を越えると筆塚沢出合が近い
西ノ沢と筆塚沢を分ける尾根が見えてきた
筆塚沢出合

筆塚沢を過ぎてもしばらくは比較的開けた渓相が続くが、左岸に小滝を連ねた枝沢を分けるとゴルジュが始まる。最初に右から、次に左から8Mの滝を懸けた枝沢が注ぎ込むと、2×2の滝が懸る。倒木が山のように堆積した3M2段の滝を越えるとゴルジュを抜ける。

ゴルジュ入口
ゴルジュ内に懸る2×2の滝
ゴルジュ末端に懸る倒木が煩い二段の滝

左岸の傾斜が緩んだ区間が続くが、右岸に16M2段の滝を懸けた枝沢を分けると再びゴルジュの渓相を呈してくる。滝らしい滝は懸っておらず、間もなくゴルジュっぽい所は終わり、3M2条の滝を越えると二俣となる。

しばらくの間左岸の傾斜が緩む
右岸から注ぐ滝を懸けた枝沢を過ぎると浅いゴルジュとなる

二俣の水量比はほぼ(1:1)だが、左俣が2Mの滝を懸けて右俣に流れ込む形になっている。地形図上では右俣と左俣は小ピークを挟むように分かれており、小ピークの先の鞍部は右俣との標高差が10M程度になっている。この地形に興味があって、二俣から鞍部脇まで右俣を遡行したが、三つ目の滝5Mを右岸から巻いていくと先に8M直瀑が目に入ったためそのまま登っていくと鞍部ではなくピークに詰め上がってしまった。結局尾根から鞍部に下降して、鞍部から右俣と左俣を見下ろす形になった。鞍部から左俣に向かって下降し、最後は懸垂で沢床に降り立った。

西ノ沢の二俣
右俣の5M滝 右俣の遡行はここまで
5M滝を巻いている途中で見えてきた8M滝
鞍部 右俣との標高差は20Mもない

両岸の傾斜がだいぶ緩んだように見えたがすぐにゴルジュ地形に変わり、末広に落ちる6Mと続く4Mの滝を右岸から巻いて懸垂で沢床に戻る。滝を懸けて流れ込む枝沢を過ぎて、次の4M2条は水流左側やや離れたところを登るが、ぐずぐずの泥が乗っていて少し悪かった。

下降点付近の左俣の渓相
6M滝 右岸を巻く

この後標高400Mを過ぎた辺りで右岸に滝を懸けた枝沢を(1:3)で分け、さらに440M付近で右岸に(1:2)で枝沢を分ける。2M前後の滝を二つ越えると平坦な流れになってボサが煩い。地形図でも等高線の間隔はさほど詰まっていないが、それ以上に斜度を感じさせない地形なので、このまま稜線まで歩くだけかと思っていると10Mの直瀑に遡行を遮られる。右岸手前のガバが多いリッジ状を登るが上部はブッシュとスタンスの間隔が開いてきて意外に苦労する。落口付近の短いバンドをブッシュを掴みながらトラバースして落口を足下にした。

(1:3)で分かれる枝沢
ボサが煩い平坦な流れ
10M直瀑

滝を越えると再び斜度感のない流れになって、稜線から標高差50Mくらいのところで染み出すように流れ始めていた水流が涸れる。

稜線直下まで斜度感のない流れが続く

水が涸れる直前で水を汲んで尾根に上がる。尾根はブナと杉の混成林で所々蔓草と灌木が絡みある藪があるが、藪を避けて労せずに888M小ピークの東隣のピーク付近についた。この辺りは尾根が十字状に分岐しているので、視界があれば容易に位置確認できる。ややピークから南下した辺りに下草のない平坦な所を見つけてテントを張った。夜は木々の隙間から遠く会津の街灯りを見渡せた。

888Mの東隣のピーク付近

 

7日(曇時々晴)

テントを張った所からすぐに南東に降り始めると、標高差30Mくらい降った辺りから水が流れ始める。地形図では大古沢より等高線の間隔が開いているが、それに反して斜度を増して滝のような傾斜が延々と続くため右岸のブッシュ帯を下降する。右手には開けた草地の斜面が広がる。一旦草地に出ると、至る所で水が滲み出して湿地のようになっている上に、蔓草交じりで草や灌木が絡み合っているので早々に尾根に戻る。尾根はこの辺りで灌木帯から下草が少ないブナ林に変っていた。しばらく尾根を降って右手の草地が終わって明瞭な沢地形になった辺りで草地から流れてくる方の沢に降りた。沢に降りて100Mくらい進むと、最初に辿っていた水流と思われる沢が2Mの滝を懸けて合流していた。

南東斜面の薄い藪
水が流れ始めると間もなく滝のような流れが続く
湿地状の草叢の斜面
初めに下降していた流れに合流

険しい渓相ではないが、簡単には下降できない滝がポツポツと現れる。4M2段の滝を左から巻くと、滑り台状の8M滝が出てきて右岸のブッシュ帯を下降する。8M滝の下にはすぐに大きな滝が続いており、まっすぐ降るとブッシュが疎らになるので右寄りに進路をとって懸垂で浅い谷地形に降りてから沢に戻る。

8M滝の落口
8M滝下部の15M滝

2M前後の滝が4本続いた後、10×10の斜瀑は左岸を巻いて懸垂下降。次の3M滝からはゴルジュとなって小滝が続いている。左岸を巻いて懸垂下降で沢に戻ろうとしたがロープが足りず、少しトラバースしたところで支点を取り直した後2Pで沢に戻った。

落口から見下ろした10×10の斜瀑
懸垂下降で降り立った地点のすぐ上流に懸る4M滝

450Mで左岸から(1:2)で顕著な枝沢が流れ込むと、その後右と左から小さな流れを併せる。小さな落込みが樋状の溝に落込んだ先で視界が開けている。落口から覗き込んでみると8Mくらいの落差の滝の下にさらに滝が続いているように見える。右岸のブッシュ帯に取付き落口近くの太い木を支点に懸垂下降しようとしたが、ロープが足りなそうなのでさらに右にトラバースしたところから2Pで下降した。巻いた滝は上部が樋状で下部がやや末広がりの2段15Mだった。

15M落口の樋状の流れ
15M滝

その後も2×2、5M斜瀑、3Mと続いて、2×2と3Mは小さい滝ながらもロープを使う。小滝と小釜が連なる流れを途中から巻いて320Mで右岸から合流する枝沢の出合に降りる。

2M滝 釜に降りないようにロープを使った
ひらけてきたかに思えるような渓相のところもあったが・・・

その後ゴルジュとなって、左岸から小古沢最大の支流が滝を懸けて流れ込む。しばらくゴルジュが続いた後、小滝から樋状の急流になって釜に注ぐところを左から小さく巻き、3M滝をロープを補助に使って斜めに下降して釜を巻くと左岸から最後の枝沢が滝となって流れ込む。

浅いゴルジュに小滝と小釜が連なる
240M付近で滝を懸けて流れ込む枝沢
小滝が樋状の溝に落込み釜に流れ込む

短い間少し開けた谷になるが、小滝を下降して次の4M滝の先から再びゴルジュになる。流れを見下ろしながら左岸を巻いていくとミズナラ林の段丘に出た。既に出合は目前で実川の流れが見えている。出合の滝の上に下降できそうな斜面があったが、段丘を末端まで辿ったため断崖に行き当たり懸垂下降で出合の5M滝の脇に降りた。

ゴルジュに落込む4M滝の落口
出合が見えてきた
実川の水量は思っていたより少なかった

実川の水量は前回偵察に来た時からは想像もできないくらい少なく、飛び石伝いに膝を濡らすことなく渡れた。目星をつけておいたところから難なく実川左岸の段丘に上り林道に出て、25分位で新下平発電所に帰り着いた。

出合から下流方面
徒渉点から上流方面
上方には吊橋の残骸
小古沢出合の「く」の字2Mと5M2条の滝

 

遡行図:大古沢小古沢


山行最終日:2019年10月7日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
6日:新下平発電所(7:55)-大古沢(8:20)-筆塚沢出合(10:55)-350M二俣(12:35)-512M(15:15)-888Mピーク東隣のピーク(17:05)
7日:888Mピーク東隣のピーク(6:50)-450M(9:55)-250M(11:50)-出合(13:25)-新下平発電所(13:50)
地形図:蒜場山・日出谷
報告者:長島

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