白川 こぐら沢~ひがしたき沢下降

7月も後半だが関東方面はしつこい梅雨空が続く中、この週末の飯豊方面の天候は比較的良い予報がでており幸先がいい。前夜、19:45に両国駅で長島号に同乗させて頂き、特に渋滞もなく東北道を会津若松に向けて急ぎ、道の駅あいづに23:30頃到着する。この道の駅は比較的新しく一晩中明かりのついている情報スぺースの奥にひさし付きの泊まれるスペースがある。はさみむしが少し気になるが軽く一杯やって就寝する。

翌日は5時前に出発し、途中の野菜スタンドで新鮮なアスパラガス2束(200円)を購入し飯豊トンネル経由で大日杉小屋前駐車場に6:30頃到着した。天気は曇りだが、朝の山の空気が澄んでいて気持ちが良い。手早く身支度し7時過ぎに大日杉小屋を五段山方面の山道を行くと、いきなり白川本流(川幅3~7m)にかかる少し頼りなげな吊り橋が出てくるが、高度感はほとんどないのでさそれほど緊張せずに一人一人渡って行った。

しばらく登山道を行き途中不明瞭になる右岸沿いの山菜道をたどっていき、本日下降に使う予定のひがしたき沢に出る。ひがしたき沢(川幅1~3m)を白川本流に向け下っていくと2m程度の滝が出てくる。左岸の岩溝に体を突っ込んで下降し、釜上を慎重にへつり終えしばらく行くと本流に出会う。そこから単調な河原を10分ほど遡行すると岩組から細い水流が流れるこぐら沢出合に到着した。ここで長島Lから高森さん、坂部、長島Lのオーダーが指示され、リード訓練を兼ねた遡行を開始するとすぐに7mの滝が二つ並ぶところに出くわすが、左のガレを使って巻いて比較的楽に越えた。

続いて2m程度のトイ状の滝を越えると6mの直瀑に出くわすが、ここも登れそうになく右の泥混じりの沢形を使って巻きを試みるが、左方向に中々移れずかなり登ってからトラバースし最後は立木から懸垂下降で沢に降りた。ところどころに1-2m程度の小滝がかかる沢をしばらく行くと5:1で右から支沢が流れこむ地点を過ぎ更に小滝を越えて行くと、3mの石組み滝が出てきて高森さんが暫くどこを登るか悩んでいたが、右のブッシュを選択して越え、長島Lは滝左の岩壁を越えた。私は、石組みの水流を被りながら登るルートが簡単そうなので選んだが、下の方がぬめっている足を滑らしひっくり返り、ヘルメットをしたたかに川床の石にぶつけ危なかった。少し舐めてかかったところがあり、飯豊の滝に早速しっぺ返しを食らった格好であり、沢は何があるかわからないので、どんなところも気を抜かずに行く必要があると痛感した。続く3m滝は左を小さく巻き、しばらく小滝が数個かかるゴーロを進んでいくと少し高さのある滝が連続する場所となる。2~3mほどの滝が4つほど続くがいずれも快適に登れ楽しい。その先は急なゴーロと一旦なるが、直ぐに連続滝場が再開し、6m3段滝、30mの4段滝、3~4mの滝がこれでもかというぐらい続くが4段滝の下部で小さく巻いたぐらいで、何れも登ることができ楽しい。

その先で両岸が迫ってきて、7m滝を皮切りに2~3m程度の滝がまだまだ続くが、登るのが少し難しい滝も出始め、そんな時は長島Lから早めにショルダーをセカンドに指示をするように注意が出たり、あえてトップが水を浴びて登るルートにチャレンジしたり、長島Lがリードして上からお助けシュリンゲを出してもらって越えたりしていく。その先、3mの滝をかけた支沢が1:10で左から交わるところを越えると5mの登れない滝が出てくるが、ここで左を巻くことに決め、急な泥壁にとりつき登っていくが下の方は手がかりが頼りなく、泥壁への蹴り込みと立ちこみ時の静的動作が不十分な私は何度も滑り登れない。長島Lに先に足場を掘りながら先行してもらい、やっとブッシュ帯にたどり着くことができた。ブッシュ帯をしばらく漕いで行き、続く5m滝も巻いたところで沢に戻ると、再び登れないひょぐった4m滝が出てくるが、今度は右から巻き結局その先の10mも越えたところで沢に降り立つ。続く6x8m滝の右側を登ると、またまた登れない5m滝が出てくるので、左を巻くことを試みるがここも手がかりの少ない泥壁でブッシュ帯まで取り着くのに少々苦労したがどうにかこなし無事に巻くことができた。その先、2m、3mの滝を越え、右から支沢が10:1で流れこんでくるところあたりで昼休憩を20分とる。

長島Lにトップを代わり遡行を再開すると直ぐに5mの登れない滝が出てくる。右を巻いて越えて行くが稜線上の登山道まで標高差150m程でそろそろ水も枯れ始めてよいと思うがその気配はない。右から支沢が2:1で入ってくる地点を過ぎると4m、2mの滝が出てくるが、それぞれ右側、左側を登って越えるとやっと水も細くなり源頭部の様相を呈してくる。沢形の中をたどって行き最後に苔むした2m程の涸れ滝を越え10m程笹薮を漕ぐと牛ヶ岩山(1401.8m)直下の登山道に飛び出した。登山道脇に点在する小さな高層湿原を愛でながら五段山方面へ15分ほど下ったところで左の笹薮入っていくとすぐにひがしたき沢源頭部の沢形に入ることができた。長島L先頭に下降していくが、co約1000mまでの1時間ほどの下りに滝がほとんどなく、せいぜい3m程度の下降が簡単なものが2個程度でてきただけで単調となる。

その先の下りも単調な河原で、かなりピッチが速い下りとなりついてゆくのがやっととなり、後半はリーダーに少し遅れ始める。結局そこから山菜道までの1時間20分ほど(標高差350m)の間に出てきた滝は、5m(左岸巻く)と最後の10m滝(右岸巻く)であり、ひがしたき沢は名前倒れであると思った。行きに使った山菜道をもどり、帰りは吊橋を使わず白川本流を渡渉して、今夜宿泊する大日杉小屋に16:30頃に戻った。大日杉小屋のシャワーで汗を落とし、夕食では行きがけに購入した新鮮アスパラガスを加減良く茹でて頂き美味であった。

山行最終日:2016年7月23日
メンバー:長島(L) 高森 坂部
山域: 同行者の記録
山行形態: 沢登り
コースタイム:
地形図:飯豊山・岩倉・川入
報告者:坂部