加治川 赤津沢西の沢

今回の山行は、早く厳しい沢に行けるようになりたいという思いがあり参加したが、私の体力的・技術的な限界があり、途中敗退となった。地形図を見て振り返ってみると、あんなに時間をかけてこんな所までしか行けなかったのかとがっくりする。この沢はあなたには難しいから無理だと言わずに、あえて経験させてくれたことに感謝したい。

12日(土)晴れ:
前夜、豊栄PAで仮眠し、途中のコンビニで朝食を済ませ、加治川治水ダムへ向かう。

車を停め、支度しようとしていると、これから車で湯の平温泉方面へ向かうという人がいて、赤津沢出合まで乗せてもらえることになった。

赤津沢出合で下ろしてもらい、支度を整える。橋の上から赤津沢を覗き込むと、両岸切り立っていて高さがあり、勢いよく水が流れ、雪渓も見えた。今まで遡行した沢と比べてスケールが違うのでこの時点でビビる。出発する前に林道で蕨を収穫。良い蕨がたくさん生えていた。

赤津沢へは点検用のトンネルを通って入渓する。トンネルを出ると、右側から枝沢が10m滝となって流れ込む。左岸沿いに道を進むと堰堤があり、10分程進むと、1つ目の雪渓。潜って通過すると、すぐ2つ目の雪渓が現れる。

真っ暗な雪渓の下へ、ヘッドランプを着けて入って行く。奥に釜があり2m位の滝が懸かっていて勢いよく水が流れ込んでいる。冷たい水に太もも位まで浸かりながら、ここからどうやって抜け出すのだろうか?と緊張する。釜の左壁の上のほうは雪渓が切れていて外の光が見える。この左壁を登り、崩れ落ちた雪渓の残骸を登り、外に抜け出た。

そこから灌木帯に取り付く。上に登っていった長島さんが私の所まで降りてきて私のザックを背負って再び登り、私はロープで確保してもらい空身で登る。結構な急斜面でいきなり大変な思いをさせられる。トラバースしながら下っていき、懸垂下降で沢に戻る。あの真っ暗な雪渓の下からここに辿り着くまで2時間かかった。(私の動きが遅いせいもあるが。)降りたところは穏やかな雰囲気で、ちょうど食べ頃のウドが生えていたので今晩のおかずに何本か採った。

休憩をとって、歩き出す。

小さな雪渓をくぐり抜けると、両岸が切り立ったゴルジュとなる。小さな滝を越えると二俣(東の沢出合)に出た。ここが唯一何事もなく歩けた区間だった。

西の沢には8m滝が懸かる。東ノ沢にも5m位の滝が懸かっているのが見えた。長島さんが空身で水流の左側に取り付くが、クライムダウンして戻ってきた。今度は右岸のルンゼを登り、落ち口へトラバース。長島さんのザックを荷揚げし、ロープで確保してもらい同じルートを登るが、落ち口へのトラバースでルートがわからなくなり手間取る。

次の3m滝は、左壁の上に乗り、木に捨て縄をかけて、空身で長島さんがトラバース。2人のザックを向う側に渡し、ロープをつけて私も行くがスタンスが小さく、捨て縄を掴みながらギリギリのバランスで通過する。後ろにひっくり返って落ちるかと思った。

4m滝を越えると、10m2段滝が現れる。右岸から高巻く。ザレた所を登るが掴むものが草しかなくなり、買ったばかりのアイスハンマーを使う。初めてだからうまく使えず、ズズ・・・と落ちそうになるがないよりはまし。灌木帯に取り付き、登ってトラバースする。手の力も使わざるを得なくなりだんだん腕が疲れてきた。途中で長島さんの姿が見えなくなり、遅れないように追いかける。最後は懸垂下降。木の間から少し見える沢の様子はなんだか険しそう・・・。降りて様子を見るから合図したら降りてくるように指示される。沢に降り、少し行った所で昼食とする。すでに13時30分。テンバ予定地にはとてもじゃないが辿り着けない。

再び歩き出すが、6m滝に行く手を阻まれる。ドドーッ!と水が流れ落ちている。どの滝も豪快だ。巻きに入るのだが、両岸とも急斜面。長島さんはまず右岸のザレた斜面に取り付くが戻ってきて、今度は左岸に取り付く。ロープをつけて私も登るが結構大変だ。木につかまりながら登り、ロープを外してトラバースする。木を掴んで跨いで、を繰り返す。

またしても斜面のちょっとした出っ張りが見つけられず、足で立てなくなる。腕の力に頼るようになり、次の1歩を出すのが怖くなる。次の足を出して立った瞬間、その足が滑り、掴んでいた木は手からすり抜け、斜面を滑り落ちた。(4,5m位?)本当に危ない目に遭っている時は、声が出ない。もうだめかと思ったが運良く、途中で止まった。でも、立ち上がろうとしたらまた滑り出すんじゃないかと思うと怖くて立てず、長島さんが降りてきて、斜度が緩んでるから立てるよ、と言われてようやく立ち上がることができた。

もう無理だと思い、尾根に上がりたいと長島さんに申し出る。そこから斜面をずーっと登っていくと、斜度が緩んでブナ林となり、幕場にするのにちょうど良い平坦な場所もあった。

ようやく安心できる場所に辿り着いてほっとする。まずは水を汲みにいかないと、ということで近くの枝沢へ降りて水を汲み、さっきの場所に戻って、タープを張る。

長島さんのクッキングタイムが始まる。見ているだけでも楽しいが、次々に出てくるスパイスや謎の白い粉のこと、料理のことを聞くのが楽しい。塩漬け肉を使った洋風肉じゃが、大根と豆の煮込み(南インド料理)を作ってくれた。昼間収穫したウドは皮をむいて丸かじり。皮はきんぴらに。あと、朝採った蕨のあく抜きをしておく。

木々の間から星がたくさん見えた。明日はどのルートで帰るかあれこれ話して就寝。焚き火はできなかったが快適なテンバだった。

12日(日)晴れ:
朝食は、がんもの煮物、蕨のおひたし、ウドの残り、朝炊いてくれたごはん、大根のみそ汁。食べ終わって片付けをしていると、長島さんが爆竹を鳴らし始めた。何事か聞いてみると、動物(クマ?)が近くに来ている気配がしたので試しに鳴らしてみたそうだ。

朝のすがすがしい光の中でブナ林がいい雰囲気なので写真をとる。木の合間から上流側の沢が見える。雪渓がびっしりついていた。

7時50分出発。東ノ沢に向けて下って行く。昨日水を汲んだ枝沢が出合う辺りに出た。左岸側の枝沢には3m滝が懸かっている。近くの砂地にはクマの大きな足跡がついていた。

東ノ沢を上流へ少し進んでから左岸へ取り付く。登ってトラバースして・・・朝からハードだ。途中でお助けひもを出してもらったりした。

小さな沢に出て、左岸に取り付く。そこがまた結構な急斜面で、長島さんは結構急だなぁ・・と言いつつ登っていったが、私にはロープが出た。

登ってトラバースして、また小さな沢に出た。下流側は滝となっているので、落ち口の少し上から左岸へ取り付く。ここもあぶなかった。木の枝にシュリンゲをつけてもらいそれを手掛かりにして登る。

あとは延々とトラバースを続け、斜度が緩やかな所も出てきたが、疲れてきた私はペースが落ちてのろのろだ。やっとのことで797ピークから派生する尾根に出た。

多少薮に覆われているが踏跡がついているので大分楽に歩ける。すぐ下に林道が見えるところまで降りてきたが、最後の数メートルの斜面が急だった。木を掴みながらなんとか林道に降り立った。あぁ。生きて帰れて本当によかった。

日影の少ない林道を歩いて、途中で蕨を収穫する。暑さで頭が痛くなってくる。加治川左岸の雪渓で埋まっている(夏でも雪渓がなくなることがないという)沢や長島さんが既に遡行した沢を見物しながら加治川治水ダムに戻った。

月岡温泉で入浴し、すぐそばのわくわくファームの農家レストラン、ぶどう畑へ。疲れているせいかあまり食欲がなかったが、地元産食材を使ったおいしそうな料理を目の前にして、ついたくさん食べてしまった。


山行最終日:2015年7月12日
メンバー:長島(L) 高森
山域: 同行者の記録
山行形態: 沢登り
コースタイム:
地形図:二王子岳・東赤谷・蒜場山
報告者:高森

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