沼川(右俣)

22日:

沼川左岸の道には地形図上にある右岸に渡る橋はなく、地形図の橋より上流で終点となる。しばらく踏跡はあるがやがて消える。

川の流れは平凡だが、水が汚れているので水線通しに遡行する気にはならない。1基目の堰堤を過ぎてしばらく進んだ後、対岸に踏跡を見出す。2基目の堰堤まで続いている。堰堤上は堰止湖になっていて、ここが汚水の根源だった。

堰堤による堰止湖の湖岸を進む

平凡な流れが続き、171Mの二俣に着く。左の本流に進むも、しばらくは平凡。250Mあたりから大石帯となり大きな落ち込みが連続する。

堰止湖を過ぎると澄んだ流れになる

270Mで右岸に連瀑を懸けた枝沢を分けると5Mクラスの滝が点在し始める。左岸はスラブが高巻を拒むかのように多くなってくる。405M手前の小ゴルジュは水線遡行が楽しい。

5M前後の滝が続く
左岸にはスラブが目立つようになる

445Mで両岸に枝沢を分けると、最初の10Mクラスの滝(12M2段)が出てくる。赤みがかった一見つるつるの岩壁だが、弱点は簡単に見出せる。下部を右岸のバンド伝いに行って上段の基部に立ち、上段はリッジ状を登って右水流目指してトラバースして落口に出る。

12M2段の滝 左側を登る

続く6Mの滝は登れず右岸の樹林から高巻くと、登れない滝が4つ連続する。樹林帯を抜けると連瀑の左一面に30Mのスラブ壁が広がる。ロープを引いてブッシュにプロテクションをとりながら、スラブ上部の樹林帯に取り付く。見えていた滝の上部に続く3つの3Mクラスの滝の上に降りた。

6M滝から幾つかの滝をまとめて巻くと雰囲気のいい滝が現れる
20M3段の滝のスラブ状左壁を登る

ここで核心を過ぎたかに思え、登れる滝をいくつか登っていくと600M二俣手前に登れない滝が懸かっており、左岸のブッシュ混じりのスラブから高巻きに入る。高巻き途中から先を窺うと、さらに二俣にかけて顕著なゴルジュが続いていて登れなそうな滝が連続して懸かっている。時間も押しており、登り返しになると鈴木さんには厳しいと思い、そのままスラブのトラバースを続け、等高線がやや緩くなっているところを辿って右俣の滝上に降りた。

この日の最後に6M滝とそれに続く2つの滝を左岸から巻いた

降り立った先は傾斜はやや急だがしばらく狭い川原が続いており、その中の一角の猫の額ほどの石の堆積地を慣らして幕場とした。

23日:

この先はところどころ小規模な滝を懸けつつ落ち込みが続くが、難しいところはない。スラブに挟まれた前日の遡行とはうって変わって、長閑な渓相の中のんびりと歩を進める。

長閑な渓相の右俣
5×5は簡単だが落口に家程ある大岩が乗っていて潜るように通過した

4M+6Mの二段の滝の上段が登れず右岸を高巻くと、先にも登れそうもない12M2段の滝が懸かるのでこれらもまとめて巻いた。

4M滝を登る この後に続く3つの滝は巻いた

しばらく行くと雪渓に埋まっており、奥の二俣を雪渓歩きで通過する。一旦雪渓は途切れるが、さらに急傾斜の雪渓が稜線近くまで続き、最後は正味15分ほどボサをかき分けてなだらかになった斜面を進むと登山道に出た。

最後は稜線付近まで雪渓が続いていた

登山道沿いにはつつじ、ヒメサユリ、イワカガミが見頃を迎えており、稜線を雲に覆われてはいるが飯豊連峰主稜線も一望できた。稜線付近は白い部分の方が多いくらいで、沢という沢はびっしりと雪渓に覆われていた。

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予定していた末沢下降は前日に予定地までたどり着けず、この日も遅れを取り戻せなかったのと、鈴木さんにはこの山域の下降は(遡行もだが)難しいと判断し、登山道を中田山崎へ下った。

同行者の記録

遡行図

山行最終日:2013年6月23日
メンバー:長島(L) 鈴木
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
22日:林道終点(8:20)-171M(10:25)-295M(12:00)-505M連瀑上部(15:10)-右俣滝上幕場(17:45)

23日:右俣滝上幕場(8:00)-登山道1080M付近(10:15)-大境山(10:25)-中田山崎BS(12:10)
地形図:安角・小国・朳差岳・長者原
報告者:長島

“沼川(右俣)” への3件の返信

  1. すみません。こちらの記録含め遡行図が全て 404 Not Foundになっています。
    興味がある沢がいくつかありますのでリンク修正していただけないでしょうか?

    1. 閲覧および報告いただきありがとうございます。
      初期に編集していた記録に記載したリンクが、サイト構築途上に変わってしまいリンク切れになっていました。ざっとですが修正したので、見れるようになったかと思います。

      1. 早速修正していただきありがとうございました。
        5年くらい前に遡行したときの恐怖が蘇りました(笑)

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