頼母木川あごく沢~大石川西俣大熊沢

天候に恵まれ、充実度五つ星の山行でした。
あごく沢は小さい沢だが滝の連続する明るい沢、大熊沢は下部から上部にかけて渓相の変化の大きいダイナミックな沢でした。

前の三連休は2日間出社し、なんとか確保した3連休。また、前日から出発できるよう金曜日も休みを確保した!!

天気予報も前週とうって変って良い。ふふふ、運命の女神が味方していると少し思い、夕方新潟へ旅立つ。

早めに出るつもりだったが、ぐちゅぐちゅしていると家を出るのが多くなり、東京駅につくと18時ごろ、週末のため、新幹線はすごく混んでいる。45分くらい並び、自由席で席を確保し、いざ新潟へ、翌朝は早いので酒は飲まず、本を読んで新幹線を堪能する。新潟21時着。駅前のホテルに入る。ホテルの前は怪しいガールズ・・・などがあり不謹慎にもそっちが気になってしまうが、明日の朝は早い!!ということで寝床につくべく自宅からなぜか持ってきた生のプルーンをむしゃむしゃとくい22時過ぎ就寝。寝つきが悪く、1時間くらいは寝れなかったが
いつの間にか寝ており、3つの目覚ましに起こされ4時起床、残りのプルーンを食べホテル前にて長島さんの車を待つ。

無事長島さんの車に乗り、新発田を越えて、飯豊の胎内側登山口へ向かう。1時間ちょっとで、胎内のセブン到着100円コーヒーを飲みおにぎりなどを仕入れ、胎内ヒュッテに到着。沢支度をしていると、駐車場で別の沢パーティの2名を見かける。
長島さんが声をかけると胎内川東俣本源沢に行くとのこと、普段岩登りもしてそうなクライマーの雰囲気の二人組であった。
そのまま、林道をあるき、足の松尾根登山口へいく1時間くらいで、登山口につき、登山道に入ってすぐの御用平を抜けすぐに左の足の松沢へ入渓。少し沢を降りると、あごく沢出合だ。あごく沢は地図で見た通り、それほど沢は大きくないが丹沢に比べると水量は多い。

入渓してすぐに沢はミニゴルジュ上になり、4,5mほど滝が連続する。このミニゴルジュ最後の5,6mほどの滝はザイルで確保してもらいあがる。
このあとはゴーロ。岩が花崗岩のため、明るい沢となる。ゴーロはすぐに終わり、最後まで5m程度の滝が延々と続く。
15m程度の大滝も一つあるが、いずれも登れるまたは簡単に巻ける。ただ、いくつか少し難しいポイントがあり簡単ではないので、楽しめる(登れる人がいないと楽しめないかも・・・)。

ザイルを出してもらったのは3箇所。1か所目はバンドが滝の落ち口までつづく8mほどの滝、難しくはないがバンド沿いに上がり最後は滝の落ち口に来るので少し高度感がある(普通の人はあんまり感じないかも)。次は7,8mほどの滝。一見簡単そうだが、2歩が難しく、フリーで取り付いたが蝉になり、長島さんにザイルを出してもらった。
そのまま登ったら、落ちていたこと必至なので、ザイルをお願いして良かった。3つ目は、5,6mで高さはないが取り付き、および上部が立っており
少しむずかしい。長島さんが空身で上がった後、セカンドで登ったが全然歯が立たず、腰を上げてもらいなんとか這い上がった。
いずれも巻くと登るより時間がかかり大変そうなので、巻かずに行けるかで時間が変わりそう(ただ巻く尾根はあまり遠くはない)。

最後は特に藪ごぎもなく、尾根にでる。ただ、尾根自体は藪藪で、展望は全くない。反対側の朴の木沢を下降するのだが展望がなく沢がどんなものか全くわからない。とにかく下ろうということで下り始めるが、地形図通り急こう配、灌木があったがしばらくするとなくなり、枯れ棚をクライムダウンで下るようになる、急こう配なので枯れ棚はホールドがあるがスラブに見えなくもない。
長島さんに下からホールドの箇所を指示してもらい、急な枯れ棚を慎重に下降していくと、1000m付近(900m付近かも)で30mほどの滝に当たった。
これは横の灌木、草付をトラバースして隣の枝沢へ巻き避ける。枝沢のスラブを慎重に下ると30m滝の下で本流に合流。これより下は斜滝が連続するものの傾斜はこれまでに比べゆるく、ひと安心。斜滝の連続する箇所を抜けると、長い花崗岩のゴーロ歩きとなり、足の裏が疲れる。当初は、大熊小屋で宿泊予定であったが、日が暮れてきたため、鉾立沢出合付近で寝ることにする。

鉾立沢は水量の多い沢で大石川西俣の本流より少し少ないだけで、本流なみの川。鉾立沢を降りたところに、2人が寝れるくらいの小さな砂地の河原があり、雨の心配がなさそうなので、水に近いが、これをテン場にする。
日は暮れかかっていたが、せっかくなので竿を出すと一匹イワナが釣れた。せっかくなのでたき火をすべく、たき火のスペース&枯れ木のある、鉾立沢出合いで夕食とする。夜は星が見える晴天であった。
21時までたき火に当たり、戻って就寝。翌朝5時に起きると、空は曇りで予想したほど寒くない。

 

ご飯を食べていると時折、雨が降ってくる。残念今日は雨なのかな。ただ、天気予報通りなら曇りか。
7時にテントを畳み西俣を下降開始。これまでのゴーロと打って変わり、ところどころ、ゴルジュとなっている。
これは下から遡行したら、増水時大変だろうな。と思いつつ下り、大熊沢につく(長島さんが以前夏に来た時はもっと水量が多かったとのこと)。
大熊沢は鉾立沢に比べると水量は少ない。大熊沢を登ると、一本丸太の橋に当たる。
橋の横をあるき沢を行くと、ゴルジュ上になっており、5m位の滝がかかっている、右を上がると、残置トラロープがあり、滝の落ち口上の右壁を簡単にトラバースできる。さらに進むとゴルジュに8mくらいの滝がかかっているが。これは左から巻く。降りるところにまたもロープが。このロープは沢の下部にしかなかったので、イワナのいる下部で釣りする人が設置したもののようだ。さらに進み滝を越えるとゴルジュは終わる。ゴルジュとともに魚影はなくなるので、イワナは下部にしか生息していない。

下部が終わると開けているが5mほどの滝がいくつかある。これらを長島さんはフリーで、私はところどころ、ザイルを出してもらい登る。
これらの滝を超え、ゴーロを歩くと2段20m位の滝が現れる(標高730m付近)。下部の8mくらいの滝は左壁を簡単に上がれる。上段はテラス沿いに上部に上がれるが最後は立っており、アブなそうなので左の草を簡単にまく。この滝を超えると花崗岩製の巨岩の多いボルダリングゴーロゾーンがながーくつづく。
このゴーロは、沢の等高線の狭まった標高960m地点まで続く。960m地点には何かあるかなと思っていたが近づくと右沢が岩の崩れたような15mほどの滝、正面は30mほどの大滝がならぶ迫力の光景だった。

尾根までは遠く、ぐずぐずの草付を20mほども上がるか、石の堆積した落石の宝庫のようなルンゼを上がるか、滝の右壁を登るか。
滝の右壁は登れそうに見えるが、高さがあり、実際登ってみてやっぱり無理となった場合、降りてこれるのか不安に思えたが長島さんが登るとのこと、ただほかの巻きより安全そうに見えた。
下部は右の大きく裾を開けたリッジを登る。中断が砂と草付になっている。ここを滝側にトラバースするとしっかりした岩の滝の上部右壁に取り付ける。意外にもしっかりした灌木が生えており、長島さんは2点ほど、灌木を支点として上がっていった。
セカンドで上がると、滝上部右壁は高さがあるので緊張したがホールドがしっかりしており、難しくはなかった。

大滝を超えていくとまたゴーロがあるがすぐに側壁が高くなり、ゴルジュとなる。ゴルジュ内には4,5mの滝が連続しており、なかなか手ごわそうだ。これらの小滝は主に花崗岩の側壁でトラバースしたりして越えていく。

滝が多く疲れて来たところでゴルジュ終了。側壁が低くなる。1210mで右から沢が入ってくる。本流は長いのでこの右沢で詰めるとのこと。
出合にある2段10mくらいの滝は左から小さく巻ける。その後は、岩が途切れず藪藪まで小滝の連続で、途中登山道に近い右俣でなく杁差岳山頂に
上がる左俣に入り、詰めあがった。最後は笹薮のところどころに灌木があるやぶ漕ぎで、疲れた。やぶ漕ぎを終えると山頂付近でそのまま山頂に3分くらいで上がり終了。目の前の小屋で遡行終了。山小屋は2人到着でほぼ満員状態。丁度良かった。翌日は、足の松尾根の登山道を下り、胎内側の登山口へ戻った。

今回、運に恵まれ今までで一番楽しい沢登りであった。また、いくつか飯豊の沢を登ってみたい。

山行最終日:2013年9月23日
メンバー:長島(L) 蔡
山域: 同行者の記録
山行形態:
コースタイム:
地形図:えぶり差岳・二王子岳
報告者:蔡