大日杉~飯豊本山(往復)

この日は、飯豊主稜線を源頭とする沢の残雪の様子を見ておこうと思って、大日杉と飯豊本山を往復することにした。
前夜、ニ王子スキー場から小国を経由して大日杉に到着して、車内で就寝した。今朝は5時半に行動を開始する。今回は個人山行なので、土井さんとは、はぐれたときの対応を打ち合わせて、同時刻に行動を開始した。

大日杉小屋の前から広葉樹の森の中へ続く登山道を歩き始める。地蔵岳まではひたすら単調な登りが続く。登り始めて間もなく長之助清水で水を汲む。少し足場は悪いが、登山道から20mくらいそれるだけなので、便利な水場だし、水も美味い。地蔵岳からはアップダウンを繰り返しながら切合小屋へ向かう。地蔵清水は雪の下で使えなかった。この支稜からは前方に広がる主脈の山がよく見渡せる。飯豊山の山腹にはまだだいぶ残雪が見られる。御坪付近では、ダケカンバが茂る落ち着いた平坦地が、心地よい休憩場所を提供してくれているように思える。切合小屋が近くなると、三箇所で御沢の源頭部の雪渓を渡る。三番目の雪渓は斜度が急なので、斜度が緩くなるところまで雪渓手前を登ってからトラバースした。雪渓を過ぎると間もなく切合小屋に到着する。

切合小屋付近

切合小屋には既に管理人が入っていて水が引かれていた。ここから本山までの間、花を見たり山腹や沢に残った雪を見ながら登った。前川は見渡す限り殆ど雪渓に覆われている。大又沢は比較的雪渓が少ないが、それでもかなり残っている。檜山沢も幅広の雪渓が中流部を埋め尽くしていた。登山道の周辺では、ニッコウキスゲ、ヨツバシオガマ、アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲ、アカモノ、チシマギキョウといったところが見頃で、ところどころにヒメサユリ、シラネアオイ、ゴゼンタチバナ、ショウジョウバカマが見られれた。チングルマ、タカネマツムシソウやウサギギクもわずかながら見ることができた。この間の行程では姥権現を挟んだ上り下りが急で、どちらに向かうにも少し苦労するが、一王子まで来ると一転してなだらかになる。本山小屋を過ぎて、緩やかに降り、そして登り返すと飯豊本山に着いた。

大又沢御沢源頭部を右手に見る草履塚付近

本山直下に広がるカール地形は大半が雪に覆われている。山頂到着直後にガスが濃くなってきて、ほとんど景色を見ることができなくなったので、早々に山頂を後にして来た道を戻る。

下山途中、一王子の水場を覗いてみたが、ここも地蔵清水同様に雪に埋まっていてまだ使えないようだ。切合小屋に引かれている水は少しぬるいような気がしたので、御沢の雪渓末端に流れ込む沢の水を汲んで、御坪付近のダケカンバが茂る平坦地で昼食を摂った。地蔵岳で切合小屋から引き返した土井さんに追いつき、この先の降りでもう一度長之助清水の水を飲んで大日杉へ下山した。

帰路は、葡萄沢から飯豊トンネルを潜って川入へ抜けようと思っていたが、この日はゲートが閉まっていて通行できなかった。仕方なく前来た時と同様に大峠道路で喜多方へ向かった。

山行最終日:2013年7月21日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰
山行形態: ハイキング
コースタイム:
大日杉(5:25)-地蔵岳(7:00)-切合小屋(8:45)-飯豊本山(10:20)-御坪(12:15-45)-地蔵岳(13:40)-大日杉(14:45)
地形図:飯豊山・大日岳・岩倉
報告者:長島