裏川(ササズキ沢~烏帽子沢~メッケ穴沢)

本来は前川より先に裏川流域を遡行するつもりでいたが、去年は膝に不安があったので、裏川に替えて少しでもアプローチやエスケープが容易な前川流域に取り組んだ。今年はようやく裏川流域に本腰を入れて取り組む。

 

10日(晴)

五十嵐家住宅は文化財でありながらも放置されて荒れ放題だ。そのすぐ近くにトイレも完備された大型車も停められる立派な駐車場がある。今回の山行はオンベ松尾根を降ってくるので、裏川堰堤の広場ではなくこの駐車場を起点に選んだ。車を停めると早速虻が寄ってくるが想像した程ではなく、前の週にアシ沢を訪れた時と大差ない。

駐車場から約一時間で裏川堰堤に着く。広場には車が一台停まっている。先行者がいるようだ。ここからブナ入ノ平まで山道を辿る。今回は二つ目の草叢の手前で一気に下降して河原に降りてみた。草叢を横切るより楽だったが、さすがに河原に降りると虻が煩い。沢通しには進めず何度か小さく巻いて要所口に着く。

大倉沢出合より200Mくらい下流の河原

ここから山道はかなり高度を上げるが、少し沢沿いに進み過ぎて山道に合流するのに手間取ってしまった。白蓬沢出合の少し先に裏川堰堤の車の主と思われる釣り師の姿があった。踏跡は所々不明瞭になるが、概ねトレースし続けてナゴ沢を横切る。

ナゴ沢の先はかなり不明瞭で藪漕ぎ同然の区間が多くなる。途中トンビマイタケのフェアリーリングを見るが、今回は惜しみつつも撮るだけにして通り過ぎる。

トンビマイタケの群生 一株も大きい

水無沢へ下降する際に蜂が巣を作っていた灌木に手を出そうとして左手と顎を刺された。水無沢で水を汲んだ後、なだらかなブナ林を歩いてオコナイ沢の200M程手前で行動終了。気持ち良いところだが、しばらくツェルトの入口を開けていたら虻と蚊が侵入していて撃退するのに手間取った。

 

11日(晴)

ここまで山道を辿ってきて本流の様子は時折垣間見た程度だったので、せめてオコナイ沢の出合くらいは見ておこうと思って、出合が見えるところまで往復する。出合付近は切り立った深いゴルジュの急流帯で、本流は12Mくらいの2段樋状の滝に続き8Mの滝を懸けてその先でゴルジュの合間へと視界から消えており、オコナイ沢は下降してきた斜面のすぐ脇に30Mくらいの滝を懸けている。どちらの滝もとても登れそうもなく、出合まで下降して取付こうという気にもならない。

オコナイ沢出合に懸る本流の滝

ザックをデポしたところまで登り返して、オコナイ沢の右岸枝沢(入り小沢)出合付近を目指してブナ林の斜面を少し登ったところから下降した。少し枝沢に入って斜度が緩い所でオコナイ沢右岸の斜面に取付く。本流に向けて斜度が緩そうな所を見定めてトラバースして、出合から最初の右岸枝沢(タツベイ沢)を正面に見るように下降を開始する。下降し始めてから幾分右寄りに進路修正して、枝沢出合よりも上流の標高530M付近に降り立つ。下流は串団子状に小釜が続くゴルジュで、上流は幾分開けてきているように見受けられる。

530M付近より下流の落込み

小滝を横目に過ぎるとしばらく河原が続く。両岸が切り立ってきて、瀞を泳ぐと右に屈曲するゴルジュが続く。ゴルジュの入口は少し流れが速い深場でもあり、右岸が比較的取付きやすそうだったので、高巻くことにする。ゴルジュが右折した先には4Mくらいの滝が懸っていたが、見える限りはそれ程険しくはなさそうだった。しかし、ゴルジュは深く切り立っていてなかなか下降点が見つからない。大きく巻いて小尾根を下降していくと、直下には覆い被さるような壁の下に落ちていく滝が見え、その上流も滝と釜が続いている。さらに上流側にトラバースしてゴーロの枝沢の出合にに懸垂下降する。出合直下には15Mくらいの滝が懸っていた。この15M滝がコウゲ滝と呼ばれているもののようだ。

高巻き後は短い間だが河原が続く
手前の瀞の右壁沿いを泳ぐ
先はゴルジュとなって屈曲している
下降していくと穴の中に落ちていくような滝が見えた
コウゲ滝の先の河原
足下のコウゲ滝

ここから左岸の小尾根を辿って行けばそれ程苦労せずに矢沢出合に下降できそうなので、天狗橋を見に往復してみる。途中二カ所にテラスがあって、一方には焚火跡があった。ほぼ尾根の末端にくると矢沢側に下降でき、ちょうど天狗橋の大岩が挟まっている所に出た。天狗橋の真下には2M位の滝が懸っていて、上流は右壁が覆い被さる深く狭隘なゴルジュが続いている。

天狗橋 たぶんハイエースより大きい
天狗橋の真下に懸る滝
矢沢出合の先のゴルジュ

下降した枝沢出合から先しばらく河原が続く。広河原と言えるほどに開けた後両岸が切り立ってくると、左に傾いた節理に二段の滝を懸ける三杯汁沢を分ける。

河原が広くなった先で谷が狭まる
両岸切り立ってきた
左傾した節理に2段の滝を懸ける三杯汁沢

幾分狭まった谷の遡行を続けるとちょっとした深場の先で谷が右折して、屈曲点に二段の滝を懸けて烏帽子沢が出合う。

三杯汁沢出合からもゴルジュが続く
深場の先の屈曲点に滝が見えてきた
10Mと5Mの滝を懸けて出合う烏帽子沢

烏帽子沢出合からは次第に開けてきて、幾つかの小滝と8×20の斜瀑を越えると広河原になる。河原の中でササズキ沢が真ん中の流れがY字形をした5M3条の滝を懸けて出合っている。

烏帽子沢出合から上流
8×20Mの斜瀑
広河原
ササズキ沢の3条の滝

ササズキ沢を20~30Mくらい遡行したところにちょっとした砂地を見つけてツェルトを張った。流木も程々にあって労せずに薪が集まったので、焚火もできて快適な一夜となった。

快適な砂地

 

12日(晴)

幕場を引き払うと、沢は左へカーブして左岸には大小二つのスノーブロックが残っていて、細い枝沢が三本入っている。次いで左壁に隠れていた10M滝が見えてくる。左岸の枝沢を登ったところから草付をトラバースして落口に出ると、ゴルジュに小滝が連なり、奥にかなりの落差がありそうな滝の一部が見える。

円形に開けた空間に10M滝が懸る
左岸ルンゼから草付をトラバースして10M滝を巻く
高巻いた先の渓相 奥に落差のありそうな滝の一部が見える

ゴルジュに連なる小滝を楽しく越えていくと、半円筒状の壁に囲まれた空間に少し左に向きを変えて18Mの滝が懸っている。下部は垂壁で上部はのっぺりしたスラブの白っぽい岩壁に懸る一条の端正な滝だ。右も左も取り付けそうもなく、手前左岸から円筒状の空間を半周するように巻いて落口に立った。

半円筒状の壁に囲まれた18M白い壁の滝

しばらく河原が続いて左岸にハングした雪壁が見えてくると、すぐ先でスノーブロックに沢が塞がれている。左岸に薄くなったスノーブリッジが残る枝沢が分かれ、本流は15M滝を含めて5本の滝が連なる連瀑となっている。ここも枝沢を登って草付と灌木帯をトラバースして連瀑の最上段に懸る8M滝の落口に出た。

ハングした雪壁
雪渓の先の連瀑
高巻きから降り立った8M滝の落口

6Mの滝を登った後に続く深い釜の2M滝を左から巻きにかかると、先に雪渓が見えてくる。雪渓の下部を覗きこむと出口付近に滝が懸っているようだったので、高度を上げて雪渓の先まで巻いていこうとすると、雪渓の先には下部が二又に分かれた50Mくらいの滝が見えてきた。どうやら地形図に記されている滝のようだ。落口の先には雪渓が見えており、地形の上からも雪渓の辺りを目指すのがよさそうなので、かなりの大高巻きになる。2時間近い高巻きの末に50M滝の上流に架かる雪渓に降り立った。

50M滝 落口の先には雪渓が架かっている

雪渓は途中で左岸に枝沢を分けた後間もなく途切れる。雪渓の先には8M、4M2段の滝が続いているのが見えるが、雪渓下にも滝が懸っているようだった。運よく末端から左岸斜面に取り付けたのでそのまま二つの滝を巻いてその上流の雪渓に降りようとするが、すぐに滝を挟んだ先に次の雪渓が見えてきたのでトラバースを続ける。途中で昼食を摂って懸垂2Pで雪渓に降り立つが、またしても大高巻きになってしまった。

雪渓は左斜面に隠れている辺りまで続く

今度の雪渓は1120M三俣辺りまで続く。本流は右俣と見られるが、烏帽子沢へ向かうために左俣を目指す。左俣は水量は極僅かだが、雪渓末端から三つの滝を連ねている。左俣の左岸の泥が乗った草付スラブに乗り移って、この悪い斜面を灌木帯まで登ったところから懸垂で沢に降りた。

右俣はすぐに二手に分かれる
左沢に懸垂下降した地点から見下ろす出合方面

しばらくは急だが平凡な沢で、5M、2M、3Mの滝を過ぎると両岸が切り立ってきて、10Mの悪相の滝で袋小路となる。空身で滝にとりついてみるが、ホールドになりそうなところは脆く、それ以外はかなり外傾しているのでクライムダウンして引き返した。左側のバンドが断続するスラブを登って荷揚げをしてゴルジュを抜ける。

左俣は水量が少なく平凡
唯一の悪場10M枯棚
空身で左側壁を登ってゴルジュを脱した

その先はほとんど水流はなく、遠目には左に傾いた凹角のように見える。ここを詰め上がって尾根に出た時は既に17:00となっており、稜線上に泊まらざるを得なくなっていた。

左壁を登った位置から見上げる源頭部

稜線は低灌木に笹が混じる藪で、ハゲ地でもない限りツェルトを被って藪に没する他なさそうだったが、幸いにもマグソ穴峰のピーク付近に僅かに傾いてはいるがツェルトを張れるだけのハゲ地があった。なかなか快適な幕場だったが、湿った風が吹きつけていたせいで翌朝撤収するときはツェルトが露でびっしょり濡れていた。

マグソ穴峰付近は藪尾根だった
ピーク付近のハゲ地

 

13日(晴)

幕場を後にすると、すぐにササズキ沢と烏帽子沢を分ける尾根を分けて烏帽子山へ向かう尾根を降る。小さなピークの手前の擂鉢状の斜面を下降して、その末端から懸垂で直下に広がる烏帽子沢源頭の広大なブッシュ混じりの草付スラブに降り立つ。途中から水流のない窪を下降する。対岸の烏帽子山北峰に端を発する左沢が本流のように見えるが、水量の点ではその東側のコルから流下する短い中央の谷が本流のようだ。下降している窪が合流する僅かに上流から雪渓となっていたので、下降点を見繕うために見通しが良いところを求めてスラブをトラバースする。結局斜度が緩くなった1100M付近を下降して懸垂で雪渓の上に降りた。

擂鉢状の斜面から沢へ向かって下降した
北峰に刻まれる左沢
下降しているスラブの下の雪渓
雪渓に降り立った地点から上流を望む

しばらくの雪渓歩きの後に雪渓が切れる。すぐに三つの小滝を過ぎ、4M-6Mと続く滝は埋まった流木を支点に懸垂下降する。

しばらく雪渓歩きとなる
懸垂下降した4M(奥)と6×4(手前)の滝

さらに5Mくらいの滝が二本続くが、その先で深く切れ込んだゴルジュに雪渓が架かっているので、右岸を巻いていく。草付を登っていくと左上方が尾根状になっているのが分かったので、尾根を目指して斜上する。尾根に乗って下降していくと1000Mの二俣に続いており、末端付近を雪渓が架かっていない左俣の方へ懸垂下降した。

5M滝より下流側
尾根になっていそうな雰囲気

二俣で雪渓に乗って下降するとすぐに途切れる。途切れた先に次の雪渓が見えているが、すぐに左へ屈曲していてその先どうなっているのかが見えない。左岸に乗り移って少し急なブッシュ帯をトラバースする。ここでも下降点を見繕いながらトラバースを続けて、一本枝沢をまたいで次の枝沢の手前の840M付近で懸垂下降して雪渓に降り立った。降りてみれば何のことはなく、屈曲する前からずっと雪渓は続いており、最短で巻きを切り上げて降りてしまっても全く問題はなかった。

二俣で乗った雪渓がすぐに途切れる
雪渓の様子を窺うべく左岸をトラバース

雪渓は大きな起伏を繰り返し、沢を下降しているのに登り返しがある。しばらく雪渓歩きが続いて、780M左岸枝沢のマグソ穴沢が滝を懸けて出合う手前で途切れていた。

大きな起伏を繰り返す雪渓
マグソ穴沢の25M滝

枝沢を過ぎるとすぐに次の雪渓で、ナイフリッジのような稜がある。長さにして20M程だが、どちらに落ちても落差があるので気が抜けない。この雪渓も間もなく途切れ、もう一つ短い雪渓を乗り越えると浅い小釜が連なる流れが顕になる。右岸に7M滝を懸けて出合う枝沢を過ぎると、間もなく出合の2段の滝の落口に辿り着いた。

雪渓上のナイフリッジ
ようやく沢歩きとなる 雪渓が続いたため透明度は低い
出合に懸る10M滝の落口

左岸の立派な樹木の幹を支点に懸垂で本流に降り立ち、一昨日遡行したルートを辿る。ササズキ沢出合の手前から河原が続き、出合を過ぎると巨石のゴーロ帯となる。出合から40~50Mのところに石交じりの砂地を見つけて、これを整地してツェルトを張った。やはり砂地は快適だ。干し物をしながら自身も陽にあたって日暮れまでゆったりと過ごす。

巨石ゴーロ帯の中の希少な砂地

 

14日(曇時々晴)

朝食の準備の際に火を使った場所がツェルトに近すぎて穴をあけてしまった。スリーピングマット用の補修パッチをあてて応急処置をしたが、山行後にちゃんと塞いでおかなければならない。ちょっとした不注意から余計な時間を使ってしまった。

幕場からすぐにゴーロの谷は左に折れる。ちょっとした滝が懸っているが絡むことなく流れの脇を登る。

遡行開始直後のゴーロ

右に折れると斜瀑とその奥に直瀑が懸っている。右壁を登り始めるが登るにつれて窮屈になってきて、途中でブッシュ帯に逃げ込んだ。ブッシュ帯から巻いていくと直瀑の先にさらに20M3段の滝が見えてくる。上部はスラブだが下部は立っていて全体にすべすべの岩肌で登れそうもないのでまとめて巻くことにする。巻き始めてからの位置からでは20M滝の落口付近の左岸の様子が見極められず、既に左岸の尾根に乗りつつあるので、下降しやすいところまで尾根を伝っていくことにする。完全に尾根に乗ると踏跡が続いており、少々踏跡を辿りすぎてしまったので940Mの枝沢出合付近に下降した。下降地点は下流側の小釜が連なるゴルジュと上流側の河原の境目だった。

10×15斜瀑
12M直瀑
白いスベスベの岩肌を滑り落ちる20M3段の滝
高巻きから降りてきた地点より下流側

少し河原を歩くと両門の滝となって本流と枝沢が一つの釜に水流を注いでいる。右岸の傾斜の緩い草付を登ってからブッシュ帯と草付の境目付近をトラバースして出合の滝を巻く。

両門の滝
右岸を小さく巻いて落口に立った

幾つかの釜を浸かったり巻いていくと、ちょっと開けた感じの斜面に挟まれて雪渓が架かっている。雪渓の奥行は30Mくらいだったので潜り抜けようとしたところ、出口付近に滝が懸っていそうだったので引き返して雪渓と右岸側壁の境目を登る。雪渓の先には5M前後の滝が連なり、切り立った狭隘なゴルジュへと続いていた。

開けた斜面に架かる雪渓
雪渓の上流側は滝を連ねてゴルジュの合間に消えている

滝も登れそうもないので、そのまま右岸をブッシュ帯まで登っていくが、下降に適した斜面を見いだせないまま尾根まで追い上げられる。ゴルジュの先には50Mくらいの落差がありそうな大きな滝が見えてきたので、一気にその滝の上まで巻くことにして尾根を辿る。尾根を辿るうちに、先に見えていた滝の下流にも30Mくらいの滝が懸っていることが分かった。50M滝の落口よりも高度を上げてから緩い樹林の斜面を降って滝上に降り立つ。飯豊連峰大地図と照合すると、この50Mと30Mの滝を併せて大日滝というらしい。

大日滝下段30M(?)
大日滝上段50M
高巻いて落口に出た

浅くなった谷の中、いくつかの小滝を越えると落差の少ない真っ直ぐな流れになる。短いゴルジュの瀞の左をへつって3M滝を越えると、ゴルジュの末端を塞ぐように「く」の字状の5M2段の滝が懸るが、右に折り返すように張り出している緩い小リッジを登って小さく巻いた。小ゴルジュを抜けた後は河原になり次第に開けてくる。正面に河原から10Mくらいの小さなピークを見て右左に屈曲するとキンカ穴沢出合である。

大日滝を過ぎると谷はだいぶ浅くなる
ミニゴルジュの瀞と3M滝
だんだん河原が広くなってくる
キンカ穴沢出合
キンカ穴沢

出合の先はV字谷となっており、しばらく真っ直ぐに進んだ後屈曲を繰り返すと滝場に差し掛かる。たかだか5Mくらいの難しくない滝が続いた後、10M滝となる。10Mの左壁を登っていくと、落口の先にこれまでのゴルジュと一転して開けた光景が目に飛び込んでくる。左岸にイタドリの台地が見られる広大な河原が1350M付近まで続いている。

キンカ穴沢出合の先のV字谷
滝場に懸る4M2条の滝
滝場の最後に懸る10M滝
10M滝左壁を登っていくと一気に目の前が開ける
1350M付近まで続く広大な河原

広河原の末端の4M滝を越えると、幅広のV字谷となって4M2条の滝に2M弱の滝が二つ連なる連瀑の先に雪渓が架かっていた。連瀑の手前で左岸の小ルンゼを登ってブッシュ帯と草付スラブの境目をトラバースする。雪渓は左岸下流側が30Mくらい崩壊しており、想定よりも長くトラバースさせられたが、なかなか立派なブッシュがあったため捨て縄を使わずに懸垂2Pで雪渓上に降りることができた。雪渓は1500M付近まで続き、末端で右岸に降りると小滝3本が続いた直後に(3:2)の二俣となる。

4M2条とそれに続く小滝、奥には雪渓
雪渓の下流左岸側は崩壊していた
1500M付近まで雪渓上を歩く

水量の多い左俣へ進む。出合の3段のスラブ滝をはじめいくつか5M前後の簡単な滝を越えて、1750M付近の湧水帯でほぼ水が涸れる。湧水帯付近で奥の二俣となっているがいずれもほとんど水流がないため、早く尾根に出られそうな左の窪を登る。途中笹藪を漕ぐところもあったが、並行する窪を繋いでいくとボサをかき分ける程度で済み、尾根付近には草原が広がっていたため思ったより楽に稜線に出ることができた。

左俣と右俣が滝を懸けて出合う二俣
左俣と右沢の間のスラブに咲くニッコウキスゲ
沢沿に咲くシナノキンバイ
1650M付近 右側の流れは恐らく湧水
尾根上の草原

南風が強く吹き付けていたので、尾根の北側を辿って薬師岳を目指す。草原の中に雪田が広がっていて一気に距離を稼げた。薬師岳に出れば地形図には道記号が記されているので加速できると目論んでいたが、これは大外れ。薬師岳から西大日岳までの稜線はハイマツを主体する手ごわい藪が続き、たかだか300~400Mを進むのにも随分苦労した。

雪田の際は歩きやすく歩が捗る
アオノツガザクラ
遅咲きのチングルマ
雪田が残っていたせいだろう
あると嬉しい美味しいクロマメノキ

西大日岳からは踏跡があるが、日没が迫ってきた。風が当たらない平坦地を探しながら進むが、タイムアウト。暗くなってきて道をトレースするのも辛くなってきた上に、風に煽られて真っ直ぐ歩けなくなってきたので、適当な稜線北側の比較的傾斜が緩い窪地でビバークすることにした。風が強くツェルトを張ることができないため、ツェルトを被って内部を銀マットで覆って空間を確保して窪地に張り付くように一夜を過ごした。

西大日岳の三角点標石

 

15日(曇のち晴)

朝方は風がだいぶ弱まり、登山道を歩く分には何の問題もなくなっていた。歩き始めると、ビバーク地点は大日岳まで10分程度の所であることが分かった。早川のつきあげを過ぎたあたりから次第に晴れてきたが、幸い猛暑という程には暑くならなかった。アシ沢徒渉点は予想に反して虻がいない。林道では虻が付き纏ってきたが、予想ほどには多くなく、減少に転じているようにも思えた。

早川のつきあげを過ぎた辺りで晴れ間が出てきた
アシ沢出合

遡行図:オコナイ沢出合~コウゲ沢ササズキ沢烏帽子沢メッケ穴沢


山行最終日:2019年8月15日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
10日:五十嵐家住宅付近駐車場(8:00)-裏川堰堤(9:00)-要所口(10:10)-ナゴ沢(12:10/12:35)-水無沢(15:30)-C1=ブナ入ノ平(17:00)
11日:C1(6:00)-オコナイ沢出合の滝見物往復(7:00)-オコナイ沢右岸枝沢出合(7:20)-本流530M付近(9:10)-コウゲ滝落口(11:30/12:00)-矢沢出合付近見物往復(13:00)-三杯汁沢出合(14:00)-烏帽子沢出合(15:50)-C2=ササズキ沢770M付近(16:30)
12日:C2(6:20)-900M付近(8:30)-950M付近(10:45)-1050M付近左岸斜面(11:45/12:15)-1125M右岸枝沢(14:45)-稜線(17:00)-C3=マグソ穴峰(17:20)
13日:C3(6:25)-草付スラブ(6:50)-1100M付近(8:15)-870M左岸枝沢横断(11:45/12:10)-出合(14:40)-C4=780M付近
14日:C4(6:05)-キンカ穴沢出合(12:00)-1350M付近(13:00/13:35)-1550M二俣(15:10)-稜線(16:30)-C5=西大日岳と大日岳の中間点(19:15)
15日:C5(5:10)-大日岳(5:20)-早川のつきあげ(6:35)-登山口(8:50)-駐車場(11:25)
地形図:蒜場山・大日岳
報告者:長島

3 Replies to “裏川(ササズキ沢~烏帽子沢~メッケ穴沢)”

  1. 素晴らしい記録ですね。
    8/14-17で裏川矢沢を遡行した際に、本流の砂地に足跡があったので気になっていました。
    これからも記録楽しみにしています。

  2. ありがとうございます。
    雪渓の状態はどうでしたか?
    本来は下山時に登山道から様子を見るつもりでいましたが、ガスで視界が効きませんでした。

    1. 持場沢を過ぎてゴーロ帯が終わるところから1400mあたりまで雪渓が断続的にありました。
      最後の方の1300mあたりからの雪渓は不安定で、もうすぐ崩れそうな感じ。そこまでは比較的安定していましたが、側壁の状況、シュルンドの開き具合によっては、雪渓の上り下りに少し苦労するものもありました。

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