鱒谷沢~西俣川485M左岸支流(下降)~コツブリ沢左俣~鳥坂沢(下降)

本来は楢ノ木沢堂沢に入る予定だったが、前日から明け方までの雨で増水していたため予備ルートとして計画した胎内川と西俣川の支流を遡下行した。

24日:

鱒谷沢に架かる「益谷橋」の左岸側に車一台ほどのスペースがあるので、そこに車を停めて、ブッシュの茂る斜面を下降して入渓した。沢に降りるところは岩壁となっていて5Mのクライムダウンとなったが問題ない。ほぼ橋の下まで堰き止められた本流の濁った水が迫っていた。鱒谷沢の流れも雨の影響が残り幾分濁っていたが、水量はほぼ平水に戻っていた。

入渓点付近の鱒谷沢の渓相

出合から340Mあたりまでゴルジュが続き、平凡な瀬に所々小滝が懸かる。330M付近で屈曲を繰り返し3M5M4Mの滝が懸かり、このうち5M滝を巻いて懸垂で降りた以外には問題になるところは無かった。一旦やや開けてブナ林を左手に見上げ、小滝の前につっかえている丸太を潜り、短いゴルジュを抜けると谷が開けてきて河原歩きとなる。二つの連続する小滝を越えると465Mの二俣となり、(1:1)の流れを右に進む。

7M滝の左壁を登る

右に枝沢を分けると7M滝が現れ、高巻きはちょっと面倒そうだ。両岸とも登れそうだが、ブッシュに隠れた部分がある右側よりも全体が見通せる左壁を登った。剥がれる岩にだけ気をつければ、傾斜のないスタンスが得られるので難しい登攀ではない。上部には2M滝が続き、今度は右壁を登った。左に枝沢を分け、連続する2M滝二つを越えると590M奥の二俣に至る。

水量は(3:2)で左沢が勝っている。一旦左に入るも、向きがおかしいように思えたので、引き返して右沢に入ったが、やはり元のルートが正しそうなので、再び左沢に入りなおした。迷走して時間を食ってしまったので、奥の二俣で昼食休憩を摂った。

右俣左沢を遡行する

左沢は3M前後の滝がいくつか出てくるものの、難しいところは無く、詰めはブッシュを掴みながら幾分急な斜面を登っていくと大谷越に出た。大谷越と地名は付けられているものの、何もない藪に覆われた稜線であった。

大谷越からは485Mで西俣川に流れ込む支流を降る。高度差は鱒谷沢の右俣と同程度で、水平距離は約1km程度の小さな沢だ。

潅木生い茂る斜面を潅木を掴みながら下降していくと、やがて水流のない窪に行き当たる。この窪を下っていくと左岸から流れてくる水流に合流した。右岸から水量の少ない窪を二本合わせると2M小滝が懸かる。そこからさらに降って、小滝をやり過ごした後の落差不明(確認しなかった)の滝と3M8Mの連続する滝をまとめて左岸から巻いた。懸垂で降りてしまいたいところだが、捨て縄なしでは適当な支点が見当たらないので仕方がない。やはり横向きに生える潅木を掴んだりまたいだり潜ったりと、降りといえども楽な巻きではない。

滝を巻いて沢に降りたところから3M滝を二つ降ったところで(1:3)で左岸から枝沢を併せる。ここでは枝沢も滝を懸けて出合っている。その後すぐに5M滝が懸かるがクライムダウンできず、また支点も得られないため右岸を巻く。下降点を探しながら、続く滝(落差確認せず)もまとめて巻いて、右岸からの枝沢に降りた。640M付近である。

580Mあたりから間隔をあけて5M5M8M2段の滝が懸かり、最初の5Mは下向きに生える潅木に捨て縄で、次の5Mは丸太(流木)に、最後の8M2段は潅木にそれぞれ支点をとって懸垂下降した。斜度が落ちてきて、樹林に覆われた河原を歩くと、間もなく西俣川に合流した。短い沢だが、高巻きや懸垂が続き以外に時間がかかってしまった。

西俣川本流を下降する

本流は穏やかな河原が続き、河原歩きとなる。幕場に適した場所があれば行動を終了してもよいと考えていたが、手頃な平坦地は見当たらなかった。鉾立沢を過ぎ、410Mで左岸から滝となって流れ込む支流2本を過ぎたあたりから、所々沢幅が圧縮され、釜を持った小滝がいくつか現れる。小滝といえどもそれなりの水量なので、結構な水圧である。水流に乗って釜に飛び込んでしまえば、効率よく下降できそうだが、日も暮れかけてきたため、へつれるところはへつって降る。それでも何箇所かは腰上あたりまで水に浸かるところがあった。大熊沢を併せるとコツブリ沢出合までは右岸にゴーロが続く。

コツブリ沢は以前遡行しているので、大体様子は分かっているが、問題は幕場適地があるかだ。出合からはゴルジュとなるが長くはない。すぐに右に折れると6M滝が懸かり、左岸に残地ロープが垂れているところを登れば簡単に高巻ける。これでゴルジュは終わりで、あとは幕場を探しながら水量の少ない瀬を歩いて、415M付近に水面からの高さはあまりないものの平坦で大石の少ない河原を見つけて幕場とした。

幕場にしたコツブリ沢の小河原

整地をしてテントを張った後に、大きな倒木の周りに流木が集まったところをそのまま焚き火に利用して火を起こした。

25日:

翌日、幕場からはしばらくは平凡な沢歩きが二俣まで続く。地形図では500M手前で左岸に枝沢がありそうだが、実際にはここに水流は無い。前回はここに枝沢があると思って、右俣を500M過ぎの枝沢と見做して左俣に入ってしまったことが分かった。

コツブリ沢の4M滝

二俣は(3:2)で左俣が水量で勝っている。2M4Mの滝を越すと左に枝沢を分け、右手に岸壁を見ながら左へ曲がっていく。2M滝を越え、右俣との距離を縮めていくと、続けて左に2(1:2)で流れを分けると、細々とした流れとなり、(1:1)(1:1)と水を分けていくが、まもなく湧水となって水流は途絶える。745M付近である。

コツブリ沢を振り返る

そこからしばらく急峻な窪を辿っていくと、やがて窪は消え、潅木まばらな急斜面を潅木伝いに攀じ登る。この沢の源頭部で一番急なところにきてしまったらしい。斜度が落ちてきたと思うと、コツブリ沢右俣と左俣を分ける尾根から派生する小尾根に出た。

鳥坂峰山頂にあった人工物

そこから右俣左俣の中間尾根に上り詰め、さらに北上すると鳥坂峰への登山道(廃道)に出た。登山道はボサはかぶるものの踏み後は一部を除いて明瞭で、忠実に辿っていくと山頂にたどり着く。山頂には得体の知れない赤錆色に塗られた金属の人工物が設置してあった。

鳥坂峰から西に向かって下降する。鳥坂峰西斜面はブナ林が続き、傾斜はあるが落ち着いて明るい雰囲気の心地よい斜面となっている。高度差約100M降ったところで窪ができ始める。

窪に入って間もなく左からもっと広い窪を併せると、4M枯棚があり、右岸の斜面から露出した木の根にロープを通して懸垂で降りた。そこからわずかに降ったところで小さな水流を併せるとともに湧水が出ており、水分補給を兼ねて休憩を取った。

左岸を巻いた7M滝

小滝を二つ降り、3M滝を左岸の紅葉の若木を掴んで降りるが、次の7M滝は左岸を巻いた。しばらく河原が続くと右岸から(4:1)の枝沢を合わせる。

その後すぐに6Mの滝が懸かり、その下にも滝が見える。この滝の左岸の壁から下の滝の落ち口に乗っている大木の根の間に細引きが渡されていたが、これが何のためのものかは分からなかった。少し戻って左岸を巻いて、横向きに伸びる太さ15cmくらいの紅葉の幹にロープをかけて懸垂下降で沢に降りた。

水流を浴びながら連瀑を懸垂下降
懸垂下降した連瀑でロープを回収

再び平凡な流れが続くが、470Mあたりから小規模なゴルジュが断続して、その中に小滝が懸かる。ボルダリング感覚でクライムダウンして二つのゴルジュを下降すると、次は小滝と釜が連続し、腰まで水に浸かりながら小滝を降っていく。最後の二つの滝は落差があり、クライムダウンも少し難しそうだったが、幸いにして大きな流木が壁にもたれかかっていたので、これを支点にして二つの滝(5M4M)をまとめて懸垂下降した。下から見てみるとなんとか登れそうな滝だった。

橋が見えてきた 両岸急峻でどこから上がるかが問題

このゴルジュを過ぎると沢には難所ななく、3M滝を過ぎ、ややゴルジュっぽくなったところに連続する小滝を過ぎると、谷が開けて前方に橋が見えてくる。谷は開けたが両岸は極めて急峻である。結局、左岸の露岩と草つきの境界付近を登って潅木を掴み、壁際のバンドに乗ってトラバースして道路間近の潅木帯に辿り着き、横向きに伸びる木々の間を縫って橋の袂に出た。ここから隣の益谷橋へは10分で着いた。

 

同行者の記録

遡行図:鱒谷沢・鳥坂沢西俣川無名沢~本流~コツブリ沢


山行最終日:2013年8月25日
メンバー:長島(L) 伊地知
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
24日:益谷橋(8:40)-鱒谷沢入渓(8:50)-鱒谷沢右俣(10:40)-大谷越(13:50)-西俣川出合(16:05)-鉾立沢出合(16:40)-大熊沢出合(17:25)-こつぶり沢出合(17:35)-標高415M付近(18:00)
25日:標高415M付近(7:15)-鳥坂峰(10:00)-鳥坂橋下(14:00)-鳥坂橋(14:25)-益谷橋(14:35)
地形図:えぶり差岳
報告者:長島

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