頼母木川あごく沢~大石川西俣川朴ノ木沢・大熊沢

今回は足ノ松沢支流のアゴク沢をメインに、大石川西俣川流域の朴ノ木沢下降~大熊沢へと繋いだ。アゴク沢は6月から計画を出しては先延ばしにしていたものの、かなり気になっていた沢だ。

21日:

アゴク沢出合

御用平で登山道から左に逸れていく踏跡を辿って足ノ松沢に入渓する。そこから河原が断続する沢を3分程下降するとアゴク沢出合だ。

8M滝左壁を登る

アゴク沢は穏やかな瀬で出合っているが、次第にゴルジュの渓相となる。深いゴルジュではなく、手を伸ばせば届きそうなところまで樹林帯となっているので圧迫感はない。最初の滝は半円筒状の壁の4M滝である。左壁を登ったが、少し手前から小さく巻くこともできる。次は釜を持った8M滝で、空身でロープを引いて左壁を登って荷揚げし、後続を確保した。標高490Mあたりまで低いゴルジュが続き、ゴルジュを抜けると河原となる。

「人」の字形の8M滝

550Mあたりまでは小滝が懸かる程度で難しいところはない。500Mで左に(1:3)で枝沢を、550Mで左に小さな枝沢を分けて、いくつかの小滝を越えていくと8Mの「人」字形の滝が懸かる。水流の左際を登ると上部にナメが続いている。小滝と釜を過ぎると河原が続き、20Mの小滝の連瀑を登りきると左からナメの美しい枝沢が入っている。

カーブを描く20M4段の滝

本流には釜を持った5M滝が懸かり、左側から釜を回り込むように登ると、すぐに左にカーブを描いて4段20Mの滝となる。下段は基部が立っており落口に近づくほど斜度が落ちている。右壁のやや水流から離れたところに取付き、次第に水流寄りへと登って、落口で水流を跨いで上部の3M、4M、1Mは左側を登った。

8M2条の滝の右側をつっぱりで登る

右に小さな枝沢を分けたあと、2M2条、2M、4×8、8M斜瀑と続き、今度は左に小さな枝沢を分ける。ここからアゴク沢の核心が始まる。8M2条の滝は左の水流が多く右はチムニー状となっており、右側をツッパリで越えた。

10M滝右壁のバンド

3MCSを越えると、12Mの浅い樋状の滝だがホールドが乏しいため右岸を小さく巻いた。続く8M、1.5Mは問題ないが、次の釜を持った8M滝ではシャワーを浴びながら登った。すぐさま10Mの滝が続き、草に隠れ気味だが手頃な段差でバンドが断続する右壁を巻き気味に斜上して落口に出た。

15M滝左壁のスラブを登る

6MCSを左から登ると短い河原となって左に枝沢を分ける。3M2段、左にカーブしながら続いている4M、6×8を右から登り、15M滝は左壁寄りのスラブ状をロープを引いて登り後続を確保した。ホールドは若干手に掛かりにくいものの適度な間隔で得られるが、中盤に一箇所立ちこむ際にバランスをとりづらいところがあった。

フラットな壁の8M滝

8×10、5×8電光形の斜瀑と2M滝を登ると再び河原となる。855Mで左にカーブするところで右側に(3:2)で枝沢を分けて、4M2段の滝を登ると8Mのフラットな壁の滝が懸かる。上部にブッシュに隠れて見通せないところがあるものの、左壁にしっかりしたスタンスが並んでいるので、ロープを引いて登った。7M、6M、5Mの簡単な滝を越えると、950Mで左から入る枝沢と本流とがそれぞれ8Mと6Mの滝を懸けて出合う。

20M滝

6M滝は段を積み上げたような滝で、左側を登り、次の6Mは左右どちらも登れるが右側を登った。ここから視界に大きな落差の滝が見えてくる。4Mの斜瀑を過ぎると、2条水流が途中で合さって落ちてくる20M滝が懸かる。両岸ともかなり厳しそうなので、やや手前でブッシュに取付き右岸を小さく巻いた。滝上はナメとなり、釜を持った7Mの滝を越えると源頭の雰囲気となってくる。

3M~6Mの滝をいくつか越えていくと(3:2)で右に枝沢を分け、イタドリが流れに覆いかぶさってきて少し煩い。流れを忠実に辿ると、一旦開けた湿地帯に出て、尚も先に続く窪を辿ると、そのまま稜線を乗越して朴ノ木沢へと続いていた。

しばらくは窪に沿って下降するがかなりの斜度があり、枯棚が連続しているといってもいいほどである。ブッシュを掴みながらクライムダウンを続け、2度目の窪の合流でどうやら本流と見られる沢形に出た。

顕著な滝はないが急峻な流れが続く朴ノ木沢上流部

しかし斜度はまだまだ急で、時折ブッシュを掴んでナメ状の沢を下降していく。1090M付近で12M滝が懸っているが、クライムダウンできる簡単な滝で助かった。次の25Mは高度があるため、左岸のブッシュ帯から枝沢にトラバースして、左岸壁が立っているスラブ状の枝沢を下降すると、ゴーロとなって本流に合流した。

朴ノ木沢下流部を快適に下降する

ゴーロの河原を下降し、5M滝をクライムダウンすると、湧水帯となり右岸のいたるところから湧水が流れ込んでくる。ゴーロは一旦途絶えてスラブ状の岩盤上に4M、7M、5M、7M2段、4M、4Mの滝が断続するが、どれもクライムダウンしたり、右側か左側が歩ける程度の滝で問題ない。再びゴーロとなり斜度を落として右にカーブすると8M、4M、5Mの滝が懸かるが、いずれも左岸を歩いて通過した。

沢が左にカーブし始めると右岸から(3:1)で枝沢を合わせ、砂交じりの河原が広がってくる。単調な河原歩きの後、(1:1)で左から流れてくる折目沢と合流するが、恐らくここから西俣川と呼ばれているのではなかろうか。尚も単調な河原を下っていくと、右から同水量で鉾立沢が入ってくる。わずかに下って、左岸から入る枝沢の向かい側に猫の額ほどの平坦な小石の河原を見つけ、ここを整地してテントを張った。

蔡さんが釣りを始めて一匹吊り上げたので、鉾立沢出合で火を起こして夕餉の場とした。

 

22日:

西俣川を下降する

大熊沢に向けて西俣川を下降する。しばらく単調な河原が続き、右から枝沢を併せた後、左に屈曲し淵を過ぎ右に折れると両岸が切り立ってくる。ここから谷幅は少し狭くなって、淵や幅を圧迫された急流帯が出てくるが、この時期の水量だと特に問題になることはなく、へつったり腰まで釜に浸かったりしながら下降していくと、鉾立沢出合から約40分で大熊沢出合に着いた。

大熊沢は出合からしばらく大きな岩が点在するゴーロが続く。登り始めて間もなく登山道の吊橋が横切る。間もなく深い釜を持った4M滝が懸かるが、右側を小さく巻いた。残置シュリンゲやトラロープが掛かっているが、露出した木の根を掴んだほうが余程安心である。多くの魚が屯している深い淵を過ぎて、4M簾状と3MCS滝をともに右から巻いていく。

2MCSを越えると大きな釜を持った6M滝が堂々と水流を落下させており、落差以上の規模を感じさせる。この滝は登れず、右岸の落ち葉重なる斜面を経て巻いた。尚も同様なゴルジュが続くが、樹林帯の影から開放され明るく広い印象の谷に変わる。

最初の10M滝を左から越える

530Mで左に枝沢を分ける。その先で小滝を挟んで10Mの滝が二つ続く。一つ目の10M滝は釜の手前で左壁を登ってトラバースしながら釜を越えて落口に出た後、右側の中段テラスに乗り移って後続にロープを出した。後続の蔡さんは釜に浸かって右壁を登ったが、やはり右壁は悪かったようだ。二つ目の10M滝は遠目には難しそうだが、近づいてみると最初の10M滝より簡単で左壁を難なく登れた。

10M滝は左を巻いた

再び単調なゴーロが続き、右に二本の枝沢を分けると650M前後で滝が連続して懸かる。左からは手前から30M滝を懸けた枝沢とやや正面よりにCS滝を懸けるルンゼのような枝沢が入っている。本流は10M、5M、15MCS、3×8と続く。

15M滝は左側を登って途中から巻いた

10M滝はCS滝が懸かる枝沢との中間尾根にとりついて左から巻いて、一旦5M滝の基部に降りてから15MCSの中段付近へ斜上するバンドを登るが、バンドの突き当りからの段差が大きくて届かないため少し戻って左から巻いた。3×8を越えると右に枝沢を分けている。さらに右に枝沢を分けて一旦左へ曲がり、10M4段と3Mの滝を懸けながら右に曲がる。

目の前に延々と続くゴーロが現れる

目の前には真直ぐな谷に尾根までまで届きそうなゴーロが続いている。ところどころ巨岩を越えるのに苦労しながら登っていくと、950M付近で高々と聳える巨大な滝が見えてくる。

30M大滝

右からは25M多段の滝を懸けて枝沢が入ってきており、草付花崗岩の中間尾根を挟んで本流には4M滝を前衛に擁した30M滝が懸かっている。左壁は基部付近の斜度が緩いものの上部に行くほどホールドが少なく、右側は乾いた花崗岩が落口まで続いている。

大滝:後続を確保

難しくはなさそうだが高度があるため、中間尾根を10Mほど登ったところにあるテラスからロープを引いていく。途中二箇所でブッシュに支点を取って35Mほどロープを伸ばしたところで落口に出た。落口付近の太さ5cmくらいの潅木に支点を取って後続を確保した。

ゴルジュの遡行

滝上から谷幅が狭くなっており、滝が続く。3M、5M、4M、5Mと続く滝を縫うように右側左側を登り、ナメ滝二つを越えると本格的なゴルジュとなる。入口付近のCSは登れず左側を壁の上まで登って巻いた。連続する6MCS、4M、7M2段は続けて右壁沿いを登り、次の5M滝は右壁にせり出したバンドに乗って巻き気味に越え、次の5Mは左側を登った。沢の真ん中に鎮座する大岩と次の8M、10M滝は左壁をへつったりゴルジュ内のバンドから高巻く。

次々と現れる滝をクリアしていく

三角の釜の7M滝を左から登り、8M階段状の滝も問題なく越えると、いやらしいCSが谷を塞ぐ。右壁に残置シュリンゲがあり、これをアブミにして右壁のホールドに乗り込んでCS上に抜けた。蔡さんのザックを荷揚げして、蔡さんは空身でここを登った。

CSを越えるとゴルジュは終わり、両岸草付となる。(1:3)で左に枝沢を分け、小さな枝沢を右に分けると、(1:1)の二俣となり、両俣とも滝を懸けている。山頂に向かって伸びる右俣に進路をとるが、出合の先には三つの滝が続いており、最後のCSが難しそうなので、左側の草付を登ってブッシュ帯にとりついてこれらの滝をまとめて巻いた。

詰めに懸ったと思っても滝が現れる

このあとナメが続く中に最大8Mくらいまでの滝が16前後懸かり、奥の二俣となって(2:1)で水流を分けている。左又に進んで8M、3M、7M、4Mの連続する滝を越え、12×20、6M、2Mの滝を登ると水は枯れ、そこから40分笹薮を漕いで登っていくとえぶり差岳の山頂に出た。

えぶり差岳山頂に詰め上がった

山頂からわずかに下ってえぶり差小屋に着いた。

えぶり差小屋はほぼ満員で、その人気の程が窺える。個人的にはトイレの臭いが気になりあまりいい小屋とは思えないし、その直下にある水場で水を汲む気にはなれない。外で早めの夕食を摂って、早々に就寝した。

23日:

外が明るんできた頃に荷物を持ち出して外で朝食を摂る。あとは大石山を経て足ノ松尾根を降るだけだ。二回の休憩を挟んで約3時間半で奥胎内ヒュッテの駐車スペースに停めた車に戻った。

 

同行者の記録

遡行図:アゴク沢朴ノ木沢大熊沢


山行最終日:2013年9月23日
メンバー:長島(L) 蔡
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
21日:奥胎内ヒュッテ(7:10)-足ノ松登山口(7:50)-アゴク沢出合(8:05)-600M付近(9:25)-950M付近(12:10)-稜線1250M付近(14:00)-朴ノ木沢940M付近(15:30)-折目沢出合(16:40)-鉾立沢出合(17:10)
22日:鉾立沢出合(6:55)-大熊沢出合(7:35)-575M付近(9:25)-830M付近(10:40)-大滝上1000M付近(12:45)-1200M二俣(14:20)-えぶり差岳(16:20)-えぶり差小屋(16:25)
23日:えぶり差小屋(6:50)-大石山(7:35)-奥胎内ヒュッテ(10:15)
地形図:えぶり差岳
報告者:長島

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