楢ノ木沢堂沢

飯豊の沢の中ではかなりメジャーな沢である堂沢だが、ネットを検索して出てくる記録は全て右俣右沢である。となると左俣はどうなっているのか気になってくるので、左俣を登ってみることにした。

28日:

いつものように奥胎内ヒュッテ付近の駐車スペースに車を停めて、河原への階段を降りる。今回は前回(先々週)よりもさらに水位が低く、膝下くらいだった。アゲマイノカッチへの登りの最中に、道の真ん中に舞茸が出ているのを見つけて、夕食のために市販品2パック相当を採取した。アゲマイノカッチからはほぼ真南に沢へ向かう小沢ルートを下降した。

楢ノ木沢に降り立つ 想像していたより水量が少ない

楢ノ木沢のゴルジュに始めて足を踏み入れた8月4日とは比べ物にならないくらい水量は少ない。今回は殆ど膝くらいまでの水位で、楽に遡行できる。何箇所かの淵はへつったり、水中を股下くらいまで浸かったりして行く。

二俣へ向かってゴルジュを遡行する

ゴルジュが狭くなったあたりの長い瀞は腰下くらいの水位だった。沢が北西に向きを変えた辺りは日当り良好で気持ちが良い。北東に屈曲したところにある深い淵は左岸を巻いた。続く釜を持った落ち込みは水中の岩から左壁に乗り移って左を登った。沢筋は開けて明るくなり、ややゴルジュっぽくなったところに釜が現れると鴨沢と堂沢が水流を二分する二俣となる。

鴨沢を分けるとしばらくゴーロが続く

二俣からは平凡な河原が続き、時間にも余裕があるので竿を出しながら遡行する。ここまで遡行中に目にした魚影は少なかったが、竿を出してみてもその通りで、竿抜けポイントのような流れの際で3匹かかったくらいだった。その獲物ももう少し大きい方がいいかななどと思ってリリースしていたら、そのまま釣れなくなってしまい、晩の焼き魚は無しになってしまった。忘れないうちにとクロモジの枝を採取しておいたが、無駄になってしまった。

次第に両岸が切り立ち谷幅が狭くなる

ゴーロ状の滝が現れ、谷が右に屈曲するとゴルジュとなる。5M、2Mを越えたところで昼食を摂った。1M2条は水量が多いときは苦労しそうである。流れを分ける岩の上にザックを置いて、右壁の小さなホールドを両手それぞれにとって、左足を右の水流落口にハイステップで乗せて足を掻きこむように乗り込んだ。

次々に小滝が現れる

続く4M滝は左側のバンドをへつり、次の3M滝以降の小滝群は難なく越えていけた。3MCSは水流中の岩に乗って左壁に乗り移ってそのまま左壁を登り、次の3×6は右から登った。

15M滝は右から悪い高巻きで越えた

数メートルのナメが続き左にカーブすると15M滝がゴルジュの最奥で垂直に水流を落としている。近づいてみても直登ルートは見出せず、少し戻ったルンゼ際の草付斜面を登って高巻くが、潅木が見た目より遠く感じられて悪い。途中一本ルンゼを横切って、残地シュリンゲのあるところから懸垂で落口に降り立った。

15M滝を越えると穏やかな流れになる

降りた先には6M滝が懸かっており、一瞬まとめて巻いたほうが良かったかと思ったが、左側を簡単に巻けた。右に左にとカーブすると、両岸にスノーブロックが残っており、そのすぐ先が中の二俣だった。

時刻は14時半。翌日まで過ごすには時間をもてあましそうなので先へ進む。左俣はゴーロが続き、時折ゴーロ状の岩が積み重なったような滝が出てくる程度である。等高線の間隔は詰まっているが、急傾斜のゴーロが続き滝らしい滝はなかなか出てこない。

谷は浅くなり次第に源頭の雰囲気になってくる

900Mでようやく2M噴水状の滝を初めに、連瀑となっている。2Mは水流の左から登り、次の8Mも左壁を登った。スタンスはやや滑るが、確実に指がかかるホールドがあるので見た目より簡単だった。その上に続く4Mと8Mはホールド乏しく左岸を巻いた。連瀑を上りきると再び平凡になる。

稜線直下の草原にテラスを見つけてテントを張った

1235で最後の二俣を右へ入ると、4M滝が現れ左岸を巻くと、先にも4M、8Mと見えてきたので、まとめて巻いた。巻き終った地点から見下ろすと8Mは登れそうだった。5M樋状を登ると煩かったボサも後退して、草原が広がる。稜線はすぐ目の先に見えているが、草原の斜面の中に小さなテラスを見つけたので、そこにテントを張って幕とした。

夜、空を見上げると満点の星空で、天の川に浮かぶカシオペアが印象的だった。下方に目をやると、胎内川のダム工事現場の辺りが、山影となっているもののぼんやりと明かりを放っていた。

29日:

前日遡行してきた渓を見下ろす

幕場から望むえぶり差岳から大日岳に至る稜線、朝日に照らされた周囲の草原、実にいい眺めだ。

幕場を後にして間もなく草原の際に着き、潅木を縫うこと約2分で二王子岳と二本木山を結ぶ登山道に出た。踏跡はしっかりしており、なだらかなアップダウンで二王子岳に至る。

二王子岳から奥胎内へ向かって藪尾根を降る

山頂の広場からボサを被った廃道を下降する。踏跡は明瞭に残っている区間が殆どだが、時折コルをまたぐところで不明瞭になる。左から斜めにブッシュが覆いかぶさるところが多くて疲れる。黒石山を過ぎるとブッシュが少なく、かつ低くなってきて、歩が捗るようになってきた。ナリバ峰からは使われている登山道と遜色ない道となる。最後は胎内第一ダムの堤体の上を渡って林道に出て、駐車スペースに戻った。二王子岳から奥胎内ヒュッテまで、約5時間半を要した。

 

遡行図


山行最終日:2013年9月29日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 胎内川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
28日:奥胎内ヒュッテ(7:05)-アゲマイノカッチ(8:00)-入渓(8:35)-二俣(10:00)-ゴルジュ下部580M付近(12:00)-中の二俣(14:30)-左俣源頭草原(16:50)
29日:左俣源頭草原(7:05)-二王子岳(7:30)-黒石山(10:45)-奥胎内ヒュッテ(13:00)
地形図:えぶり差岳・二王子岳
報告者:長島

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください