裏川 大倉沢

一昨年裏川と長走川の支流を継続した際、最後に下降するつもりでいながら、夕暮れ迫りつつある中幕場が得られそうもなくエスケープした沢である。それ以来気になっていた沢だが、ようやく遡行する機会をつくることができた。

天候:曇

今回は最後に小古沢を下降する計画だったので、大古沢対岸付近に駐車スペースを探しながら車を走らせていると、大古沢対岸よりやや上流に8台くらい停められる絶好の広場を見つけた。大倉沢までは少し遠いが、沢自体は短いので筆塚沢までは行けるつもりで出合へ向かった。実川ダムで大阪・京都からクワガタを採りに来たという人たちと少し話をして、2時間25分で大倉沢出合に着いた。裏川ダムからの山道では今までよりも草叢の藪を川寄りに迂回するルートをとったが、多少楽だったかな?という程度で、いずれにしても大変な道だった。うだるような暑さの中吸血昆虫が飛び回る中を歩きたい道ではない。

大倉沢出合

裏川を徒渉して大倉沢に入渓する。出合から大滝までは一昨年見に行っている。出合からすぐのところに懸っている2M2条と少し奥の5M2段は問題なく越える。次の大滝は20Mはありそうで、落口から空中に弧を描く水流は中段で壁に当たり飛沫を散らしている。不安定な左壁基部からとりついて落口直下まで登るが、最後の一歩が出せずにクライムダウンして引き返す。結局5M2段も下降したところから左岸を巻いて落口に抜けた。

ゴルジュの中に5M2段の滝が見えてくる
20Mの大滝
20M滝落口 ここまで登っていながら巻いてきた

穏やかな流れになるかに思えたが、3M、8Mと滝が現れる。両岸緑に覆われて開けた雰囲気の中、右に枝沢を分ける所に屈曲して5M2段の滝が懸り、上段は倒木の堰ができている。ここは難なく左壁を登るが、それほど間をおかず8M滝が懸る。ここも右壁を斜上するように越えたが、次第に両岸の傾斜が強くなってくる。次の8Mは登れず、30Mくらい戻ったところから左岸を巻く。すぐに7Mのが懸り、右から枝沢も同じ基部に滝となって流れ込んでいる。今度は右岸を小さく巻くが、外傾していて悪い。

8M滝 ルートは水流右側
8M滝 右手前から斜上
8M滝 左岸を巻いた
7M滝 枝沢の滝と並んでいる

小滝が続き、倒木が多いながらもすっきりした明るい色の岩盤が陽に映えて美しい。少し流れがカーブすると左壁に隠れていた12Mの滝が見えてくる。上部はスラブだが下半分は直瀑で左右とも手がかりは少ない。手前に張り出した右岸の小リッジに取付く。滝を見下ろす位置まで登っていくと、間をおかずに10M滝が続いているのでまとめて巻くことにする。ブッシュ帯と草付をトラバースして枝沢を越えたところで10M滝のさらに上に続く滝の落口へ向かって下降した。

明るい岩盤に続く小滝
12M滝 右岸巻きの途中から見下ろす

下降点のすぐ先は少し開けた空間になっていて、沢床には泥をかぶった大きなスノーブロックの塔が立っている。ブロックと左壁の間をすり抜けると5Mの滝が懸っているが、ブロック裏の草付斜面から巻き気味に簡単に越えられた。次の3Mを倒木伝いに越えると、大きな2段の滝が懸る。基部から見上げた感じでは下段が10M上段2Mだが、右壁を登っていくと上段は4M程だった。

大きなスノーブロック
14M2段の滝 ルートは右側

右に滝を懸ける枝沢を分けて、5M滝を越えると右にカーブする流れの中に5M2段、4Mと続き、最奥が切り立った壁となって12Mの滝が懸っている。12M滝は一条に流れ落ちた水流の上部3分の1辺りで枝毛のように細い流れを分けて、下部は二条になっている。5M2段のあたりから右岸を巻いていくが、草に隠れた岩壁が所々でハングしていてルート取りが難しい。際どい足場を見つけてトラバースして12M滝落口に続く樹林に取付いた。この時点で13:20、まだ先は長い。水平距離にして2km程度の小さな沢のスケールではない。

右にカーブする流れに連なる5M-4M-12Mの滝
12M滝 右岸巻きの途中から見下ろす

続く8M滝を簡単に右から越えると、今度は雪渓が現れる。最初の雪渓を潜り抜けて3Mくらいの滝を登るとすぐに二つ目の雪渓が架かる。雪渓下に2M滝が続いており、一旦途切れた先には出口が見えない雪渓が続いている。これらは左岸から巻くことにしてブッシュ帯をトラバースした後、4つ目の雪渓上に懸垂下降して沢に戻った。短い雪渓を潜り抜け、5M、2Mの滝を登るとまた出口が見えない雪渓が架かる。左岸にとりついて懸垂下降で雪渓に乗るが、6M滝が露出したところで途切れており、再び左岸の巻きに入る。一つ雪渓を巻いて、その先の雪渓に降り立つ。降りたすぐ先に枝沢が入っており壁との間を降りることができたので、水を汲んで一息入れる。今度の雪渓は200Mくらい続いていただろうか、末端は稜線直下の急な窪まで続いていた。窪を少し登ったところでブッシュ伝いに稜線を目指す。ブッシュを掴んでいるとはいえ急傾斜で息が抜けない。

8M滝 右から簡単に越える
最初の雪渓 この先雪渓が断続して高巻きを繰り返す
最後の長い雪渓 稜線直下の急斜面まで続いていた
稜線直下の急斜面の窪

何とか稜線に出ると、今度は藪の細尾根となる。筆塚沢の下降は諦めて尾根上を幕場とするつもりでいたが、テントを張れそうな気配はまるでない。尾根がカーブする辺りから南西へ降っていく尾根にブナの木が見えたので、筆塚沢源頭のコルに降てみることにした。期待通り何とかテントを張れるスペースを見つけて、この日の行動を終了した。尚、筆塚山からこのコルに続く尾根にはうっすらと踏跡がついている。

 

遡行図


山行最終日:2019年7月13日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
大古沢対岸広場(7:20)-裏川ダム(8:25)-大倉沢出合(9:45)-480M(12:10/12:25)-稜線(17:10)-筆塚山南コル(18:15)
地形図:蒜場山
報告者:長島

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください