奥川 白布沢(左俣遡行・右俣下降)

6月に入り、今年も飯豊の沢に登る季節がやってきた。今年最初の沢として、当年の様子を窺う上でも手頃な奥川流域からまだ登っていない二本の沢を選んだ。
前夜は道の駅にしあいづに泊まって、当日朝弥平四郎登山口の駐車場にやってきた。

駐車場を後にして通行止め解除の予定がない新長坂ルートを辿って白布沢出合に下降する。出合は少々藪っぽい雰囲気だが、間隔をおいて左右に台地状の草叢が点在する割と開けた渓相が続く。700Mを過ぎた辺りで右に枝沢を分けると4Mの斜瀑が懸っているが簡単に越える。地形図では次に右から枝沢が入るが、流れが二分して中州になっているところなので少々分かりづらかった。その後間もなく二俣となる。水量比は(1:2)で右俣が本流と言えよう。

出合付近の渓相
出合は藪っぽいがすぐに開けてくる
4M斜瀑
二俣付近の左俣の渓相

左俣に入ると3M~6Mの滝が連続するが、最後の6M以外はいずれももこもことした凹凸が多い壁の斜瀑で問題になる所はない。6M滝はのっぺりした一枚壁で、壁際の泥斜面を登って壁の右上部のバンドに取付いて落口へトラバースするが、バンドに取付くまで足元がやや悪く苦労したメンバーもいた。

小規模な滝が続く
6M滝 右側は上部のバンドに乗るまでが少し悪い

小さなスノーブリッジを潜り抜け、2MCSを越えると(4:1)で右に枝沢が分かれる。4M斜瀑を登ってもう一度小さなスノーブリッジを潜り、3M滝を越えると溝状のしばらく溝状の流れとなる。さらに二本の滝を越えると1000M付近で(1:1)で水流が二分する。左へ進むと1070M付近で水が涸れて、多少枝を掻き分けながら木々の間を縫って登っていくと薄い踏跡のある稜線に出た。

スノーブリッジを潜る
左俣最後の4M滝を登る
薄い藪を尾根に向かって詰める

当初の計画は中俣下降だったが、右俣の方が下降しやすそうだし踏跡があって尾根の移動が容易だったため、詰め上がった地点から代塚山手前まで踏跡を辿って右俣を下降することにした。右俣への下降点の代塚山北東の1210M付近で昼食を摂った後、右俣へ向かって尾根から降り始める。

下降開始後次第に窪が明瞭になってきて1100Mあたりから水が流れ始める。二本の小滝を過ぎた後、右から枝沢を合わせる。崩れそうな小さなスノーブリッジを過ぎて2M滝を下降すると、900Mで右から枝沢が入る。ここからは斜度が落ちて二俣から下流と同じような渓相が続き、右から中俣を(2:1)で合わせると間もなく二俣に出た。往路を辿って弥平四郎登山口に戻った。

右俣上流部 いくつか小滝が懸るが難所はない
900M枝沢出合

 

遡行図

山行最終日:2019年6月1日
メンバー:長島(L) 古巻 高森 坂部
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
弥平四郎登山口(8:05)-二俣(8:45)-1000M付近(10:50)-稜線(11:20)-代塚山北東12610M付近(12:30/13:00)-835M左岸枝沢出合(14:25)-二俣(14:40)-弥平四郎登山口(15:20)
地形図:大日岳
報告者:長島