前川 上追流沢~御鏡沢

22日(雨のち曇)

初日の予定は、切合小屋まで登って、小屋に着いたら一泊して翌日入渓に備えるだけだ。昼頃まで雨の予報なので、昼過ぎに大日杉を発つことにした。

先日の大日沢遡行~オンベ松尾根下降の疲れが残っていて足取りが重い。途中、長之助清水で水を飲んで、ゆっくり黙々と切合小屋へ向かって歩いた。小屋に泊まるつもりだったが、小屋の中は登山者でごった返していたので、テント場にツェルトを張って泊まることにした。

23日(晴)

[上追流沢下降]

ツェルトを撤収して沢へ下降する。入渓点はテント場だ。少々笹が被っているもののテント場から明瞭な窪が続いている。初めのうちはベニヤやビニールの切れ端が所々に落ちていて気持ち良くない。ボサが後退してくると次第にゴーロっぽくなってくる。ぽつぽつと滝が懸るが、いずれも容易に下降できるか巻くことができる。また、沢床も概して歩きやすく2時間弱で出合いに達した。出合に懸る8M滝は左岸の開けたガレを降って本流の河原に降りた。この沢を下降して出合で引き返すなら、初級者にも手頃なルートと言えるだろう。

窪は切合わせ小屋のテント場まで達している
初めのうちはボサがトンネル状に覆いかぶさっている
ボサが後退して開けてくる
開けた河原になる
1275Mの二俣に向けて傾斜を増す
滝は「あるにはある」という程度に懸っている
出合を見下ろす
[本流(上追流沢出合~御鏡沢出合)下降]
出合には本流の滝と上追流沢の滝が並ぶ

しばらく河原を歩き、河原が左へカーブすると大きな岩が見られるようになり、2M小滝に続いて15M滝となって一気に高度を落としている。これを右岸から巻いて滝下の釜から流れ出す滝の下に降りた。3M-5Mと続く滝をクライムダウンしてゴルジュを50Mくらい歩くと15Mくらいの滝が懸っている。ここを懸垂下降すると釜の中に降りてしまうので、右岸の枝沢からブッシュ帯に取付いて下降した。

出合の下部は少しの間河原が続く
吹上ノ滝15Mの落口
右岸を巻いて滝下に下降
少しゴルジュっぽい
15M滝の落口
釜を見下ろしながら右岸を巻いた

左岸から流れ込む細い枝沢に前後するいくつかの滝を過ぎた後、6M-8Mの滝とその下に続く急流帯は右岸を巻いて懸垂で沢身に戻った。出合直前のゴーロの落込みの右岸の壁を登ると、足下に御鏡沢の出合を見下ろす小尾根の上に出た。

流れが狭まった急流帯
御鏡沢出合を見下ろす
[御鏡沢遡行]

出合から2M小滝、5M2条の滝が続いている。小尾根から御鏡沢へ向かって下降して、5M2条の左岸をトラバースするようにして落口に降りた。この位置からはゴーロが続いているように見えたが、ゴーロに紛れて3×5、2Mの小滝が懸っていた。この沢は両岸の傾斜が比較的緩めなので、あまり威圧感はない。

出合に懸る2Mと5M2条の滝

岩を縫って遡行していくと、右壁から白い水の束をヒョングらせている大きな滝が見えてくる。この滝は上段を流れ落ちたところで一回ヒョングり、ヒョングった水流が壁に当たってもう一回ヒョングって下部のスラブ壁に落下している豪快な滝だ。対岸のスラブ壁のバンドを斜上して、正面に続いているガレた枝沢に取付いて40Mくらい登った所からブッシュ帯に取付いて大滝の上に出た。

ゴーロの先に大きな滝が見えてきた
35M滝
正面からみた35M滝

4Mの滝を越えると再びゴーロとなって左へ曲がっていく。正面には次の滝が見えてくる。遠目にはかなりの落差があるように見えたが、近づいていくと10Mくらいの滝で、落口を見下ろすように右岸を小さく巻いた。

10M滝

平凡なゴーロが右に曲がっていくと、今度は2条の大きな滝が見えてくる。手前で右岸から枝沢が入り、大滝のすぐ左側にも滝を懸けた枝沢が流れ込んでいる。正面から見るとやや左側の水量が多いが、左右均整の取れた美しい2条を描いている。右岸の枝沢の滝の左側を登った後、枝沢を50Mくらい登った所から草付を斜上してブッシュ帯に取付いて滝上に下降した。

2条の大きな滝が見えてきた
40M2条の滝

樹林と草付の緑と露岩の白が斑模様を描くかのような渓相となり、岩壁に隠れるように折れた流れには縦長の釜とそこに水を落とす8M滝が隠れている。この滝も登れそうもなく右岸を小さく巻いていく。上部に6M滝が2本、さらに大きな滝が続いているので、2本の6M滝の上に降りた。大滝の落差は25Mくらい、左側のスラブ壁を断続する草付バンドを繋げるように登って落口に出た。

緑と白の斑模様の渓相

25M滝
25M滝の左壁には何箇所かに手でつかめるような窪みがある

この後いくつかの小滝を越えていくと、左岸寄りにイタドリが群生する広河原となる。両岸の斜度もだいぶ緩くなってきて開けた印象が強くなってくる。この先大きな滝もなさそうだと思っていると、V字に開いた壁に釜を構えた15M滝が懸っていて、左岸の草付とブッシュ帯の境から巻くが、滝上は傾斜の強い草付だったので懸垂で沢身に戻った。

広河原
15M滝

小滝を過ぎた後、茶色い岩の10M3段の2条になった緩い滝を左から中央に向かって登り、木を逆さまにしたように水流が枝分かれする10Mの滝は右岸を巻いた。さらに6M直瀑と上部に続く4Mナメ滝を巻き、枝沢と本流がともに8M滝を懸けて出合うところは左壁を登った。続く3M滝を左から巻いてしばらくすると、1590Mで(1:2)で右岸に枝沢を分ける。

10M3段2条の滝
水流が枝のように分かれている10M滝

8M滝

4M2条を越え、10Mの簾状の滝は中央を登る。(1:1)で右に枝沢を分けると黒い壁の8M滝が懸り、右のガレルンゼを少し登った所から草付をトラバースして滝上に出た。苔生した4Mと3Mの滝が最後の滝となり、草原の中に刻まれたゴーロの筋はカール状地形へと続いている。稜線には登山者の姿も見えるようになり、水流は広大なガレ斜面の中へと消えていった。

8M滝を過ぎると河原が続く
簾状の10M滝
10M簾状の滝の中央を登る
谷が浅くなって開けてきた
4M、3Mと続く苔生した滝

ガレ斜面で靴を履き替え、草原を横切ると登山道に出た。沢では源頭付近に明瞭な流れ出しがなくて水を汲みはぐれてしまったので、水場に立ち寄って御西小屋へ向かった。

開けた河原はカール状の広大な斜面へと続いている
綺麗に石が敷き詰まった稜線直下の斜面
ここを登るとすぐに登山道に出る

24日(晴)

しばらく小屋で霧が晴れるのを待っていたが、退屈してきたので晴れる前に小屋を後にした。大日杉ルートに入ってから穴堰を見に立ち寄り、長之助清水で水を飲んで大日杉に下山した。

 

遡行図:上追流沢御鏡沢


山行最終日:2018年9月24日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 阿賀野川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
22日:大日杉(12:55)-地蔵岳(15:00)-切合小屋(17:00)
23日:切合小屋(6:45)-上追流沢出合(8:35/8:50)-御鏡沢出合(10:45/10:55)-40M滝上(12:25/12:45)-1420M10M滝上(14:30)-源頭部ガレ田(16:10/16:25)-御西小屋(17:05)
24日:御西小屋(7:25)-本山小屋(8:25)-切合小屋(9:25)-地蔵岳(11:25)-大日杉(12:45)
地形図:大日岳
報告者:長島

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