大日杉から飯豊山

地神山一周ルートから中一日おいて飯豊山へ行ってきた。今回は大日杉から往復した。

リハビリで筋力はほぼ戻ったとはいえ持久力やバランス能力は戻り切っていないのか、コロナ禍による外出自粛で登りに行けなかったせいか、単に年齢による衰えか、すべて影響しているのだろうが、前回の山行で大腿四頭筋が筋肉痛で脹脛にも外側下部寄りに疲れが残っている。以前なら日帰り一般ルートを普通に歩いて疲れが残るなど考えられなかった。

 

自宅から大日杉まで約1時間半。もう少し飯豊寄りに居を構えたい気もする。駐車場には十数台の車が停まっていた。例年この時期になると煩い虻はほとんどいなかった、少なくとも朝の登り始めの時間帯には。

このルートは飯豊の他のルートと比べれば傾斜がきつくないが、脚の筋肉痛や疲労と蒸し暑さのせいで足の運びは緩慢だ。たいして登ってはいないが、長之助清水で軽く水を飲んだ。相変わらずこの標高で湧いてる水とは思えない冷たい水で美味い。

アカヤマドリ・・・いただき

ゆっくりかつ淡々と登っていくが、かつて感じたことがないほど地蔵岳が遠く感じた。

地蔵岳山頂 センジュガンピが登山道沿いに並んでいる

地蔵岳から切合までは少し風が吹き抜けて蒸し暑さは感じなくなり、一旦降った後はしばらく細かいアップダウンしかないので負担が減ったが、種蒔山に向かって登りに転じると相変わらず足は出ず、切合が遠い。

目洗清水付近から見た飯豊山

切合小屋は営業しており、ここを中継点にして本残まで往復する登山者が10~20組くらいいたようだ。ここからは斜度が緩く一層涼しくなってきたので、休憩せずに本山を目指した。

草履塚に向かって登っているころからガスがかかってきて一層涼しくなる。切合から本山までで最も長い登りになる御前坂は涼しいせいもあって、ゆっくり登れば脚の疲労もさほど気にならなかった。

御前坂を登りきると一ノ王子のテント場

本山小屋を素通りして本山へ向かう。本山小屋から本山のなだらかな尾根では点々とイイデリンドウが見られた。

山頂周辺はガスがかかったり晴れたりしていたが、完全には視界が開けなかった。大岩沢や桧山沢源頭を見下ろしながら昼食を摂ってから往路を引き返した。

飯豊山山頂

復路でも長之助清水で水分を補給して、ついでに家に持ち帰るためにペットボトルを満たした。

登山口に降りてきて間もなくすると、虻が纏わりついてきた。車に荷物を積み込んだり、自分が乗り込んだりする際に10匹くらい車に侵入したが、エアコンを最大パワーにして虻の動きを鈍らせたところで一匹一匹つまみ出してから帰路に着いた。

 

コースタイム:

大日杉(7:20)-地蔵岳(9:05)-切合小屋(11:10)-飯豊山(12:50/13:15)-切合小屋(14:20)-地蔵岳(16:10/16:20)-大日杉(17:45)

 

回顧:2013年7月の同ルートのタイム

大日杉(5:25)-地蔵岳(7:00)-切合小屋(8:45)-飯豊本山(10:20)-御坪(12:15-45)-地蔵岳(13:40)-大日杉(14:45)

この頃より一時間も遅くなっている。



再開、再会、飯豊

山形に引越してきてから、ようやく飯豊を訪れることができた。

引越して来る前は外出自粛のために飯豊を訪れることもなかったので、ずいぶん間が空いてしまった。

今年は、前十字を繋ぎ直したためにクライミングジムに通うのを中断している最中に新型コロナの感染が拡大したためそのままジム通いを再開しなかったし、沢登りに関しても小規模な沢を数回遡行した程度なので、飯豊の沢を遡行するには完全に準備不足。

まずは飯豊の主稜線に達するルートでも短めの梶川尾根-丸森尾根を巡ってきた。

 

梶川尾根は二段階の急登の尾根。登山口から約400Mの急登が続いて湯沢峰へ、一旦降ってなだらかなアップダウンになる。再び斜度が増してくると滝見場、五郎清水を過ぎて梶川峰に至る。梶川峰からは草原地帯で、視界は大きく開けて扇の地神までなだらかな登りになる。梶川尾根を登りに選んだのはこの光景を見たかったからに他ならない。この辺りから高山植物が多く見られるようになるが、この度は終盤を迎えている印象だった。

滝見場から見下ろす梅花皮の滝~ブッシュが邪魔
梶川峰から一転して開けてなだらかになる
真夏の飯豊・朝日でいつも目につくのはタカネマツムシソウ
シラネニンジン? たぶん
扇の地神 梶川尾根はここまで

 

扇の地神から丸森尾根分岐までの僅かな間主稜線を歩く。扇の地神から緩やかに降ってから登りに転じると間もなく地神山に至る。目の前にいるだけでも数えきれないほどのトンボが飛んでいた。

西側には頼母木川の源頭部となっていて、南方には直下に雪田が残る二の峰が目をひいた。

二ツ峰(二の峰) 直下の藤七の池は雪田になっていた
地神山 ここで昼食

 

地神山から北へ向かって降って間もなく丸森尾根分岐に至る。

丸森尾根の花期は梶川尾根より遅いようで、梶川峰ではしおれかけていた花々が最盛期を迎えていた。

ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲはもとより梶川尾根ではほぼ散って綿毛状になっていたチングルマも満開だった。

梶川尾根で五郎清水はスルーしてきたが、昼食時に持参したお茶を飲み干していたので夫婦清水で水を補給した。

昼過ぎとあって降ってくるほどに暑さを増して汗が流れ落ちていたが、ブッシュの切れ目から見える文覚沢の渓相に気を紛らわすことができた。

ヨツバシオガマ 丸森尾根は梶川尾根より花期が若干遅いみたい
ニッコウキスゲも見頃
丸森尾根は終始単調な傾斜が続く
遅咲きのチングルマの群落
丸森峰の小さなミヤマさん
夫婦清水で水を補給 二カ所で湧き出た水が合わさっている

 

丸森尾根の登山口は飯豊山荘の正面にある。車を停めたへ向かって登っていくと若い女性の警察官に聴き取りを受けた。梶川尾根を登っているときヘリコプターの音が聞こえていたが、その件のようだ。遭難が疑われているらしく、ルート、登山届、落ちていたストックに関すること、車のナンバーなんかを訊かれた。

駐車場では警察官が聴き取りを行っていた

 

丸森尾根の下部では所々にチチタケが出ていたので、持ち帰ってきた。抜き取ると流れ落ちる程の乳液が出てくるが、これが曲者でべたついて落なくなる上に乾物臭があって洗ってもなかなか落ちない。

群馬・栃木で大人気、ここでは見向きもされないチチタケ

 

ルートタイム:

梶川尾根登山口(8:00)-湯沢峰(9:00)-滝見場(9:30)-五郎清水(10:05)-梶川峰(10:50)-扇の地神(11:30)-地神山(11:55/12:05)-丸森峰(12:50)-夫婦清水(13:30)-丸森尾根登山口(14:40)



高瀬川大白沢(下流部往復)

雨天の中「逍遙」のリーダー会員だったMさんと久々に山行を共にした。

山域は北アルプス。本来は姫川の支流、弥兵衛川乗鞍沢を遡行して蓮華温泉で汗を流してくるつもりでいたが、雨続きによる増水で遡行困難な状況になっていそうだったので、足慣らしに入渓されることが多い高瀬川大白沢に転進した。

道路から沢へ向かう足場が組まれている

高瀬川本流は濁流が唸りを上げるがごとく流れていたので、小さな沢と言えども遡行できるのかと思ったが、渓相と水量から遡行を妨げる程ではないと判断して入渓した。

 

水が澄んでいれば綺麗なんだろうが・・・

沢筋はほどほどに広く随所でエスケープできそうなので、あまり緊迫感はない。増水した水流に足をすくわれないようにライン取りと足の送りに気を使って進む。

4M滝の右側を登る
10M(あるかな?)滝の通常ルートは右壁にありそうだが右岸を巻いた

幾つか小滝を過ぎると10M滝に行きあたる。常水時のルートは水流右側にありそうだが、まともに水を浴びそうなので右岸手前から巻いた。ゴーロが続いた後左岸にそこそこ水流の多い斜瀑を懸けた枝沢が分かれる。

枝沢を分けてもまだ水量が減った感じはしない

枝沢を分けた後、平凡な流れの後に7M幅広の滝が懸る。落口付近で幾分傾斜が緩んでナメ状の急流となっている。再び平凡になって1140M二俣に至る。

二俣で左俣へ進むが平凡
あちこちにニガクリタケが出ていた

左俣へ進むが水量が半減した上につまらない流れが続き、もともと適当な所まで行って引き返す予定だったこともあって、すぐにMさんから「引き返しますか・・・」と声がかかってこちらも即座に承諾。

遡行して北ルートを下降する

往路を下降して入渓点に戻った。

七倉ダム下の駐車スペースを起点に約2時間、沢登りという実感もないままに終わってしまった。今年は山行を重ねることもできてないし、天気に逆らってリスクを冒すことも避けなければならないので仕方ないが、今後この山域に足を運ぶのは難しくなってしまうだけに少し残念だった。



滝倉沢支流カピライシ沢から大石ダム西岸尾根を辿る

スノ沢まで足を延ばすことを考えていたが、この日は宿を予約している都合上早く下山したいので、キノコでも探しながら沢沿いと尾根を歩いてみることにした。

滝倉沢に架かる赤い鉄橋の手前から左岸の道跡を辿る。滝倉沢はかつて下降したことがあり中流部までは滝がないことが分かっている。230Mで左岸枝沢に入ると間もなく10Mの滝が現れた。80度くらいの壁で、ガバという程でもないがホールドが適当な間隔で並んでいる。水流左側を登ると、すぐに分岐。右がミツギ沢で左がカピライシ沢、カピライシ沢が本流で流程も長く水量も多い。

カピライシ沢とミツギ沢の出合下に懸る10M滝の落口
ミツギ沢出合付近の小滝
出合付近のカピライシ沢の渓相

しばらく遡行すると登れない滝に行き着いた。キノコを探しながら右岸を巻いていく。藪に横たわる倒木には晩秋のキノコがちょこちょこっと出ていたが、これだけなのかこれから倒木を埋め尽くすくらい出てくるのか?

ハングした滝は右岸を巻いていく
倒木にはかすかに晩秋の気配が・・・

その後開けたブナ林に出た。この先の急な枝尾根には松が並んでいる。雰囲気が良いので、ここで一服。

まだ高巻きの途中・・・美しいブナと松の混成林

沢に戻ると場腐れしたツキヨタケが異臭を漂わせる倒木が横たわっている。裏をのぞき込むとナメコが柄をUの字に曲げて貼りついている。何で裏側にしか出てないのか?

沢に戻ると場腐れしたツキヨタケが残る倒木の裏側に・・・ナメコ

巻いた滝以降は滝らしい滝もなく淡々と尾根を目指して詰めて行く。580Mのコルに詰め上がると尾根には踏跡が見られる。視界を遮るようなブッシュが少なく眺めが良い尾根だ。

633Mピーク北側の580Mコルに詰め上がった
スラブ状のカピライシ沢左岸
これから辿る尾根 先端には反射板
尾根上の踏跡

尾根を北上して538.6Mの三角点を目指す。三角点の標石を探そうと思っていたが忘れており、三角点東南東の反射板がある枝尾根の先端に来てしまった。反射板からは北東に踏跡が続いており、ヌクミ沢の右岸で湖岸道に降り立った。

反射板
ヌクミ沢に架かる橋に作られた蜂の巣

 

行程: 駐車場(8:10)-湖岸道終点(8:25)-230M左岸支流出合(10:00)-左沢(カピライシ沢)-633Mピーク北の580Mコル(12:00)-湖岸道(ヌクミ沢右岸)(14:30)-駐車場(14:40)



[朝日連峰前衛]頭殿山(黒鴨ルート)

連休初日は朝日町に立ち寄って林檎を買うつもりでいたので、朝日町から近くて短いルートを探してみたら、頭殿山に黒鴨から登るルートがあることが分かった。地形図には道記号はないが、かなり整備された道であることも分かった。

林道はかなりの悪路らしいが途中までは行けるかも・・・と思って車で入ってみたが、長走川へ向かう水沢の林道程ではないがかなり悪い。山神塔のある峠まで行ったが、分岐で切り返して少し戻った所に車を停めた。

山神塔のある峠の手前にあるヘアピンカーブ

この分岐で車をUターンさせたが、この先しばらくはそれほど悪くなかった。

峠の分岐(左はほとんど藪道)

峠を越えるとすぐに分岐がある。ここを左へ進む。

550M付近分岐~右は栃窪や朝日町へ続いている

茎ノ峯峠(右)との分岐。ここまで1~2カ所深く掘れてるところがあった。

茎ノ峯峠(右)との分岐

林道終点が登山口。車数台停められるが、オフロード車か軽トラじゃないと厳しい。

登山道はカラマツ林の中へ続いている。

登山口=林道終点 数台分の駐車スペースがある

すっきりしたカラマツ林。木漏れ日が心地よい。

登山口付近 落ち着いた雰囲気のカラマツ林

一旦杉の植林帯になるが、それを抜けると尖山分岐。

杉の植林帯を過ぎると尖山分岐

分岐を過ぎるとしばらくの間美しいブナ林が続く。

美しいブナ林が続く

山腹のブナ林のトラバース道から尾根道になると、しばらく急登になる。登りきっても山頂ではなく、平坦な尾根の先に幾分高い山頂が見えている。

山腹の道から尾根道に変わって登りきると山頂が間近に見えてくる

登山口からちょうど一時間で山頂に到着。登攀具も不要なので荷物も軽いし、ハイキングどころか散歩と言いたいくらいな軽登山だ。

山頂 山形盆地を囲む山々や月山、鳥海山の眺望が良い

たぶん朝日鉱泉へ降っていく道だと思うが、山頂直下に泊り場らしき平坦地があった。

山頂直下に泊り場?

大朝日岳。正面の二俣になった尾根が中ツル尾根、山頂右側の谷がガンガラ沢だろう。岩魚沢は中ツル尾根の左を回り込んでるので見えない。

大朝日岳 右手枠外には鳥原小屋が見えた

思ったより早く山頂に着いたので、帰路はキノコを探したりうろうろしながらゆっくり下山。尖山に立ち寄る。ここも盆地を見下ろす絶好のビューポイントだった。

帰路尖山に立ち寄る 三角点の背後は白鷹山
尖山から最上川の流れを見下ろす

麓の寺におわす即身仏が掘り出されたところらしい。林道沿いにある。

即身仏はここに眠っておられたそうな・・・

麓から登山口までは約4キロということなので、全区間歩いても片道一時間前後のはず。林道の悪路を考えると車で入らない方がよかったかもしれない。

下山後最寄りのカフェ 353kurogamo でお茶でもと思って立ち寄ってみたら、物産展に出店中で留守だった。

 

行程: 山神塔手前の駐車地点(11:15)-登山口(11:45)-頭殿山(12:45/13:05)-尖山(14:15)-登山口(14:35)-駐車地点(15:05)



滝沢の雪渓

2019年10月21日、はっぽうはげから見た梅花皮沢滝沢の様子。

梅花皮沢に残る雪渓とともに、滝沢のゴルジュに架かる雪渓は越年しそうだった。



再び実川へ

10月20日、先週の火曜日(15日)以来再度実川を訪れた。

18日夜から雨が降り20日未明まで雨が残ったため、15日と同じような状況ではないかと思いつつも一縷の望みを持って林道のゲートを後にした。林道から見下ろす実川はやはり増水していたが、入渓点に着くころにはいくらか水が引くかもしれないと思って、オンベ沢出合へ向かう。

林道脇にチャナメツムタケが出ていた

オンベ沢出合の淵で水量を目測すると、明らかに増水している。カメラで先日の写真を再生して比べてみても、ほとんど変わらないくらいだった。

今回も遡行は無理

早々に遡行をあきらめ、河原で焚火をして道中採ってきたチャナメツムタケとハタケシメジのキノコ汁を食べて引き返した。

焚火とキノコ汁


実川を入渓早々に退却

五日間の連続休暇と一日の休暇を取って三連休と飛び石の休日の間を埋めて12連休にした。二回の長期山行を目論んでいたが、連休に入る前に目論み通りいかないことがほぼ明らかになってきた。

連休前の阿賀町の天気予報は、土曜日雨、日曜日は朝方まで雨でのち曇、月曜以降は雨は降らないというものだった。ならば日曜日に入渓地点まで行っておいて、月曜から水曜を沢の遡行から下山に充てようと思い、台風による風雨に会わないよう金曜夜発で新潟へ向かった。

新潟に来てから日がたつとともに雨の予報が伸びてくる。テレビのニュースでは東海や関東における台風被害の模様を伝えていたが、新潟は記録的というほどの風にも雨にも見舞われなかった。しかし、台風の風雨が去った後も小雨が降り続いたため、月曜まで入山を見送ることにした。

金曜は用事があって山を下りてなければならないので、火曜から木曜の三日間で遂行できそうな黒羽根沢の計画を充てることにした。黒羽根沢は昨年源頭部から途中まで下降したが、それより下流はまだ辿ったことがない。

火曜日早朝実川へ向かう。平地では雲が晴れてきてるが飯豊の上の方は雲に隠れており、上流部では降り続いているように思えた。林道を歩いていると、去年と同じ辺りで砂利道になった一角からハタケシメジが出ていたので、夕食に添える程度をいただく。トンネルを抜けて最初の沢を渡る手前の法面ではクリタケが出始めていたが、まだ小さいし数も出てないので帰るときに採られずに残っていたらいただこうと思って通り過ぎる。

道の真ん中から出ている。今回は複数の株が出ていた。
フウセンタケの仲間なのは分かるが、この仲間はまだちゃんと覚えられない。
まだ小さいが、もう出てきている。こんな斜面に生えるのかと思ったら、倒木が埋まっていた。

アシ沢の徒渉点は石が流されてしまったのか随分様子が変わって砂地の流れになっている。出合から段丘まで登山道を登った所から釣り道を辿ってオンベ沢出合に降りる。林道からも水量を確認していたが、淵の流れ出しや淵に流れ込む落込みの水量を過去と比較して増水の程度が把握できた。少なくとも初日に大滝よりも上流までは行っておきたかったが、時間とともに水が引いていくことを加味しても下追流沢すらどうかという水量である。

アシ沢の徒渉点。足場だった転石が無くなって砂利床になっていた。
水圧強そう。

一応淵を右岸から巻いて入渓してみる。流れを読んで二回徒渉した後、流れが速い所を巻くために右岸の段丘に上がるが、先を見通すととても遡行を続けられる状態ではない。右岸を巻き続ければ入り鳥ノ子沢あたりまでは行けるだろうが、大滝までは無理だろうと思って引き返すことにした。徒渉するのも一苦労なので、右岸の斜面をトラバースしてオンベ沢まで戻った。いままで淵の脇から巻いていたが、巻道がオンベ沢に少し入った所から段丘に上がっていることが分かった。

帰路は往路で見つけたクリタケと採り残したハタケシメジを目当てに歩いたが、クリタケは見つけられず収穫はハタケシメジのみとなった。

そのまま炙った。少し砂利がついていたので、洗ってから炙った方がよかった。


伊南川支流安越又川 山毛欅沢

天気予報によると、この週末の阿賀町は土日とも雨だったが、土曜になると雨予報は日曜だけに変わっていた。既に転進先に向かうつもりで途中のSAで休んでいたので、飯豊へは向かわず南会津に向かうことにした。

安越又川は以前初夏に小沢を訪れたことがある。今回はその下流の山毛欅沢を遡行して尾根の反対側の黒谷川小手沢の芝倉沢とヨモ沢を巡ってくるつもりでいた。

山毛欅沢出合のやや上流に懸る橋を渡った所に車を停めた。周辺は広く切り拓かれてコンクリートブロックがずらりと並べられている。山毛欅沢右岸の道を行くと地形図よりも手前で道は途絶えていた。

普通の堰堤一基とさっき見たのと同じコンクリートブロックを積み上げた堰堤二基を越える。沢は平凡で貧相な上沢床が滑る。本沢とコゴミ沢の出合から先、本沢を遡行するつもりでいたが一層ボサが被って水量も減っている。遡行を続ける意欲もなくなって、この時点で黒谷川に下降することもやめて、本沢とコゴミ沢の中間尾根から山毛欅沢山に登ってコゴミ沢左岸尾根経由で下山することを決めた。

コンクリートブロックを積み上げた堰堤
山毛欅沢の渓相
倒木にヒラタケ(ウスヒラタケか?)が出ていた
同じ倒木にまだ小さなブナハリタケも
倒木の反対側にはもっと大きなヒラタケもあった
本沢とコゴミ沢の出合
出合から先の本沢の渓相

尾根に取付いてしばらくはミズナラ、ブナやマツが立ち並んですっきりしていたが、次第に斜度が落ちてくると灌木が繁茂する藪が広がるようになる。

尾根にはこのキノコが良く出ていたが、図鑑を見ても種類を特定できなかった
ヒダの色は茶色

山頂付近は完全に藪で、北寄りに少し下るとブナの木立があるが尾根は灌木と蔓草の藪が続いている。

山毛欅沢山山頂の様子
尾根を北東に降ったところから見た山毛欅沢山

コゴミ沢左岸の尾根に踏み込むとやや藪は薄くなる。1200~1100Mあたりには下草や灌木が少ないすっきりしたブナ林が広がる。このままブナ林を下降して麓に辿り着けるかと思ったが、再び灌木が煩くなる。麓まで標高差100Mくらいのところから少し傾斜がきついミズナラの林を降ると、山毛欅沢出合付近に出た。山毛欅沢を渡って右岸の道に上ると、すぐに駐車地点に着いた。

ブナ林に白くててっぺんが肌色~桃色のきのこが出ていた
同じきのこの別の株

 

以下は図鑑と照合するために帰宅途中の道の駅で撮った。

小さいけど、アイシメジ・・・か?
裏側
サクラシメジかと思ったがちょっと違う
図鑑で調べてみようと思って持ち帰ってきた
裏側
帰宅後に調べて、アケボノサクラシメジと判定
種類不明
幼菌を割ってみたら柄の中心はスカスカ
虫に食われているようにも見えた

 

ルートタイム: 駐車地点(7:15)-二俣(8:40)-山毛欅沢山(11:40/11:55)-コゴミ沢左岸尾根分岐(12:45)-駐車地点(15:55)



裏川左岸の山道

裏川の本・支流を遡行するにあたって、裏川堰堤からブナ入ノ平まで3回、その他に要所口付近までの間を3回、ナゴ沢から裏川堰堤まで1回歩いてきた。

結局全区間のトレースはできなかったが、この山道を辿ってきて分かった自分なりのポイントを地形図に書き込んでまとめた。

※メモは裏川堰堤からブナ入ノ平へ向かう視点で書いた

 

山道入口 写真では藪にしか見えない
イガミ沢 名前がついているとは思えない程小さな沢
徒渉点は湿地状
黒松ノ沢 徒渉点の僅か上流に堰堤がある
黒松ノ沢の右岸 樹林帯の台地を抜けるとボサが煩くなってくる
草叢の手前 木の枝に目印あり
草叢下部の段丘
河原に降りて裏川左岸を行くと瀞場が見えてくる
狭いバンドを縫うように踏跡が続く
大倉沢手前で河原に降りる
要所口から涸沢沿いに登ってブナの疎林の斜面へ向かう
赤岩沢右岸を直進
赤岩沢の次に渡る小沢
快適なBPになりそうな段丘
ナゴ沢手前の小沢を渡った後小尾根状の所を登ると柱石がある
ナゴ沢は二俣付近を渡る
櫛ノ倉沢対岸の段丘
櫛ノ倉沢出合対岸を過ぎると踏跡を辿れなくなる
時折視界が開けたところで斜面を見渡すが、何処を歩いても傾斜が急な藪に見える
トウガイ沢の対岸 松が多く目につく
左岸からトウガイ沢への下降点
トウガイ沢は10M滝の上を渡る
滝の先に裏川の流れが見える
水無沢まで来ればブナ入ノ平は目前
水はこの手前の沢(右俣?)で組んでおいた方がよい
または水無沢を渡った後、尾根の先で等高線が窪んだところに降りれば湧水が得られる