山形に引越してきてから、ようやく飯豊を訪れることができた。
引越して来る前は外出自粛のために飯豊を訪れることもなかったので、ずいぶん間が空いてしまった。
今年は、前十字を繋ぎ直したためにクライミングジムに通うのを中断している最中に新型コロナの感染が拡大したためそのままジム通いを再開しなかったし、沢登りに関しても小規模な沢を数回遡行した程度なので、飯豊の沢を遡行するには完全に準備不足。
まずは飯豊の主稜線に達するルートでも短めの梶川尾根-丸森尾根を巡ってきた。
梶川尾根は二段階の急登の尾根。登山口から約400Mの急登が続いて湯沢峰へ、一旦降ってなだらかなアップダウンになる。再び斜度が増してくると滝見場、五郎清水を過ぎて梶川峰に至る。梶川峰からは草原地帯で、視界は大きく開けて扇の地神までなだらかな登りになる。梶川尾根を登りに選んだのはこの光景を見たかったからに他ならない。この辺りから高山植物が多く見られるようになるが、この度は終盤を迎えている印象だった。
扇の地神から丸森尾根分岐までの僅かな間主稜線を歩く。扇の地神から緩やかに降ってから登りに転じると間もなく地神山に至る。目の前にいるだけでも数えきれないほどのトンボが飛んでいた。
西側には頼母木川の源頭部となっていて、南方には直下に雪田が残る二の峰が目をひいた。
地神山から北へ向かって降って間もなく丸森尾根分岐に至る。
丸森尾根の花期は梶川尾根より遅いようで、梶川峰ではしおれかけていた花々が最盛期を迎えていた。
ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲはもとより梶川尾根ではほぼ散って綿毛状になっていたチングルマも満開だった。
梶川尾根で五郎清水はスルーしてきたが、昼食時に持参したお茶を飲み干していたので夫婦清水で水を補給した。
昼過ぎとあって降ってくるほどに暑さを増して汗が流れ落ちていたが、ブッシュの切れ目から見える文覚沢の渓相に気を紛らわすことができた。
丸森尾根の登山口は飯豊山荘の正面にある。車を停めたへ向かって登っていくと若い女性の警察官に聴き取りを受けた。梶川尾根を登っているときヘリコプターの音が聞こえていたが、その件のようだ。遭難が疑われているらしく、ルート、登山届、落ちていたストックに関すること、車のナンバーなんかを訊かれた。
丸森尾根の下部では所々にチチタケが出ていたので、持ち帰ってきた。抜き取ると流れ落ちる程の乳液が出てくるが、これが曲者でべたついて落なくなる上に乾物臭があって洗ってもなかなか落ちない。
ルートタイム:
梶川尾根登山口(8:00)-湯沢峰(9:00)-滝見場(9:30)-五郎清水(10:05)-梶川峰(10:50)-扇の地神(11:30)-地神山(11:55/12:05)-丸森峰(12:50)-夫婦清水(13:30)-丸森尾根登山口(14:40)